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俳句が日仏の新たな架け橋に

2021-03-10 00:14:26 | 報道/ニュース

2021年2月16日 NHKBS1「国際報道2021」


日本の伝統文化 俳句。
La cloche a sonnne   
quand je mangeais un kaki
Temple Horyu-ji
フランス語で読む
柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺
音節の数が五七五になっている。
La clo che a son ne
qsuand je man geais un Ka ki
Tem ple Ho ryu-ji 
フランスで文化交流を進めているパリ日本文化会館が去年開いた俳句コンクールには
現地の小学生たちも応募した。
俳句が両国を結ぶ新たな架け橋になろうとしている。

パリ市内の小学校。
5年生が俳句の授業を受けている。
(先生)
「五七五のルール
 それだけではないですよね。」
(児童)
「季語をひとつ入れる必要があります。」
(先生)
「季節を示す言葉ですね。
 例えばなんだっけ。」
(児童)
「雪。」
姉妹校となっている日本の学校との文化交流を続けてきた。
去年クラスで俳句コンクールに応募した結果
そのうちの1句が優秀作品に選ばれた。
(パリ日本文化会館 諸橋さん)
「リナさんの俳句が優秀賞に選ばれました。
 おめでとうございます。」
受賞作には新型コロナの影響で学校が休校となり
避難先の郊外で過ごした不安な日々がうたわれている。
ウィルスの 日々長くして 蒸し暑い
(受賞したリナさん)
「ロックダウンのときの気持ちを描きたかった。
 コロナの怖さと友だちにも会えない寂しさ
 複雑な気持ちだった。」
フランス語でも俳句の世界は奥が深いようである。
作ってみるとなかなか17音にはならない。
子どもたちは同じ意味を持つ言葉を辞書で調べて
音節を数え
思考錯誤を重ねる。
(ラバ教諭)
「最初は簡単だと思って喜びますが思うようにはいきません。
 言葉を探しあぐねて簡単ではないと気づくのです。」
授業の最後に作った俳句を発表する。
運河沿い すべての川が蛇行して 水遊び万歳
コンクールの審査員を務めた川崎さん。
フランスで翻訳業のかたわら
地元の人たちに俳句を教えている。
自らも日本語とフランス語の両方で俳句を詠んで発信。
さらにフランス語の俳句を日本でも味わってほしいと和訳を手掛けている。
たとえばこれは今回の受賞作のひとつ。
Mas que  un  peu  de fait (5)
pour  miux  sen tir  le  par fum (7)
du  pam ple mou ssier (5)
少しずらしたマスク
もっと香りを嗅ぎたいから
グレープフルーツの木
マスクややずらして香る文旦樹
(俳句コンクールの審査員 川崎さん)
「マスクがあって息苦しいとかではなく
 それをちょっとずらすってことで
 自然の動きにとても敏感だと感じました。
 とても繊細な句です。」
コロナ禍で日本とフランスの人たちが同じような不安や苦しみを抱いているなか
川崎さんは
俳句がお互いにエールを送り合う手段になったと感じている。
(俳句コンクールの審査員 川崎さん)
「閉塞感というのはやっぱりあったと思います。
 ただそれよりも増してそれを乗り越えて
 その自然の喜びなり
 春が来た喜びとか
 日仏で共有するというところがあったんではないかなと思います。」
授業の最後に男の子が詠んだあの作品。
le long du canal,
tous les fleuves serpentent,
Vive la baignade!
運河沿い すべての川が蛇行して 水遊び万歳
直訳ではこうなるが
川崎さんの訳は
水遊び 楽し 運河と うねる川
「すごいですね。
 大人が運河と
 ぐじょぐじょぐじょと蛇行する川を一緒に見るなんてこと
 なかなか無い気がする。
 そういったことをうまく対比して
 大人もなかなか思いつかない
 本当に傑作かもしれませんね。」
(俳句コンクールの審査員 川崎さん)
「皆さん読んで
 これ言語はどっちフランス語?日本語?ってわからなくなるくらい
 すんなりと入っていけるような訳ができたらいいですね。」

今回の日仏交流俳句コンクールの受賞作品は
パリ日本文化会館のサイトでみることができる。


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