「僕星」と同じく尊厳死をテーマにした作品です。
ノルウェー船のクルーとして世界を旅していたラモン。しかし25歳の夏、ある事故により首からしたが麻痺し寝たきり状態に。
実家で家族の献身的な介護に支えられながら、ベットの上で余生を過ごしていました。
窓の外を眺め空を飛ぶのを想像すること、詩を作ることが彼にできることでした。
26年後、本当の自由を得るため、自らの命を絶つことを決断します。
尊厳死を認めてもらうため、尊厳死を支援する団体に相談。そこで女性弁護士のフリアと出会います。
フリアはラモン実家の住み込みで話を聞きますが、その過程で2人は心を通わせていきます。
実はフリアも難病を抱えていて・・・。
もう一人、ラモンのドキュメンタリー番組を見て心動かされ、尊厳死を思いとどまらせようと訪ねてきた
子持ちの未婚女性のロサがいました。
ラモンと話をするようになって、彼の身の回りの世話をしたいと申し出ます。ちょっとストーカーっぽい感じです。
寝たきりの辛い生活ではあったけれど、ラモンは家族からも大切にされ、出会った2人の女性からも
愛され傍目から見ると幸せそうに見えるんですけどね。
トークもウィットに富んでるし、彼の側にいたいなって思えるような人。
でも明るく見えるラモンでも、集まってくる人の何気ない会話に傷ついてたんですね。
甥っ子の「じいちゃんは座ってるだけだから」の愚痴を聞いた時とか。
甥っ子はラモンのことが好きで何でも話せるから何気に言った言葉だけど、寝たきりの自分はって思ってしまうよね。
尊厳死を反対していた兄が思わず言ってしまった言葉にも。
大切な家族だけど、介護する方も葛藤があるもんね。
誰にも迷惑をかけない方法で尊厳死を決行する計画を立てるんだけど、共に尊厳死を誓ったフリアが現れず。
代わりにロサに協力してもらい、悔いのない最後を迎えます。
フリアは尊厳死をとどまったのか、進行が進んで来れなかったのか。
ラストに施設に入りラモンのことも分からなくなった姿を見て、どっちが幸せなのかなと思いました。
テーマは重いけど、「僕星」みたいで暗くないです。
いろいろ考えさせられる作品ですね。
☆DVD鑑賞
☆原題: Mar Adentro
☆2004年 スペイン
☆監督・脚本 : アレハンドロ・アメナーバル
☆日本公開: 2005年
☆キャスト : ハビエル・バルデム/ ベレン・ルエダ / ロラ・ドゥエニャス
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