MOVIE レビュー

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映画「消されたヘッドライン」の感想です。

2009年05月26日 | 映画感想 カ 行
消されたヘッドライン

映画「消されたヘッドライン」の原作は、2003年にイギリスのBBCで放送された全6回のTVシリーズで、英国アカデミー賞などを受賞した大ヒットドラマです。日本でも2008年にNHKBSで放送していましたが私は未見でした。この映画の脚本は映画「ボーン・アイデンティティー」シリーズ全ての脚本を手がけたトニー・ギルロイさんも参加してライターさんが3人も寄ってたかって練った作品との事なので期待できそうです。予告を見た限りでは巨大組織の闇のスパイラルに立ち向かう新聞記者と言う古典的な構図のサスペンスですが、ちょっと前に観た「ザ・バンク 」にテーマが似てるのかな?

ラッセル・クロウが「ワールド・オブ・ライズ」の役作りで20キロ強の増量ボディーでポッチャリ系おじさんになってしまいましたが、「消されたヘッドライン」の予告編とかで見た感じでは、まだぽっちゃり系を維持しているみたいです!こう言う映画には必ず出てくるタイプの、プライベートはだらしなくて容貌はむさ苦しいけど、仕事はきれいに片付けると言う記者ですね!?(苦笑)それに引き替え、ベン・アフレックは痩せましたね!そのせいか顔の長さがやたらと目立ちます!

★↓観て来たのでこの下から感想を追記しました。↓

最初に書いたように邦題のタイトルから想像していたのは「国家を揺るがす戦争ビジネスの闇に対して新聞記者が敢然と立ち向かって行く!」と言うような記者魂を魅せ付ける構図だったのですが、観終わった後で感じたのが「事件のスケールが思っていたより小さかった!」って事でした。もっとガンガンに国の中枢を担う議員と軍需産業の癒着にメスを入れる社会派なドラマなのかと思っていたら、暗躍する政治家や戦争ビジネスを糾弾するでもなく、結局は個人のスキャンダラスなゴシップネタの顛末で終わってしまっていたのが残念でした。でも、途中結構ハラハラして観れました。

ラストは巨大な暴利を操る軍需産業の闇は放ったらかしのままで尻切れトンボ感が否めなかったです。ガチガチの社会派ドラマとしてではなく、政治スキャンダルドラマとして観たら良かったかもしれませんが!?この映画も観る前の勝手な思い込み厳禁!な映画でした。(^^ゞ)
この映画の英題が「 STATE OF PLAY 」なので、その意味を辞書検索をしたら主にクリケットの「試合の形勢、スコア」と言う意味で、一般では「競争者間の形勢」の事を指すと載っていましたから、邦題から受けるニュアンスとは違いますね!?(クリケット絡みの言葉と言うのがいかにもイギリス発らしいですけど・・・)全体のストーリー展開は、事件の核心を握る人物の形勢が二転三転しますから、初めからそう言う意味合いで考えたら内容を見誤ることはなかったですね!

それから、見応えが有ったのがやはり敏腕記者カル役のラッセル・クロウですね!酸いも甘いも知り尽くしたブン屋と言う言葉がピッタリ似合うベテラン記者がハマってました!ただ、ベン・アフレックとの絡みの場面では、二人のバランスは良くなかったような感じがしました。その反面、女性の新米記者デラとのコンビが、お手軽な恋愛に走らなくて(ラッセルがデブキャラから抜けきれず可憐な彼女と似合わなさ過ぎて断念したとか?)、若輩者をちょっと突き放しながらも一人前にしていく男同士の師弟関係を描いてるようなパターンの映画が有りますけど、この二人の関係は男女でそう言う師弟関係の絆が出来上がっていたのが面白い展開でした。

普通のサスペンス映画では、主役と言うだけで凶暴な悪人でも対等以上に闘って危機を脱出するシーンは良く有りますね。この映画の見せ場であるカルがスナイパーと対峙するシーンでは、ちょっと違った描き方に感じたのが、記者であるカルを勇猛果敢に難なく事件を解決するスーパーヒーローに仕立て上げず、恐怖に慄き逃げの一手で難を逃れさせていたのも緊迫感と恐怖感が伝わってきて良かったです。この辺はサスペンスとして面白かった所でした。最後に残念賞を言うなら、ヘレン・ミレンでしょうか!?ヒステリックな指示を出していただけと言う印象が残っていて、新聞社の編集長と言う威厳は感じなかったです。

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「消されたヘッドライン」 (5月22日(金)公開)

上映時間≫ 2時間 13分
製作年:製作国≫ 2009年4月 : アメリカ
英題≫「 STATE OF PLAY 」
監督≫ケヴィン・マクドナルド
出演≫ラッセル・クロウ / ベン・アフレック / レイチェル・マクアダムス / ヘレン・ミレン / ジェイソン・ベイトマン 他

ストーリー≫『ラストキング・オブ・スコットランド』のケヴィン・マクドナルド監督が映画化した政治サスペンス。【ワシントン・グローブ紙は国会議員と亡くなったある女性のスキャンダルとは別に、同じ日に起きたもう一つの殺人事件との奇妙な関連性を発見する。敏腕記者カル(ラッセル・クロウ)は、編集長(ヘレン・ミレン)に渦中のコリンズ議員(ベン・アフレック)と接触するよう言われる。やがて彼の調査は思わぬ事件の真相に迫っていき……。】(Yahoo! 映画より抜粋)

トリビア≫劇中で不倫を暴露されたスティーヴンが記者会見を行った時の観客席には、実際にウォータ-ゲート事件をスクープして、後に「大統領の陰謀」と言う映画のモデルとなった実在の記者やCBS、ワシントン・ポスト他の著名なジャーナリストたちがエキストラ出演していたらしい。エンドロールの輪転機の印刷シーンは、本物のワシントン・ポストの輪転機で「ワシントン・グローブ紙」を印刷して貰ったそうです。

  • ランキング≫全米興行成績は初登場 2 位

    米Yahoo!ユーザー6段階平均評価 「B+」(3055 ratings)
    米Yahoo!批評家6段階平均評価 「B-」(12 reviews)


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