遠足
「 硬い強さ 」 は わかりやすい。
「 硬いから強い 」 のだと かんたんに思ってしまうほどです。
だから 強さを < 鉄 > にたとえる表現は
昔から ひじょうに多く使われてきましたね。
『 鉄腕アトム 』 『 鉄人28号 』
「 鉄のように強いヒーロー 」 というイメージを
心に焼きつけていきます。
強い足が 「 鉄脚 」。
「 ツラの皮あつい 」 という その皮が 「 鉄面皮 」。
スパルタ教育の道具 ( ? ) が 「 鉄拳 」。
これでもってこらしめることが 「 鉄拳制裁 」。
堅い守りが 「 鉄壁 」。 鉄の壁は破りようがないからです。
堅固な精神が 「 鉄石の心 」 あるいは 「 鉄心石腸 」。
硬いものを二つ並べたわけです。
「 腸 」 は このばあい 精神面をさしています。
動かすことのできない 絶対の規則や法則が 「 鉄則 」。
「 この考えを変えることはできない ! 」 というのが 「 鉄案 」。
ワンマン社長が出すプランはたいてい これなのでしょう。
刑務所のことを 「 鉄窓 」。
きびしくこらしめるのが 「 鉄槌 ( てつつい ) をくだす 」。
バクチ打ちのことを 「 鉄火 」
・・・ というのは わかるような気がしますが
鉄火ドンブリ 鉄火ミソ ・・・ とくると
浅学の身には 本来の鉄の関係が 「 ? 」 となる次第 ・・・ 。
さて 引きつづいて
むかし 英国のサッチャー首相に捧げたのが
「 鉄の女 」 というニックネーム。
女だてらに ( 失礼 ) タカ派路線を貫き通す
政治家としての強さを評したものでした。
鉄をはじめ およそ武器をつくるのに鉄は欠かせません。
それで 鉄が武器の代名詞として用いられることもあります。
たとえば 「 身に寸鉄を帯びず 」 は
護身用の武器をなにひとつ 体につけていないことです。
武器の代名詞に使われることで
鉄はいよいよ < 強 > のイメージが結びついてきます。
「 鉄 = 硬い = 強い 」 という固定観念が
できあがってしまったわけです。
さて ・・・ 。