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“勝ち残りを目指せ”アフリカの日本企業

2014-07-30 07:15:00 | 報道/ニュース

7月15日 キャッチ!


アフリカは石油や天然ガス、レアメタルなどの資源が豊富で最後のフロンティアとも呼ばれている。

日本の大手商社が7月10日にロンドンで開いたパーティー。
ヨーロッパやアフリカなどの取引先400人余りが集まった。
今この会社が進めているのがアフリカビジネスの強化である。
豊富な資源を抱えるアフリカを巡って各国の競争が激しくなるなか勝ち残りを目指している。
(三井物産 飯島彰己社長)
「アフリカへの投資はわが社の将来を導く原動力になると確信している。」
なかでも大きなプロジェクトとなっているのがアフリカ南東部モザンビークでの液化天然ガス事業である。
現在この会社が投資して開発を進めているこのガス田。
埋蔵量は日本が1年間で輸入する天然ガスの半分以上を賄えるものとみられ
2018年にも日本などに向けて液化天然ガスを供給する計画である。
道路や電力などインフラ整備の需要が高まるモザンビークには今年1月安倍総理大臣も訪問した。
日本企業と現地企業が参加して開かれた投資フォーラムで安倍総理大臣は日本企業の技術力をアピール。
日本企業の進出でアフリカ経済を支援する姿勢を示した。
(安倍首相)
「豊富な資源を持つモザンビークと高い技術力を持つ日本が協力をすれば
 お互いの国に富みをもたらすのは間違いない。」
しかしモザンビークをはじめとするアフリカには2000年代前半から中国企業が積極的に参入している。
豊富な資金力を背景に道路などのインフラ整備を進めるなど勢力を拡大。
今では100万人の中国人がアフリカに居住しているといわれている。
中国企業との競争をいかに勝ち抜くのか。
この会社が力を入れているのがアフリカビジネスを担う人材の育成である。
ロンドンで開かれた若手や中堅の社員を中心にした研修。
現地での実地研修なども含め1年間アフリカのビジネススタイルなどを学びなおす。
モザンビークの駐英大使が講演を行い投資環境などについて説明した。
自分たちのビジネスのやり方を押し付けるのではなく現地のやり方を取り入れていくことがビジネス拡大のカギになると考え
今年5月からこの取り組みを始めた。
(参加した社員)
「机の上から得られるものと彼らの声を直接聞くというのは大きく違う。
 非常に興味深い。」
(三井物産 アフリカ戦略推進室 大山洋平室長)
「日本企業の進め方としてはお互いの持ち味を理解したうえでお互いを尊重し合って仕事を作っていく。
 彼らのほとばしっている情熱を我々の社員にも感じ取ってもらってそれを仕事に生かしてもらいたい。」
アフリカに進出する中国企業を巡っては批判も出ている。
資源を囲い込んだうえ中国人従業員を大量に派遣するため
現地の雇用や人材育成につながっていないというのである。
この会社が主催したパーティーに参加したアフリカ関連の企業からは日本企業への期待の声が聞かれた。
(アフリカ企業の参加者)
「日本企業がさらにアフリカへかかわってほしい。」
「利益に加えて日本企業の技術や知識がアフリカの人々が持つ潜在的な能力を向上させるのです。」
(三井物産 飯島彰己社長)
「中国のアフリカでの展開は目覚ましいものがあるのは事実です。
 現地のニーズが何かをよく把握し国づくり人づくりにどう協力していくか
 そこが中国との違いを差別化できるポイントだと思っている。」

中国のアフリカ進出を巡って批判が多いのも事実である。
豊富な資源を自分たちだけで独占しておいて中国人従業員を大量に派遣して現地の雇用を生み出さないとか
安い中国製品の輸入ばかりが増えて自国に製造業が育たないなどといわれている。
しかしいま世界各国がアフリカに注目しているのは中国のおかげだという指摘もある。
中国は2000年代前半からアフリカへの投資を他国に先駆けて進めてきた。
インフラへの投資も多くこれによって経済成長が進んだという国もある。
賛否両論あっても中国企業のアフリカへの存在感は極めて大きいのもまた事実である。
イギリスやフランスはアフリカの国々と歴史的に深い関係があるが
ビジネスの地としてアフリカへの関心が高まったのは2008年の金融危機以降といわれている。
これはほぼ日本と同じタイミングである。
このため中国と比べると取り組みは遅れていると言わざるを得ない。
ただイギリスは旧植民地など52か国による国家連合イギリス連邦の盟主で
アフリカでは3分の1にあたる18か国がこの連合に入っている。
言葉だけではなく法律や会計制度も共通していてイギリス企業としては参入しやすい環境といえる。
フランスも旧統治国を中心にインフラ輸出を強化するなど巻き返しを図ろうとしている。
もともとアフリカの国々と旧宗主国との間では留学などを通して人の交流も盛んで結びつきは強く
ビジネスを一気に拡大できる素地がある。
地理的に遠く政治的リスクもあるアフリカのビジネスは日本の国家戦略として官民一体となって取り組む必要がある。
またアフリカの経済発展に資するという視点も欠かせない。
アフリカにはとりわけヨーロッパの国々から資源や資産を奪われてきたという苦い歴史があり
今後は資源を自国経済の持続的な成長に結びつけていけるかが問われている。
そのために求められているのが現地の人材育成である。
現地の人材をいかに育て国の発展につなげていくかが重要になる。
日本企業として資源を獲得するというだけでなくその国の経済発展を支援するという姿勢で臨むことが
中国やヨーロッパとの差別化を図りアフリカビジネスの成功へのカギになる。

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