RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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種田陽平による三谷幸喜映画の世界観-『清須会議』までの映画美術の軌跡、そして…

2013-10-26 21:30:00 | 美術
見てきました

上野の森美術館

会期は2013年10月12日から2013年11月17日。

『この秋、美術館が映画館になる』
そんなフレーズがチラシやポスターを彩るこの展示。
"あ、そうなんだ。でも映画見ないからな~。"
と私としてはスルーするか行くか迷っていたのです。
で、とある日。
仕事休んで1日美術館デー。(←おいっ)
"今日は上野を攻めるぞー!!!!!"
朝、9時半の開館と同時にトーハクから攻めていったのです。笑
トーハク見て、藝大見て、都美見て、、、
西洋は見てあるから、、、上野の森美術館も行っとくか~というノリ。

映画を見ない私。
三谷氏の作品も1つも見たことはありませんが、映画のセットや舞台裏を少しのぞいてきちゃいました。
あ、作品名ぐらいは知っているよ!!笑

さて。
日本のエンターテインメント界を代表するヒットメーカー・三谷幸喜氏。
その映画の魅了に舞台となるセットがあります。
豪華絢爛なホテル、美しくノスタルジックな街並み、荘厳で重厚な法廷…。
そのセットを手がけるのが、美術監督・種田陽平氏。
三谷監督作品の『THE有頂天ホテル』『ザ・マジックアワー』『ステキな金縛り』『清須会議』、舞台『ベッジ・パードン』の美術監督を務めています。
他には『フラガール』『悪人』『空気人形』『ヴィヨンの妻』などの日本映画。
クエンティン・タランティーノ、チャン・イーモウ、キアヌ・リーブスら海外の監督作品も手がけるすごい方。
2010年芸術選奨文部大臣賞、2011年に紫綬褒章を受けているのです。

「映画は建築だ」
種田氏の言葉。
この言葉の通り、『THE有頂天ホテル』、『ザ・マジックアワー』、『ステキな金縛り』で美しく壮大なセットを製作し、「リアルだけど、おとぎ話のような」三谷映画の世界を具現化してきました。
今回はそれらのセット製作のための資料や、実際に撮影に使われた装飾、小道具などなど。
セットがいかにして三谷映画を彩ったのかが紹介されています。

今回一部撮影可能でしたので撮ってきました!!
美しく驚きの世界を写真で少しご紹介します。

まずは「THE有頂天ホテル」
撮影で使われた小物やセットの図面などなかなかおもしろいものが展示されていました。
ホテルのアミニティといった細かいところまで丁寧に作りこまれていて、撮影終了後に使わないのがもったいないと思えてくるぐらい。

ホテルです。
パネルですが。。

そして次は「ザ・マジックアワー」
ここも使われた小物や図面。
あとセットが出来るまでの映像もありました。
これはなかなかおもしろい。
街のセットを作るという大掛かりなものでかなり見ごたえありました。

ここに立ったら違う世界に行けそう。

そして「ステキな金縛り」
重厚感あるセットとなっていました。

椅子も特注品だそうです。
ゴシップ的なスポーツ紙の小物もおもしろかった。

と、ここまでは過去の3作品。
1つの作品が1つの小さなシアターで展示されているようで可愛らしく見ているだけでも気分あがります。

続いては種田氏の海外の作品。
まずは「キル・ビル」
ユマ・サーマン演じるブライドとルーシー・リュー演じるオーレン石井が戦う青葉屋がメインで紹介されていました。
雪の庭園の雪をいかに表現するか、などなかなか見ていて面白い。
"一緒に仕事をするのが喜ばしい、偉大なアーティストの一人だ"
とタランティーノ監督の言葉が。

続いては台湾のウェイ・ダージョン監督「セデック・バレ」
3000m級の山に連れて行かれ、「ここに村を作りたい」と言った監督に「こうゆう風景を作り出すのが映画美術だ」と台北の更地にセットを作り出したそう。
台湾にベテランのスタッフがいなかったため、日本から大道具、美術部、装飾部など総勢15人が参加。
製作と同時に指導も行ったそうで、今後きっと素晴らしい作品を作り出すことでしょう。
見事に山中の村を再現し、映画を撮影。
"自在に時空をこえ、ファンタジーと現実の世界をこえて表現する彼の両手に敬意を表する"
とは監督の言葉。

続いてはチャン・イーモウ監督「ザ・フラワーズ・オブ・ウォー」
巨大な大聖堂など全てをセットで作った作品。
かなり大掛かりです。
チャン・イーモウ監督も全てセットでの撮影は初めてだったそうで、「よくやった。君の銅像をここに建ててもいい」と種田氏と笑いあったとか。
"才能があり、勤勉で、妥協をゆるさない。傑出した芸術家、種田。"とべた褒めです。

そしてキアヌ・リーブス監督「マン・オブ・タイチー」
キアヌが監督・主演のカンフー映画です。
ここでも素晴らしいセットを作り上げた種田氏。
再建前と再建後の2つの寺院はとくにキアヌ監督を感激させたそうで、その写真を額装しメッセージを入れ種田氏にプレゼント。
"デザイン、遂行能力、物語性のある美術。種田は偉大なアーティストだ。彼と仕事が出来て光栄だった。"
とのこと。
これもセットがなかなか凝っていて今まで見た中では一番デザイン性あるかも。

そして最後に、三谷幸喜監督最新作「清須会議」のセットです。
本能寺の変で織田信長が死んだ。
その後を継ぐのは誰か。
策略渦巻く中、開かれる清須会議。。。
時代劇なのです。
実際に使用した約2mの清須城の模型などがありました。

そしてここでも小道具や登場人物をイメージした部屋の模型とか。。
そしてここは日本画好きにはたまらない空間になっていました。
オープニングアニメーションは「洛中洛外図」などを参考にして描いたようですし、部屋の襖絵が狩野派チックだったり。
ちょっとこの映画見たいかも。
公開は11月2日から。

いつもとちょっと違ってちょっと不思議な展示。
でも映画を見ていない人間でも楽しめました。
そして。
「清須会議」見に行こうかな~ってちょっと思ってみた。笑



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