MOVIE レビュー

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「300  / スリーハンドレッド」

2007年06月15日 | 映画感想 サ 行
6月9日から公開の「300 / スリーハンドレッド」を観ました。「シンシティ」などのアメコミの人気作家であるフランク・ミラーのグラフィックノベルが原作。たった300人のスパルタ人兵士が、どのようにして100万のペルシャの大軍と戦ったのかを描いています。主役のスパルタ国王・レオニダスを演じたのは「オペラ座の怪人」のジェラルド・バトラー。「オペラ座の怪人」は日本でしかヒットしなかったと聞きますが、「300 / スリーハンドレッド」は世界的な大ヒットとなったようですね。

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「300 / スリーハンドレッド」 (6月9日公開)

上映時間≫ 1時間57分
出演≫ジェラルド・バトラー / レナ・ハーディ / ドミニク・ウエスト / デビッド・ウェンハム / ロドリゴ・サントロ
内容≫紀元前480年。スパルタ王レオニダスのもとにペルシア帝国からの遣いがやって来た。千もの国々を征服した東方の大帝国が次なる標的に定めたのは、スパルタをはじめとするギリシアの地。国を滅ぼされたくなければ、ペルシアの大王クセルクセスに土地と水を差し出し、服従の証を立てろと使者は言う。「服従か、死か」と問われれば、スパルタの答えはひとつ――王レオニダスがペルシアの使者を葬り去った瞬間、スパルタは100万の大軍を敵に回した・・・。

来日情報≫6月7日(木)ジェラルド・バトラー、ザック・スナイダー(監督)、フランク・ミラー(原作)、デボラ・スナイダー(プロデューサー)、マーク・カントン(プロデューサー)、ジャンニ・ヌーナリ(プロデューサー)らが来日。

ランキング≫全米興行成績は初登場1位
米Yahoo!ユーザー6段階平均評価「B+」
米Yahoo!批評家6段階平均評価「B」


■感想です≫

私が思っていたより悪くは無かったです。予告編を見る限りでは、血しぶきドバッ!ドバッ!っと言う感じで、正直、胸ワクワクの期待感を持って観るような映画ではないなぁって思っていたし、人物も背景も映像は全て斬新なCG処理をしていると言う事なので、観るのが疲れるんじゃないかとも心配していました。まぁ、そこの所は気になりませんでしたが、血がドバッドバッよりも何よりも・・・映像はキレイだけど、何か絵画を見ているような平面な感じがして、最初はちょっと違和感が有りました。観るのをちょっと失敗したかな?なんて思ったりして・・・。

写真を見ても分かると思いますが、全編にわたりセピア色の世界で、微妙な濃淡の配分で質感や光沢を表現しています。数千年前の古代ギリシャ時代の物語と言うことで悠久の歴史の鼓動を感じさせるセピア色でした。そんな中で、あの最強マッチョ軍団のスパルタ兵士300人の赤いマントが印象的に描かれています。「シン・シティ」でも使っていた手法ですね。全てモノクロの世界で、女性の口紅やドレスだけが真っ赤とか、強調したい所だけカラーにしていましたわ。

それにしても、鍛え抜かれた屈強な裸に盾と剣を持ち、赤いマントを翻しながら敵陣に攻め入るシーンは圧巻でした。CG処理のお陰か?不思議と鎧を着けているより強そうに見えましたわ。戦闘シーンは、これまでの映画で大軍同士が戦う場面でよく有る様な、一斉に入り乱れての乱闘ではなくて、クローズアップした場面撮りで、スローモーションをかけながら個人を丁寧に撮っていて、惹きつけられる映像になっていました。普通は、こう言う合戦のシーンは流して観てしまうんですけどね!この映画は、殆どが合戦のシーンなので流して観ていたら殆ど適当に観て終ってしまいますわ!(笑)観客にそう言う見方をさせない為に、スローモーションシーンや、人物のクローズアップで迫力の戦闘シーンを作ったのかも知れませんね。

ただ!主役のレオニダス王が常にアドレナリン出まくりのセリフのオンパレードで、おまけにめっちゃ顔が濃いし!そっちで観ているのが疲れたような感じです(苦笑)・・・。私は以前に同じくフランク・ミラー原作の「シン・シティ」と言う映画を観ていて、(それと同じような映像、もしくは、よりCG化されていたのかも知れませんが・・・)ミラーの映像感覚を体験済みだったので、割とスムーズに物語りに集中できたように思いました。 元々アクション映画好きなので、まぁ許容範囲でしたわ。

ストーリー的にはまったく広がりは有りません。ただただ戦い有るのみ!の展開です。物語重視の人は観ても絶対楽しめないですね!冒頭のシーンで暗く切なく悲劇的な子供達の描写が有ります。スパルタの国では、生まれてすぐに弱くて戦えないと判断された子供は、谷底へ捨てられ屍と化して行く。運良く成人まで育ったとしても、成人の儀式で飢えた猛獣が居る山へ一人で放り込まれて、そこで知恵を絞って戦い生き残った者が成人として迎えられる。そんな過酷な人生を何の抵抗もなく受け入れるように子供の頃から「弱き者は去れ!強くあれ!」と教育をされ、「服従はしない!撤退はしない!降伏はしない!」と言う鉄の意志の最強軍団スパルタ兵士が誕生する。非情極まりない世界です。

この映画は、元々はアメコミが原作と言っても、そのアメコミは紀元前480年に起こったとされるペルシア遠征軍と、スパルタ国を中心とするギリシア連合軍との間で行われた史実に基づいた戦闘を描いているらしい。この事実を知って観るのと、単にアメコミの荒唐無稽な架空の物語として観るのとでは感じ方が違ってくると思います。史実でのスパルタ戦士はやはり裸ではなくて、当然の事ながら重装備だったらしい(笑、当たり前か!?

その戦いで、実際にスパルタ軍は、この映画に出てくるような険しい山と海沿いの土地の陣営でペルシア軍を迎え撃ち、僅か300人の兵士が3日間にわたって大軍の進行を阻止し、敵軍に甚大な被害を与えたと記され、レオニダス王とスパルタ兵の誇り高い精神が未来永劫語り継がれてきた訳ですね。スパルタ国王・レオニダス王が最期を悟り、国で待つ妻や国民に自分達の戦いを伝える為に密かに使者を戦場から逃がす場面で「我らを忘れるな!と国民に伝えてくれ!」と伝言する場面は、ジーンときました。そして、300人の最強軍団スパルタ兵と国王は最後の決戦へと身を投じて行きました。


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コメント (2)
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