中国西安で奮闘する大学教師Mの日々

日本人教員として中国の陝西省西安市の大学生・大学院生に対し、「日本文化・社会」や「卒業論文」などを教えています。

日本へ留学を目指す学生達 それぞれの進学先が決定!

2013年10月06日 22時42分12秒 | 日本への留学までの道のり
国慶節後半は今月の学会報告の準備に追われています。
少し進めては手を止め、また進めるという過程を繰り返しています。

研究に入ると私は他のことが一切手につかなくなり、頭は研究だけに占領され自分の世界に入ってしまいます。
部屋からは運動する時間以外は一切出ずに、食事も全て出前をとり、とにかく研究だけをやっている状態です。
机の上には今回の報告で使用予定の档案(資料)を並べ、それぞれに目を通しながら報告概要を練っています。


こちらは別のコピーした資料。他にもPCの中に今まで収集した資料があり、どう使うかまだ未定です…。


明日で連休も終わり、大学が再開されるので今夜までにある程度形にしておくつもり。



さて、気分を切り換えて別の話題。
このブログでは「日本への留学までの道のり」というカテゴリーを設け、何回か記事を書いてきました。
暫く更新がないままだったので、現在の状況を書いておきたいと思います。

まず確認ですが、私が今回直接担当した日本へ留学を目指す中国人学生は3人、間接的(少し)にお手伝いをしたのが一人でした。
先の3人ですが、2人が千葉大学へ学部生研究生として無事に合格し、既に大学へ入学して留学生活を始めています。
もう1人はつい先日、東京外国語大学の学部研究生としての受入が無事決定し、来年4月に入学することが決まりました。
なお、間接的にお手伝いをした学生は京都大学の学部研究生として既に入学しており、京都での留学生活が始まっています。

特に東京外国語大学に入学を決めた学生は最も最初に留学を希望した学生で、その気持ちに応えたいと特に厳しく指導しました。
この学生には特にですが、正直かなり厳しい言葉を投げかけたり、態度をとったこともありました。

でも、学生は私の指導にへこたれずついてきただけでなく、どんどん知識を増やし、研究のセンスも磨かれていきました。
当初は論理的思考がやや弱いなという印象を持っていましたが、その点も次第に改善されていくのが分かりました。
何より指導した学生の中で、研究を義務でなく一番楽しんでいる様子があり、「これは伸びる!」という感触がありました。
学期中は大学構内や上海図書館で、夏期・冬期休暇中はスカイプやメールで何度指導したか分かりません。
結局、そんな指導が約10か月も続き、その間に他の学生達はどんどん留学先が決まっていきました。

逆に、卒業しても留学先が未定だったこの学生や御両親にとっては少なくない焦りがあったはずです。
ただ、私は「正直、これだけ力のある学生が落ちるはずがない。もし落ちたら大学研究者の見る目がない」などと構えていました。
(「もし落ちたら」などとは無責任な指導者だと思われるかもしれませんが…笑)

結果的に、最後は学生自身が志望大学を自ら決め、指導を希望する研究者に自身で苦労して書きあげた計画書を送り、合格を決めました。

「先生、東京外国語大学の○○先生が私を受入れてくれるそうです!本当にありがとうございました。」

と携帯電話口から学生が興奮気味に合格を伝えてくれた時、私は極めて冷静さを装いました。
まだ学生の入学手続き自体は残っており、ここで一緒に浮かれてはいけないと思ったからです。

ただ感情とは正直なもので、電話を切ると自然と目頭が熱くなりました。
「よく頑張ったな」と思わずにはいられなかったのです。


今後はそれぞれの学生の留学生活が始まりますが、皆が有益な留学生活を送ってほしいです。
今はそう祈っている私です。