憧れの仕事 大人の職業体験が人気

６月８日　ＢＩＺ＋ＳＵＮＤＡＹ


建物の床や壁に漆喰などを塗って仕上げる左官職人の仕事場。
作業しているのは職業体験のサービスの利用者。
左官職人になる旅　参加費　１万８５００円。
朝９時から夕方まで丸一日かけて体験する。
（利用客　北里有紀さん）
「ずっと興味があった左官の体験ができる。
　もう少し簡単だと思っていたけど本当に難しい作業だなと。」
このサービスを提供しているのは３年前に起業したイベント企画会社。
様々な企業に協力を呼びかけ体験できる職業を増やしてきた。
花屋や眼鏡職人からイルカのトレーナーに神主といったユニークなものまで
現在約１００種類の仕事を体験できる。
これまでに５０００人以上が利用したというこのサービス。
平均年齢３０，４歳と若い世代の人気を集めている。
（仕事旅行者　代表取締役　田中翼さん）
「就職して８年とか１０年たって一段落した方々が
　自分に向いていることはなんだろうと振り返る余裕が出てくる。
　そういう方々が参加している気配がする。」
温泉町として知られている神奈川県湯河原。
旅館の仲居になる旅　参加費　１万３４００円。
指導してくれるのは女将の深川里奈子さんと仲居歴１０年のベテラン鎌倉久美さん。
まずは形から。
普段できない服装ができるのも魅力のひとつである。
最初に教えてもらうのはふすまの開け方。
「心を込めることが大事なので
　ふすまの抜こう側にお客様がいると思って開けていただきます。」
さらにお客さんへのあいさつや布団の敷き方など基本的な仕事を教えてもらう。
客としては入ることができない旅館の裏側も見ることができる。
このサービスがきっかけで転職した人がいる。
後藤昌子さんは建設会社で働いていたが１年前に職業体験でこの旅館を訪れ
こどものころからのあこがれだった仲居の仕事に強く魅かれたと言う。
（仲居　後藤昌子さん）
「子どものころからの夢をいろいろ体験できる感覚で
　ワクワクした感じもあって
　職業体験がなければ私は今ここで働いていないので
　人生を変えたきっかけになった。」
（仕事旅行者　代表取締役　田中翼さん）
「いろんな仕事を見るのはすごく価値のあるものだと思う。
　職業体験に参加して気づきを得たということが広がっていけば
　日本全体の仕事観が変わってくるとすごく期待している。」