続けて眠った記録としてかつて20時間というのがあったけど、昨日はそれに次ぐ長い睡眠を貪った。月曜から扁桃腺が腫れてしまって水曜日にクリニックを受診した。そこで出されたカロナール、ピーエイ、アキストロメトルファン臭化水素酸塩錠の後ろ2つがものすごく効いた。まあ、疲れていたというのもあるけど、目の奥がしびれ、脳みそがまったりして起きれなかった。
でも、おかげで長引いた喉の痛みは峠を越えたみたいだ。疲れが蓄積すると、こうしていつも扁桃腺が腫れて寝込まないと治らない。やっかいな体だ。途中何回か目が覚めて、3回はトイレに立ったけど、目覚めるたびに不思議な夢を見ていた。もう思い出せないけど、今、残っているイメージは白い机のようなまな板のような板の上に白いクロスが置かれていて、その上に右手を置いている自分だ。ななめ上から何か言われて、それを聞きながら半身になって手をクロスに置いている。はたして、それを掴もうとしていたのか、置こうとしていたのかもよくわからない。ただ、よく見ていた、旅立とうとして間に合わなくてあきらめるといったストーリーの夢ではなかったような気がしている。
眠る前、つまり木曜日の夜。久しぶりに推理小説を読んだ。10年ほど前の直木賞受賞作の『容疑者Xの貢献』だ。登場人物の設定とか描写とかは平面的で小説としての出来は決してよくないと思うんだけど、さすがに受賞作だけあって、最後まで飽きさせなかった。心に残った一節は、孤独な数学教師である主人公がなぜそんなことまでやったかという独白・・・
「人は時に、けなげに生きているだけで、誰かを救っていることがある」
あ、そうか。そうだよな、人は生まれたときすでに役割を担っていて、上手く生きようと思っても生きられない人もいれば、上手く生きようとなんて思っていなくても上手くいっちゃう人もいる。不公平のようでいて、それぞれが互いに救われている。なんか単純な気づきだけど、身につまされるような感じで心に残った。だるくて咳がきつくて、もう何も頑張れないんじゃないかって弱気になっている自分への甘くやさしい一言だった。
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