RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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休日に全力で生きるOLの日記(笑)

和様の書

2013-07-29 21:30:00 | 美術
見てきました

東京国立博物館

会期は2013年7月13日から2013年9月8日。

今回は書の展示。
最近、多いよな。。
今年に入ってからトーハクで「書聖 王義之
先日も出光美術館で見てきたばかり。
書、苦手なんだけどな。。。

さて、「和様の書」とのことですが。
「和様」とは日本の風土、国民性に合った日本独自の文化をさす言葉。
和様の書とは、中国風の書である唐様に対して、日本風の書のことを指します。
日本の書の歴史は、漢字の伝来以来、中国の書法の影響を受けて発展しつつ、遣唐使廃止の頃になると国風文化が広まり、筆致に柔らかみが加わります。
平安時代中期には、小野道風・藤原佐理・藤原行成の三跡と呼ばれる能書が登場。
小野道風が和様の祖と呼ばれ、藤原佐理を経て、藤原行成によって典麗優雅な和様の書が完成。
併行して、万葉仮名、草仮名を経て女手が成立し、「高野切」に代表される日本独自の仮名の美が生まれました。

今回はそんな和様の書たちと宮廷文学などの展示です。
トーハクですもの。国宝も多数出展されていました。

まずはこちらのお三方。

織田信長筆「書状(与一郎宛)」
重要文化財です。
8月12日までの展示です。
信長の文書の多くは右筆という秘書のような役割の人が書いたもの。
由緒が明らかな自筆書状は数少なくそのうちの一つです。
内容は細川忠興の戦功を賞し一層の働きを求めたもの。
細川家ですもの、所蔵は永青文庫となっていました。
文章はかなり簡潔。
う~ん、さっぱりした正確がよく出ている。。

豊臣秀吉筆「消息(おね宛)」
重要文化財です。
こちらも8月12日までの展示です。
これは肥前名護屋に在陣中、側室淀君の男子出生の報を受けて、その名を「ひろい」とすることを正妻「おね」に知らせたもの。
美しいか、と問われたら答えられませんが、のびのびとした印象をうけます。

徳川家康筆「消息(ちょほ宛)」
こちらは重要美術品。
展示は8月4日までです。
大坂夏の陣で夫・豊臣秀頼を失った孫娘の千姫を案じ、「御わつらひ(煩い)心もとなく」と繰り返し心配しているもの。
天下人も孫を案じる気持ちは他の祖父とは変わらないのだな~と。

藤原道長筆「御堂関白記」
国宝です。
そして世界記憶遺産にも認定されました。
認定後初公開です。
世界最古の直筆日記。
平安時代だよ。
今から1000年以上も前の話だよ。
それが残っていてこうやって今見れるなんて感激!!!!!
歴史ロマンすなぁ~。
「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたる ことも なしと思へば」
という詩を詠み、平安時代中期に摂関家の全盛期を築いた藤原道長の日記です。
そこには摂関政治の重要事項や華やかな日常などが記されていて、当時の社会や文化を今に伝える資料としても一級品。
日常とかすっごく気になる。。
道長は三跡のひとり、藤原行成との交流も深かったそうで、筆致には行成の影響が出ているとか。
記述は大半が漢文体で仮名は2ヶ所。
展示はそのうちの仮名の1ヶ所となっています。
年若い息子が勅使となったことを按ずる記述です。
展示は8月12日までですので気になる方はお早めに。

幸阿弥長重作「初音蒔絵調度のうち眉作箱」
国宝です。
初音蒔絵調度とは3代将軍徳川家光の娘・千代姫が尾張徳川家に嫁ぐ時に持参した調度品のこと。
『源氏物語』の「初音」帖の意匠を凝らしてあるため「初音」と呼ばれます。
今年初めの「八重の桜展(江戸東京博物館)」でも「初音」は展示されていました。
7月13日から8月12日までは眉作箱。
8月13日から9月8日までは文台・硯箱が展示されています。
作品にちりばめられた文字を探すのも楽しい。

