―次の患者の方、どうぞ。
「よろしくお願いします」
―今日はどうされました？
「なんだか最近、急に
キンプロのデッキを考える
気力が萎えちゃって・・・」
―ほう、他にはどんな症状が？
「気がつくと
トライアルグレードだけで
デッキを組んでいたりします。
リーグ戦に参加する気も
起こらなくて・・・」
―もうすぐ公式リーグも
ありますよね？
「今回はパスしようかと・・・」
―ふむ・・・。
「・・・」
―わかりましたよ、Mr.しも。
あなたの症状はずばり
『キンプロED』です。
「は、はぁ・・・」
―最近、何か
心にひっかかることでも
ありませんでしたか？
「まぁ、ちょっと・・・」
―それがきっとトラウマに
なっているんでしょう。
今のあなたは
キンプロ不全。
キンプロのできない体に
なってしまったんですよ。
「そうなんですか・・・」
―Mr.しも・・・。
「はい」
―休んでみたらどうですか？
「えっ、キンプロをですか？」
―そうです。
どの道、今のあなたは
まともなデッキを組める
精神状態ではないでしょう？
「・・・」
―今後また、悪魔将軍と
対峙する自信がありますか？
「正直、怖いです」
―ファッキンガム宮殿から
対抗戦の誘いがきたら
どうするつもりですか？
「絶対に拒否します」
―もう、答えは
出ているんじゃないですか？
「・・・」
―プロレスゲーム実況動画も
遅れているんでしょう？
「はい」
―今が潮時かもしれませんよ？
「・・・」
「で、でも・・・」
―はい？
「オレには一緒に戦う
仲間がいるんですよ。
こんなオレですけど
信じて待っててくれる
仲間がいるんですよ！」
―それほどの仲間でしたら
信じて頼ってみませんか？
「えっ・・・!?」
―あなたがまた
立ち上がれるその日まで
その仲間たちに
懸けてみましょうよ。
「・・・」
―とにかく
医師としてはこれ以上
キンプロを続けさせるわけには
いきません。
大事をとること。
練習試合も禁止です。
いいですね？
「はい・・・」
―では、お大事に。
「ありがとうございました」
「ふぅ・・・」
「キンプロED、か・・・」
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