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ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

FIFA、祭りの終焉。

2015-06-03 16:12:05 | El mundo de futbol

FIFAはずいぶんと前から理事とマーケティング会社との癒着が指摘されていた。ついにアメリカの司法当局が動いて問題が表面化して、マスコミが騒いでいるけど、こうした贈収賄はいわば関係者の間ではよく知られた暗黙の事実だった。ただ、スポーツ界ではサッカーに限らず「闇」を口にする者を排除するメカニズムが徹底していて、テレビも放映権をマーケティング会社から買っていたり、放送するにあたってのスポンサーとの関係から「真実」を取材したり伝えることが難しかった。

今回、日本のテレビや新聞もこの事件を扱っているけど、FIFAの贈収賄体質は同様にIOCにもある。というか、サマランチのIOCのときのモデルを参考にしているってことはまだまだあまり知られていない。もちろん、スポーツの振興や大会の運営、マイナースポーツへの支援などには莫大なお金が必要となり、サマランチの「オリンピック商業化」で環境が良くなったという面はある。でも、詳細な決算が公表されず、理事たちの倫理規定もあいまいな状態では、動くお金の1割が何十億円、何百億円となったとき、「汚職」の巣窟となるリスクの方が大きい。

長野オリンピック後、招致委員会に贈賄疑惑が生じたとき、いわゆる帳簿が廃棄されていたという事件があったけど、それもうやむやになったまま、東京五輪の招致が始まり、どちらにも大きく関与している日本の「マーケティング会社」の高笑いが聞こえた。問題はこのマーケティング会社といわれる企業が放映権を握っていて、なおかつマスコミをも広告の出稿というかたちで支配しているということだ。つまりは、刑事事件にでもならないと「闇」は一般の人たちに伝わらないままで終わるということだ。

広告を出すメリットには、口止め料が含まれているとよくいわれる。世の中、きれいごとだけでは済まない面もあることは認めるけど、インフラ整備のために多額の税金が投入されるようなスポーツイベントに関しては運営の透明性を義務付ける法律が各国にもっと厳しくあってもいいのではないかと感じる。そうした法律のない国での開催は拒否すべきだ。FIFAの今回の総会も初日はダンスパーティだったけど、そんな金があるなら、FIFAの表向き理念に沿って、恵まれない地域の子供たちのサッカー場建設やその運営に回すべきだったんじゃないか。

FIFAの貴族体質、腐敗体質へのメスがアメリカという「サッカー発展途上国」の司法機関で始まったというのが皮肉だ。


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