伝小野道風筆 継色紙「よしのかは」
重要文化財です。
展示は8月4日まで。
『古今和歌集』や『万葉集』から、和歌1首を料紙2枚に継ぎ書きしているため、継色紙(つぎしきし)と呼ばれます。
紙がとっても綺麗です。
鮮やかな色で2色の紙料に変わるところも美しい。
元は白や薄紫、藍、黄、浅黄などさまざまな色の染紙を使った、冊子本だったそうです。
それも綺麗だったんだろうなぁ。。
散らし書きされた書も繊細な感じがします。

手鏡も展示されていました。
手鏡とは筆跡のアルバムのようなもの。
(古筆手鏡についてはこちら→「古筆手鑑」)
国宝に指定されている「四大手鏡」すべてが展示されるのですが、私が行ったときは「手鑑 翰墨城」と「手鑑 藻塩草」の2つが展示されていました。
展示は8月12日まで。
のこり2つは8月13日からの展示です。

「手鑑 藻塩草」
こちら手鑑の中でも基本の手鑑とされています。
あ、聞いたことある、といったものが多くてその優美なようす、華やかなようす、味のある渋さ。。などを堪能。
極札のかわりに、古筆本家第10代古筆了伴による「手鑑目録」が付属というもの。
極札とは簡単にいうと鑑定書のようなもの。
古筆鑑定家が、筆者不詳の古筆切に、その書様に相応しい筆者(伝称筆者)を宛て、古筆の名称を付け、それを極札に記していました。。

「手鑑 翰墨城」
古筆別家第3代古筆了仲の所伝。
これは江戸時代初期には調製されていたそう。
古筆の名品が網羅された手鑑です。

「古今和歌集第十二残巻(本阿弥切本)」
とにかく綺麗。
まず紙が綺麗。
雲母で夾竹桃の文様が擦り出されていて優美で美しい。
文字が小さいのですが、一つ一つがしっかりと書かれ、私でも見やすい。
そして状態も美しい。
レプリカなんじゃ、、、って疑いたくなるほど(笑)

伝紀貫之筆「古今和歌集 巻第二十(高野切)」
7月28日までの展示です。
高野切とは『古今和歌集』の現存する最古の写本。
そして平安時代の仮名の最高峰に位置づけられます。
3人の寄合書きで、第一種、二種、三種に分類されますが、本作は3人の中でも重要な部分を書写している第一種の書風。
とにかく美しい。
優美な感じがします。

本阿弥光悦筆「四季草花下絵和歌巻」
8月4日までの展示です。
これはとっても綺麗。
色変わりの紙に、金銀泥で桜と藤とつつじ、そして秋草に月、千鳥の飛ぶ松林、、
四季の流れが描かれています。
そこに「千載和歌集」より選ばれた桜の歌が書かれています。
絵と書がみごとに調和していて、「書だから」と堅苦しくなく見れます。
最高傑作のひとつとのこと。
どれが格調高い、とかよくわかりませんが、これはとにかく心惹かれます。

「書はむずかしい」と思っていました。
たしかにそうゆう作品もありましたが、ほぼ全てが期待以上の作品でした。
というより豪華すぎてくらくらする。。
鑑賞時間をたっぷりとることをオススメします。
私も自分の予想鑑賞時間の倍の時間を過ごしました。
今回、展示期間が限られているものが多数あるので見たいものがある方は要注意です。
個人的には8月6日から8月25日まで展示の「檜原図・風」
こちら、書は近衞信尹。画を長谷川等伯。
等伯の絵が見たい。
HPの写真で見ただけですが、等伯による木々の描写がなんとなく国宝の「松林図屏風」に似ているかな、と。
でも、他に見たいものの展示期間が違ったから……
あぁ、もう一度行こうかなぁ……



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