RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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休日に全力で生きるOLの日記(笑)

愛せよコスメ! ~message from KISS ME~

2014-02-24 21:30:00 | 美術
見てきました

伊勢半紅ミュージアム

会期は2014年1月25日から2014年3月30日。

カラフルでかわいらしいチラシが目をひいたこの展示。
久しぶりに伊勢半まで行ってきました!!
以前に行ったのは2011年かな。。
かすかな記憶を頼りに「あれ、こんなに歩いたっけ??」と不安になりつつ無事到着。
私以外にも女性が3人、展示を見ていたことに驚きです。(失礼。。)
前回、人がいなかったので。。
そう、今回は女性が見に行きたくなるかわいらしくって化粧品の歴史も学べちゃう展示となっていました。

さて、伊勢半。
以前の記事にも書いたかな。
文政八年創業以来180年余り。
唯一、現在でも紅を作り続けている会社です。
"紅なんて普段使わないし、ちょっと知らないかな。。"
そうか。。
ドラッグストアでも見かけるのだよ、あの顔を。
エリザベート姫子。
ヒロインメイクやキスミーも伊勢半のブランドです。
ここで「あ、お世話になっております。」の人がかなり増えたでしょう。笑

今回の展示は「キスミー」がメインとなります。
「キスミー」は6代目の伊勢屋半右衛門である澤田亀之助氏が一代で築き上げたブランドだそうで、70年を超える歴史を持つのです。
改廃激しい化粧品のブランドとしては「日本で最も古いのでは」とのこと。
今回の展示はまず、昭和20年代から現代までのキスミーの口紅が展示されています。
伊勢半は紅屋さんですから。
近代になると西洋風の化粧品製造に着手、特に国産口紅の開発に情熱は注がれます。
江戸時代では器に入っていた紅。
それをスティック状にして発売したものが「艶蝶(つやちょう)棒紅」
キスミー誕生よりも前に、キスミーなどが根付きやすい土壌を作り上げます。
しかしここで大きな出来事が。
戦争です。
その打撃は大きく、口紅どころではない世の中。
それでもあきらめない伊勢半は物資のない時代にも高価であろうといい原料を集めます。
"いつか豊かになったとき、粗悪品は淘汰されていくから。本物だけは残るから。"
あぁ、なんかさ、こういった人がいるから。。
戦後の物がないときでも、信念や希望を持ってものづくりに励んだ人がいるから。
技術、ものづくりの面で日本は世界に出ていけたんだな、、とちょっと思ったり。。

1945年に製造再開、1947年にヒット商品「キスミー特殊口紅」が。
食料不足の時代に「唇に栄養を与える」とした広告が消費者の心をとらえたそう。
マーケティングも重要ですね。
口紅が軌道に乗ってくると、多品種化していきます。

1949年に発売の「キスミー特殊香水」
これは超音波を使い短時間で熟成させる技術を使ったもの。
日本で初めて導入したのは、もちろんキスミーです。
現在も社歴の中で「伊勢半を代表する商品」に位置づけられているそう。

ファッションやメイクの流行とキスミー化粧品が年表形式で表示されたパネルは読みごたえあります。
また「リップクリーム」は、キスミーが作った和製英語だそうです。

そうそう、忘れてはいけないのが今では当たり前になった、台紙付き商品について。
台紙付き商品、とは台紙にプラスチックのパックで売られているもの。
リップクリームとかですね。
あれを初めて行ったのはキスミー。
それまで日本では化粧品は百貨店で買うものでした。
しかし社長がアメリカへ行ったとき。
スーパーの一角で化粧品が売られているのを見て思ったのです。
「もっと気軽に手にとれるように!!」
食料品を買う場所というイメージの強いスーパーで、いつもの買い物のように気軽に購入できるようにしたのがキスミーだったんです。
すごいぞ。

また販売促進のキャンペーンも面白いものばかり。
10万円のネグリジェプレゼント、とか嬉しいのかよくわからない企画も面白いのですが、私が応募したいのは昭和33年の企画。
"身長分の5000円プレゼント"
身長160cmの人には5000円札160枚プレゼント、とのこと。
私の身長は163.5cmなので。。
四捨五入していいよね!!??
164×¥5,000=¥820,000
応募したい!!!!!

おもしろいエピソードとしては日焼け止めに表示されるSPF値。
SPFとはSun Protection Factorのことで紫外線防御指数とも言います。
UVB波をどのくらい遮断できるかの指標で「SPF30」とか数字がそのあとにきます。
もちろんこの数字が大きい方が、より強い効果が得られるわけです。
そうなると始まります、数字を大きくする競争が。
各メーカーとも数字をあげるため、研究し新製品を世に送り出します。
平成11年には100を超えますが、同時に法律で50以上の表示が禁止となりました。
そういえば、昔は大きい数字を見た記憶があるよ。。
SPF50を超える能力が有意に認められる場合はSPF50+と表記することになりました。
なるほど。。
ここに競争はあっけなく終結です。。

"あしたは、もっと美しく"
伊勢半の願いです。
そうでありたい。
いつもそう思いますが。
その気持ちを応援してくれるのがこういった化粧品メーカー。
いいものを作る努力、時代に合わせた変化。
これって商品は化粧品だけどほかのものに当てはめて考えたら男性が見てもおもしろいのではないでしょうか。
そういった意味でも、ただの化粧品の歴史だけではない、とても心に残る展示でした。

そうそう、キスミーのヒット商品。
"シャインリップ"
1970年に日本初のツヤ出し用リップとして登場し、年間1500万本をも売り上げた恐ろしい商品。
この人気の4色の復刻版が限定で発売されます。
伊勢半で購入可能です。
シャインリップ、シャインピンク、シャインレッド、シャインワインで各630円。
廃番になって以降も「どこかで買えませんか」と根強い人気のあった商品です。
パッケージもレトロでかわいい。
ぜひぜひ1本欲しいですな



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