RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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休日に全力で生きるOLの日記(笑)

幽霊・妖怪画大全集 (前期 2)

2013-08-05 21:30:00 | 美術
見てきました

そごう美術館

会期は2013年7月27日から2013年9月1日。
会期は2期に分かれています。
前期は7月27日から8月11日。
後期は8月13日から9月1日。
約40点の展示替えがあるそうです。

今回、前期を見てきました。
昨日その1を書いたので今日はその2です。

第二章《妖怪画の世界》
*百鬼夜行と妖怪図巻*
百鬼夜行は今昔物語からだそうです。
ということは平安時代にはあったということ。
なんだろ、、歴史ってすごい。ロマンすなぁ。
妖怪画は室町時代あたりからで、栄えたのは江戸時代。
浮世絵の流通で庶民も目にする機会が増えたこともきっかけかもしれません。

伊藤若冲「付喪神図」
大好きな作品。
以前に府中市美術館で見ています。
(記事はこちら→「江戸の人物画 ー姿の美、力、奇(後期)」)
これが江戸時代の作品かよっと突っ込むと同時に感心してしまう。
黒の地に、白抜きでグラデーションで描かれたかわいらしい付喪神たち。
付喪神は今まで何度も書いてるかな。
『器物百年を経て化して精霊を得てより、人の心を誑かす、これを付喪神といへり』
古い道具たちがこちらを見ているようすがかわいくてかわいくて。

河鍋暁斎「付喪神図」
角盥と鏡の付喪神。
こちらも可愛らしい。
楽しそうに踊っているのです。
一家に一人(一匹!?)ぐらいいたら可愛くってヤバイだろうなぁ~。

歌川芳虎「神農諸病退治図」
右側に武士の姿をした『薬』たち。
左側には妖怪の姿をした『病気』たち。
その戦いを描いたもの。
発想がおもしろくていい!!
薬武士の指揮を取るのは、神農。
医学と農業の神様です。

*鬼*
月岡芳年「新形三十六怪撰 平惟茂戸隠山に悪鬼を退治す図」
平安時代中期の武将、平維茂。
勅命により、信州戸隠で鬼退治をしようとする場面です。
描かれているのはお酒を飲んでいる維茂とその背後に立つ美女。
実は美女の正体は鬼で維茂の前に置かれた大盃の酒には鬼の正体が映っています。
維茂は美女の正体に気付いていて刀に手をかけています。
緊張感漂う空間。
紅葉の赤が眩しいです。
なんだかドラマチック。

揚州周延「戻橋鬼女退治」
渡辺綱が馬上の女に髷をつかまれる場面。
渡辺綱は頼光四天王の一人。
このメンバーだと酒呑童子退治の場面がよく描かれています。
つかみかかった女は実は酒呑童子の家来である茨木童子。
この後、綱は、名刀髭切で鬼の腕を切り落とすのです。
なかなか迫力ある場面となっていました。

月岡芳年「芳年漫画 綱と茨木」
こちら先程の「戻橋鬼女退治」の続きの場面が描かれています。
綱は、占い師の言葉に従って経文を書いた紙を貼った木箱に茨木童子の腕を入れ、7日間、外出をしないで仁王経を唱え続けることに。
6日目になると綱の養母が綱を訪ねてきました。
綱も一度は断りますが、養母は「育てた恩を忘れて、家に入るなというなんて。。」と泣き出します。
困った綱は仕方なく招き入れます。
養母は経文の貼られた箱に気付き、綱に訪ねます。
綱が事情を話すと、養母は「鬼の腕を見てみたい」と。
綱は慌てて断りますが、養母はまた泣き出し。。。
綱は「ほんの少しだけ」と見せてしまうのです。
描かれているのは箱を開けようとするところ。
もちろん、養母は茨木童子の化けた姿。
自分の腕を取り返しにきたのです。
養母の姿がなかなか不気味。

*天狗*
月岡芳年「和漢百物語 伊賀局」
「吉野拾遺」の逸話をもとにした作品。
伊賀局は、南北朝時代の勇女。
後醍醐天皇の妃・後村上天皇の母である廉子に仕えました。
描かれているのは、伊賀局が烏天狗姿の幽霊を振り返っている場面。
天狗って妖怪だと思っていたけど、天狗姿の幽霊って。。
なんだかよくわからないことになってきました(笑)

*人間*
円山応震「妖怪図」
『ふぅ。妖怪って疲れるんだぜ』とのコメントが。
うん、いかにもそのような表情。
淡い色で描かれた雰囲気のある作品ですが、琵琶にもたれて疲れた表情の妖怪からは哀愁さえ漂います。

重光「豆腐小僧」
豆腐小僧とは、手に持ったお盆に豆腐をのせている妖怪。
ものすごく可愛らしい。
幕末から明治にかけては凧の絵柄、すごろく、かるたなどの玩具のキャラクターとしても親しまれたそう。
『ボク、映画にもなったんだよ』
とタイトルの上にありましたが。
かわいいよ、かわいい
本当にかわいい。
家にも豆腐持ってやってきてくれないかなぁ。。

*妖怪動物園*
妖怪って動物が変身したものも多いので、その動物ごとに展示、というものでした。
猫やねずみ、きつね、たぬき、むじな、さる、海坊主、へび、ガマ、蜘蛛、ムカデ。。。
海坊主って動物なの!???

歌川芳藤《五十三次之内 猫之怪》(124)。
先の(121)は、人でできた顔でしたが、こちらは猫でできた猫の顔。
歌舞伎の舞台に想を得た作品とも言われます。
目は猫の首につける鈴、舌は猫の首に付ける赤い紐です。

揚州周延「東錦画夜競 佐賀の怪猫」
映画にもなった鍋島の化け猫騒動に想を得た作品。
佐賀藩の二代藩主鍋島光茂に斬殺された臣下の龍造寺又七郎の母お政の方が、
復讐を託し、自らの血をなめさせた愛猫コマが、妖猫となります。
場面は、その妖猫に食い殺された光茂の愛妾おとよの方と向かい合う光茂。
背後に猫の影が映っています。

月岡芳年「和漢百物語 左馬之助光年」
左馬之助光年は明智光秀の右腕的重臣であった人物。
妻は明智光秀の娘で正しい名前は明智秀満。
これは秀満が若いときのこと。
入江長兵衛という左馬助と仲の良かった人物の娘が、白ギツネたちにたぶらかされて困っていました。
それを知った左馬助が、その正体を見破り退治する、というお話です。
やっぱり狐は人を化かすのね、、と思いつつも。
なぜ、狐たちが長兵衛の娘に悪さしたのか。
それは過去に左馬助が妊娠している狐を命乞いされたのにも関わらず殺してしまっているから……
えっと、、、もともとの原因はあなたですか??
作品は闇夜の世界。
多数の狐火が見える妖しい景色。
それにたじろぐ様子もない左馬助はさすが、といったとこでしょうか。

いや~、展示は盛りだくさんでした。

そして会場の最後には投票する場所がありました。
「YKI48」
今回展示されている幽霊・妖怪の中から、選ばれし48人(48匹??)
そのなかから1番を決めるというもの。
もちろん投票してきました。
誰がセンターの座につくのか、楽しみですなぁ。



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