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 Rosalia de Castro

ビジャレアルの降格

2012-05-14 16:19:25 | El mundo de futbol
リーガ・エスパニョーラが最終節を終了して、レアル・マドリードの優勝、グアルディオーラが辞任したFCバルセロナが2位、そしてラシン・デ・サンタンデール、スポルティング・ヒホン、ビジャレアルがスペインでは‘地獄’と言われる2部への降格を言い渡された。

サッカーの面白さの一つに、チームの予算や戦力に合わせた満足度の大きさがある。基本的にFCバルセロナとレアル・マドリードは常に優勝以外は「敗北」の評価が下る。ビッグクラブはチャンピオンズリーグ出場権を得る3位、4位、ないしはヨーロッパリーグ出場権を得る5位、6位を目指し、2部から昇格してきた3チームは、自動降格の18位以下から如何に遠ざかるか、つまり10位あたりをキープするための戦いかたをする。

毎年、2つ3つのドラマがある。今年の1つ目はモウリーニョが「マドリードを辞めてもマラガなんかの監督にはならない」と、ペジェグリーニ監督を侮辱したそのマラガが3位に入って、ヨーロッパ大陸の最高峰を決めるチャンピオンズリーグでも対戦する可能性が出てきたこと。2つ目は、2000年以降ずっとトップリーグで戦い、2007-08のシーズンでは強豪バルセロナを差し置いて2位に入ったビジャレアルが降格してしまったことだ。

スペインの新聞に、最終戦が終わったスタジアムで呆然と涙を流すビジャレアルファンの少年の姿が載っていた。黄色いユニフォームを着て、ママに抱きしめられ、彼の人生では経験したことのない‘地獄’での戦いに慄いている。ここにはスペインという国がいだく「三種の神器」、栄光、嘆き、母性といったある種の元型があるように感じられた。

男の子はこうしてサッカーという世界に同化することで自己の拡大を求め、現実との解離に悲劇を味わい、枯渇することのない愛で慰められる。もちろん、時代によって自己の拡大は他のものに置き換えられていただろう。しかしスペイン人がこうした極端な3つの世界で生きる人々であることは間違いないと思う。

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