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「Dr.パルナサスの鏡」 感想

2010年01月27日 | 映画感想 タ 行
1月に公開される映画で、次に観る予定にしているのが「Dr.パルナサスの鏡」です。
私がテリー・ギリアム監督の作品を観たのは、TV放送で「12モンキーズ」を観た位で、映画館で観たのは「ブラザーズ・グリム」だけでした。その「ブラザーズ・グリム」と言えば、ヒース・レジャーとマット・デイモンの共演だったので期待して観たんですけど面白くなかったです。あまり観たいと思う監督さんではないので、本来は期待度は低いのですが、この映画は、ヒース・レジャーの急死でヒースの役の設定が少し変更されて、うまい具合に代役の3人と”共演 ”している展開になっているのを期待して観ます。でも内容は幻想と現実が入り乱れて難解そうですね!?

ちなみに、ヒース・レジャーの死でこの映画の撮影が中断した時に、トム・クルーズが代役を買って出たけど、テリー・ギリアム監督が「ヒース・レジャーを良く知る人物に代役をしてもらいたい」と言う理由で断っていたらしいです。うん、トム・クルーズとファンタジーは合わない気がします。ヒース・レジャーは映画の前半の現実世界のシーンだけ撮り終えていたので、後半のダークファンタジーの世界をヒース・レジャーの友人のジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人がヒースの役を演じると言う不思議な映画になっています。感想は観賞後に書きますので、まずは映画の詳細と予告編をUPしておきます。
(記:2010年01月08日)

観てきたので感想を追記しました。

皆さんご存じの通り、この映画はヒース・レジャーの遺作となってしまいました。私はヒース・レジャーの映画は2000年の「パトリオット」から始まって、今までに4作品位しか観ていないのですが、今後の活躍を注目していた俳優さんでしたから、彼の映画をこれから観れないのが残念です。ヒースの死によって、どうしてもこの映画に対する評価は少し甘めになっているかも知れません。

それでも、やはり映画のオープニングシーンでいきなり「テリー・ギリアムワールドは分からん!」状態になった時に、「これ普通ならパスだったな!」と思いながら、理解しようと観ていましたが何とも陳腐な設定に早くも拒否反応が・・・。まぁ、彼らがこの地球上の世界を動かしていると言う感じだったのか分かりませんが・・・、あのシーンと、そのすぐ後に続くロンドンでのオンボロ馬車での旅芸人一座との流れが分かりにくい! 冒頭の秘境の洞窟のシーンは邪魔で退屈でしかなかったです。

現代のロンドンに場所を移してから、1000歳以上と言う得体のしれないパルナサス博士と、娘ヴァレンティナが橋で首を吊っていた若い男トニーを助けて、トニーが一座に加わってからやっと物語が前に動き出した感が有りました。そこまで我慢して観れたら、あとは、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの演技を楽しむ事が出来ました。ただし、私としてはあまり好きではないコリン・ファレルの出番が一番長く、ジョニー・デップが「パブリック・エネミーズ」の撮影中だったので、1日半しかスケジュールの都合が付かなかったらしく、一番出番が少なかったのが残念でした。

まぁ、誰の出番が多い少ないの不満は置いておいて、この3人の加入によって4人で1人のキャラクターを演じたメリットは大きくて、「鏡」の向こうの不条理な世界を一段と摩訶不思議な怪しい世界に変えていたと思います。怪しいと言えば、あの一座が乗り込んでいたボロ馬車とか、幻想の世界へ誘う「鏡」の現実世界の入口側はCGではなく、いかにも胡散臭そうな手作り感丸出しのまやかし物っぽい雰囲気が漂っていて面白かったです。その鏡の中では、人の欲望の赴くままの世界が映し出され、人生を懸けた選択を迫られるのですが・・・、選択を間違えると悲しい運命が待ち構えていると言う、実は怖い「鏡」なんです。見た目のポップな映像とは裏腹に、実はダークな残酷物語だったんですね。

この映画を観終わって感じたのは、実は、このパルナサス博士と言うのは、本当はテリー・ギリアム監督の分身なんじゃないかと思いました。ギリアム監督は、これまでに映画会社との対立や制作資金難で苦労をされてきたようですね。この映画の公式サイトに載っていた過去のトラブルとしては、★訴訟にまで発展したラストシーン改ざん事件★映画の撮影2日目の洪水で製作中止★配給元からアメリカでの公開を拒否された時は、ニューヨークの通りに立ち、首に「助けてください」などと書いた紙をぶら下げて道行く人に呼びかけたらしい。このエピソードって、映画の終盤のパルナサス博士のシーンとオーバーラップします。人生で選択を迫られた時に、誘惑に負けないで自分の良心に恥じない選択ができれば幸せになれるのかな?それにしてもちょっと哲学的なセンスが要求されそうな映画でした。

ちぇっく本編が終わってエンドクレジット終了後にヒースが映画の中で使っていた携帯電話の着メロが流れてきました。何とも切ない演出でした。この着メロは公式サイトでダウンロードできます。


■ 「Dr.パルナサスの鏡」 (英題:THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS )
■ 日本 公開日: 2010年 1 月 23日(土) (上映時間 2 時間 04 分)
■ ストーリー : 悪魔との契約で不死身を望んだ男を取り巻く人々の皮肉な運命を豪華キャストで描く。謎めいた青年役に、これが遺作となった『ダークナイト』のヒース・レジャー。彼の急逝により危機に陥った本作を救ったのは、ジョニー・デップにコリン・ファレル、ジュード・ロウという名優たち。撮影途中の役を彼ら3人が演じ分けた、奇想天外な物語に息をのむ。【 鏡で人々を別世界に誘う見せものが売りの、パルナサス博士(クリストファー・プラマー)の移動式劇場はロンドンで大盛況だった。観客は博士の不思議な力で自分が思い描く、めくるめく世界を体験できるのだが、そこにはある秘密があった。トニー(ヒース・レジャー)はそのアシスタントとして観客を鏡の世界へと導く役目を担っていたが……。】(Yahoo!映画より抜粋)
■ 監督・脚本: テリー・ギリアム
■ キャスト : ヒース・レジャー、ジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウ、クリストファー・プラマー、リリー・コール
■ 米 公 開 日 :  2009年12月25日 (限定公開) 
■ 全米週末興行成績 :
■ 米Yahoo!ユーザー: 平均評価 「 B+ 」 (1039 ratings)
■ 米 各雑誌批評家 : 平均評価 「 B- 」 (7 reviews) 

米Yahoo!評価はA~Fの6段階。ユーザーと批評家それぞれの平均評価で、A+が最高です。
(ストーリーはYahoo!映画より抜粋させてもらいました。)


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コメント (12)
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