RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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上海博物館 中国絵画の至宝

2013-10-25 21:30:00 | 美術
見てきました

東京国立博物館 東洋館

会期は2013年10月1日から2013年11月24日。

東洋館リニューアルオープン記念の展示です。
室町から江戸時代の絵師が憧れた中国絵画。
今回、中国でも最大規模の収蔵を誇る上海博物館から、宋元から明清まで、約千年に渡る中国絵画を代表する名画が一堂に展示されています。
初公開や一級文物(中国の国宝)を含む約40点の展示です。

今まで見てきた室町や江戸の絵師の作品。
大元を辿れば中国絵画に行き着きます。
これは見なければ!!と行ってきました。

第1章 五代・北宋 ─中国山水画の完成─
今から900年ほど前の北宋時代。
中国ではそれまでの貴族に代わって、科挙に合格した士大夫(したいふ)と呼ばれる支配階級の中央官僚たちによる新しい社会づくりが始まりました。
それらの人々が自らの感情を表現するために作りだした新しい芸術が文人画。

「閘口盤車図巻」
これは人物描写などが「清明上河図」にも似た細密さ。
水引車が粉を挽き、役人が検査をし、袋詰め。
そして船に乗せ出荷、という様子が描かれています。
皇帝に社会の工業の発達を報告するために描かれたという説もあるとか。
はっきりした線で建物などもかなり正確に描かれています。

王�汞(おうしん)「煙江畳嶂図巻」
北宋文人画の代表作とのこと。
水面に浮かぶ2つの船。
山中の理想郷で遊ぶ人々。
この理想郷は水上に浮かび上がっているようにも見えます。
美しく幻想的な景色が描かれていました。

第2章 南宋 ─詩情と雅致─
1127年、金に攻められた北宋が南に逃れると、杭州に都が移り、南宋が建国されます。
風光明媚な西湖のほとりの新しい都では、北宋までの高い写実表現を継承しながらたくさんの宮廷画家が活躍し、詩情にあふれた魅力的な絵画が生み出されました。

馬麟「楼台夜月図頁」
うっすらとひかる月。
その明りのもとに浮かび上がる楼閣。
周りには白い花が咲いています。
月光と花の香りを表現したものだそうです。
詩情あふれる景色です。

第3章 元 ─文人画の精華─
元時代にモンゴル帝国が中国を支配。
それまで社会の中心であった漢人の士大夫たちは政治的に迫害され、その結果、内面の自由を追求する文人画に自らの心情を託すようになりました。

倪瓚(げいさん)「漁荘秋霽図軸」
小さな岩の塊のようなところにすーっと伸びる細い木、そして上部に描かれた山。
倪瓚(げいさん)は漂泊の人生だったそうです。
ちょっと寂しげな感じと不思議な雰囲気がします。

夏永「滕王閣図頁」
細かい。すごく細かい。
建物も木々もすべて。
絵が描かれている絹地の糸目と同じくらい細く緻密な線が描かれているのだそう。
巧みの技です。。

第4章 明 ─浙派と呉派─
やがて明が中国を統一。
中国を統一した明朝の首都・北京で宮廷画家として活躍したのが「浙派」。
浙派はその激しい筆法から「狂態邪学」と批判されるようになりますが、その急先鋒に立ったのが「呉派」の文人たち。
呉派は北京ではなく、江南の文化都市・蘇州を中心に、俗を嫌って清雅を求める生活を送っていたそうです。

李在「琴高乗鯉図軸」
李在は雪舟が中国に渡ったのちに師事した画家。
仙人が鯉に乗って現れ、それを見た人々が驚き、歓迎する様子が描かれています。
なんだかちょっぴり楽しそうです。

第5章 明末清初 ─正統と異端─
浙派と呉派の争いは呉派の勝利に終わります。
その後、近代に至るまで画壇の主流は呉派と、その画風を発展させた董其昌(とうきしょう)ら正統派とよばれる画家たちによって継承されていきました。 
が、明代末期になると、それら正統派に背を向けた異端の画家たちが現れます。
ここでは少し変わった作品が展示されていました。

呉彬「山陰道上図巻」
今まで見た作品の中で一番変わっています。
ぐるぐる渦巻くような景色。
建物はおもちゃのようだし、何より山や木々が奇怪です。
こんな山水図があるのか、、とびっくりさせられる作品。

うんじゅへい「花卉図冊」
あさがおや牡丹、菊や桃など色鮮やかで美しく描かれています。
これは誰が見ても美しいというような作品。
これは琳派の作品といわれても納得できそう。
日本画とのつながりを見れました。

展示数は少なくこじんまりとしていますが、展示品は驚きの連続。
素晴らしい作品が見れました。



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