RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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買い物も大好き。
休日に全力で生きるOLの日記(笑)

福田美蘭展

2013-08-06 21:30:00 | 美術
見てきました

東京都美術館

会期は2013年7月23日から2013年9月29日。

東京都美術館は9月末まで金曜日は夜9時まで開館です。
すんばらしぃ~♪

さて、今回は福田美蘭(1963-)さんの展示です。
お父様は言わずと知れた福田繁雄。
日本を代表するデザイナー。
彼女自身は最年少での安井賞受賞。
その後はインドトリエンナーレで金賞。
現代日本美術展で群馬県立近代美術館賞。
VOCA賞。
フィリップモリス・アートアワード1996優秀賞……
独自の作風で活躍し続けているお方。
今回は、1990年代以降の代表作と、この展覧会のために制作した新作20点、合わせて約70点の展示です。

さっそく入ると目につくのが大きな胡蝶蘭。
「福田美蘭展」のパネルの横だし、やっぱり個展開くとこうゆうのが来るよね~。
立派だわ~。さぞかし高いだろうな~。
と眺めていました。
が。。
おかしい。。
花の数がおかしい。。
一つの枝からこんなに花咲いたっけ!??と疑問に見てたらこれも作品。
おもしろ~い
初っ端から私の心は躍ります。

「銭湯の背景画」
銭湯の背景画といったら富士山。
いや、そうゆう刷り込みあるけど実物見たことないな。。
1度ぐらい銭湯行ってみようかな。。
で、こちらの作品、よく見てみると。
企業のロゴマークがあちらこちらにちりばめてありました。
マツモトキヨシやJTB、HMVにリポビタンD。。。
探すの楽しい。

「つまみ簪」
こちらつまみ簪で地球儀を作ってありました。
「つまみ簪」とは、薄い小さな絹のキレをピンセットでつまんで作られる日本の伝統工藝品。
普段目にする機会は着物を着たときぐらい。
すばらしい技なのに接する機会が少ないのはもったいない、との思いでその作品を制作したそう。
色もとても美しく繊細な技術が光っていました。

「道頓堀」
大阪、と聞いて思い浮かべる場所にひとつ。
こちら、2枚のパネルによって構成されています。
上のパネルと下のパネルは蝶番でつながれていて、折りたたむことができます。
上にはきらめくネオン。
下には道頓堀の水面にきらめくネオンがうつっています。
これ、上のネオンを描いた後、絵の具が乾かないうちに折り畳み、下のパネルの水面にしたとのこと。
デカルコマニーという手法ですな。
先日見てきたシュルレアリスムの画家が好んで使っていました。
おもしろいな~。

「ニューヨークの星」
これがかなり好き。
そして心に響きます。
911のテロを題材にした作品。
この作品自体、ぱっと見た感じではそういったものを感じさせないのですが。
ブルックリン橋からニューヨークの夜景が前面に描かれています。
ツインタワーのあった場所をはと目で抜いて、その抜いた光を夜空に散らしてありました。
遠目に見ると、ツインタワーのライトが消えているだけのように見えるのです。
が、近くに行くとそこは空間。
星になってしまった、、と。
痛ましい状況とともに、ニューヨークの光が夜空にも負けない輝き。
希望が見出せるような、そんな作品。

このように911のテロを題材にしたものやオウムの地下鉄サリン事件、会津若松の母子殺害事件などの社会問題や半身淡路大震災や東日本大震災など社会派なテーマの作品も多かった。

これらの作品を見て地下の展示室へ。
「床に置く絵」
床に大きな絵が置かれています。
西洋画。
うーん、見難い。。
で、解説を読むと。。
この作品の上を土足で歩いていいそうです。
え、どうしよう。。
私が行った日、他の鑑賞者が少なく、この場は私が貸しきり状態でした。
誰かが先に歩いていたら、絵の上に乗りやすいけど。。
そして「絵を踏むか踏まないかは、鑑賞者の判断にゆだねます」とのこと。
うーん。
絵を踏むって行為がね。。
普段しないことでもあるし、というか、しちゃいけないことだし。
罪悪感が。。
でもこんな機会そうそうないし。。
というわけで乗ってきました、歩いてきました。
でも人物の顔は踏まないように、と心の中で勝手に思っていました。
踏み絵ってこうゆうものだったの!??
これ、けっこう心にくると思う。

「開ける絵」
こちらはキャンバスが閉じた状態でした。
これ、見たければ自分で開けるのです。
え、作品に触っていいの!??とドキドキ。
(さっきは踏んだのにね。笑)
ギギギと開けると風景画。
見終わった後はちゃんと閉じるようにね!!

最後の展示室で作品を鑑賞していると、何か気になる。。
ふと見ると人が。
「バルコニーに立つ前川國男」
展示会場には小さなバルコニーがあるのですが、そこに前川國男のパネルが。
そしてそれがこちらを見ているのです。
前川國男は東京都美術館の設計者。
このリニューアルした空間を設計者にも見てもらえたら、との思いで作られたそう。
なんだか和む。
こういったいたずら心も好き。

そしてこの展覧会のために描かれた作品とともに東日本大震災をテーマに描いた作品たちが。
そこで私はある一つの作品に惹かれたのです。
強烈に。
「冬-供花」
この色彩、どこかで、、と思ったら2011年に国立新美術館で開催された「ワシントン・ナショナルギャラリー展」そこで見たゴッホの薔薇。
私、その展示ではゴッホの薔薇に強烈な印象を受け、展示作品の中で一番好き、と思っていました。
福田美蘭さんもその展示でその薔薇を見たそうです。
"その花は見たことがないほどに強烈で美しく、私はしばらく茫然としてしまった"
とは福田さんがゴッホの薔薇を見たときの感想。
いや、今回、私もこの作品で同じ感じを抱きました。
強烈な色彩なのに、優しさも感じられる不思議な作品。
なんだか心がすーっと。
憑き物が落ちたかのような。。

とにかくすべて楽しくて大変満足度の高い展示でした。
正直そこまで期待してはいなかったのですが、(maruko的)行ってよかった展示ランキングで急上昇
おすすめです。




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