『Wild Honey』The Beach Boys (1967)

2005年06月03日 | BB5/ブライアン
このアルバムは、ブライアンがバスを降りてしまった後、ブライアン以外のメンバー、特に末弟カールが、袖まくってがんばり始めた記念碑的な作品。でも後々のどこか悲壮感が漂う頑張りではなく、このカールは若くて(何たって20歳!)バイタリティーたっぷりで、安心して聴けます。ブライアンもまだ割と協力をしているほうだし。

一応ビーチ・ボーイズは高校生の頃ベスト盤から入った後、1stから順番に聴いていって狂喜乱舞していたのだけれど、このアルバムの前作 『Smily Smile』は判断がむずかしい作品で、今の時代だからこそ楽しめるものとなっているけど、私は初めて聴いた時に、明らかに「ヘン」だと思ってほとんど聴かなかった。だって気持ち悪かったもん。
その「ヘン」にも色々な意味での「ヘン」が含まれていたのを、後々知る事になるけど、今作は違う。
ふつーに聴ける。全曲粒が揃ってるし、そして何より圧倒的にポップだ。取っ付きやすかった。
あとビートルズの “Wild Honey Pie“という曲とタイトルがリンクしてるのも当時なぜかうれしくて、聴きまくってました。
ジャケもなーんか魅力的。タイトルやバンド名のロゴも名作『Pet Sounds』みたいにイケてるやつじゃなくて、ラフ~な、でもポップでちょっとかわいい手書き。このアルバムを象徴しているようです。右上のハチさんが効いてるね。

M-1、タイトル作 “Wild Honey“ の、どこかユーモラスでクセになるオルガンのイントロで幕を開ける。
この曲のカールのヴォーカルが時々シャウトしすぎて、コブシまわしすぎて、若すぎて、声がかすれて時々ひっくり返る。そこが大好き。
M-2の “Aren't You Glad“ は1stヴァースのマイクの優しい歌声が大変心地良い。こんな声出せるんだから、マイクも憎めないよなぁ。あまり一般的に取り上げられる機会の無い曲だけど、スズシイ顔して結構イカツイ展開で、ブライアンらしい曲だと思う。
M-3、スティービー・ワンダーのカバー曲、“I Was Made To Love Her“ 。カールのリード・ヴォーカルがノッてノッて、若さで弾けてるカンジがサイコー。オリジナルが好きな事もあって、カール・ヴァージョンも贔屓に。
そしてそして6曲目にっ!名作 “Darlin“ が収録されているーーー!!!これはイントロから持ってかれますよー。2分と少しという短い曲の間、ベースもブラスもカールもコーラスも全部ハネてる!地球人の共通項のポップスとして、この曲と、ビートルズの “Hello,Goodbye“ を火星人にぜひ聴かせたいです。カールのヴォーカルも最高の部類!ポップス好きには至福の1曲です!

後に続く事になる名作群『Friends』、『Sunflower』の序章として、カールの若かりし時の一つの成果として、愛すべき作品。
ビーチ・ボーイズを『Pet Sounds』を境に初期、後期と分けた(かなり乱暴ですが)としたら、私は、上記の名作2枚を押さえ後期で一番好きだと勢いで言ってしまうっ!



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