RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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古筆手鑑-国宝『見努世友』と『藻塩草』

2012-03-10 21:30:00 | 美術
見てきました

出光美術館

会期は2012年2月25日から2012年3月25日。

「古筆」とはおおよそ近世までに書写された写本類の総称です。
古筆の大部分は歌集。
特に平安から鎌倉時代に書写されたものは仮名や紙が美しいことで知られています。
以前に根津美術館で「古筆切」を見てきていますが、
「古筆」を切ったものが「古筆切」(詳しく(!?)は"古筆切"で)
この「古筆切」を収納・鑑賞するためのアルバムが「古筆手鏡」です。
手鏡の「手」は筆跡、「鏡」には手本・見本の意味があります。
すなわち「手鏡」で筆跡の見本ということです。

さて、今回は国宝が展示されています。
出光美術館蔵の『見努世友(みぬよのとも)』
京都国立博物館蔵の『藻塩草(もしおぐさ)』
こちらは江戸時代に古筆の鑑定を専門職とした古筆家制作による鑑定の規範。
古筆切のいいところを集めたという美しいもの。

注目は「高野切」
美しいと言われる平安の仮名のなかでも最高峰とされています。
紀貫之筆の伝承をもっていますが書風から3人による寄合書きと伝えられています。
3人だからそれぞれ第一種、第二種、第三種と呼ばれています。
出光美術館では第一種と第三種を所蔵。
今回は第二種所収の『藻塩草』、第三種所収の『谷水帖』も出品され三種同時に見れちゃいます!!
展示期間は2月25日から3月11日まで、、そう、ぎりぎりでごめんなさい。

さて、早速。
「高野切第一種」
重要美術品なのですが。
美しい~
紙も字もきれい。
何が書いてあるかは分からないのですが、形が美しいことはわかる。
これ、重要美術品。
重要美術品でこんなにも美しいのなら国宝はどうなっちゃうの??
と期待で胸が高まります

で、早速国宝。
「藻塩草」
一番最初に「高野切第二種」が。
って、あれ??
国宝なのに、、思っていたほど美しくないぞ……(→失礼)
藻塩草に収められているのでは最後のほうにあった「端白切」が好きです。

続いても国宝。
「見努世友」
こちらはちょっと堅苦しく感じました。
というのも「藻塩草」より漢字が多いからでしょうか。
この中にあったもので気になったのは「厳島切」
平清盛筆、とあります。
紺地に金の文字……「平清盛展」で見てとにかく美しさに感動したやつではないか。
こちらは分断されてしまったんだな~と思うと同時に。
分断されても国宝ということにも感動。
やっぱり美しいものは美しい

「古筆手鑑 はまちどり」
前田家旧蔵のものですが、紙が金色!!
金箔でも貼ってあるんでしょうか。
その豪華絢爛な様に富と、そして古筆に魅せられた人々の様子が伝わってきました。

「古筆手鑑 谷水帖」
他の子筆手鑑と比べ作られた年代も遅いものですが、集められているものは一級品!!
平安時代の子筆切づくし。
この中に「高野切第三種」があるのですが。
字体は第三種が一番美しいと感じました。
流れるような仮名。
細く繊細で書に詳しくない私でもこれはすばらしいと分かるもの。

書の展示ってなかなか理解が難しく……ってなる展示が多かったのですが、
今回はかなりたのしく見れました。
こんなにも美しい書をまとめて見る機会もそうそうない。
国宝や重要文化財、重要美術品も多いですし、昔の人々の美意識にも触れられるなかなかおもしろい展示です。



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