村上原基、滋賀県安曇川の山中20年⇒麓の町の田中に一人暮らし人生

山中で20年一人暮し後71歳から麓の田舎町で暮している、断捨離し自然な生き様と山暮らし体験に基づく人生論及び写真を紹介

57.シリーズ.ISO14001取得企業の悩みその8(10回シリーズ)

2006-10-31 21:22:29 | ISO
「会社」:次に内部監査なんですが、なにせISOや環境の知識体験もない者が最初から内部監査などできっこないのですが、どう指導されているのですか?
「村上」:その質問を待っていたのですよ。実を言うと内部監査については問題がないようで、実は、大きな問題が存在しているのです。多くの友人の審査員が言うには「内部監査はどこの会社の場合でも出鱈目なんです」と言うんですね。一体何がどう出鱈目なのか聞いてみると、指摘の範囲が狭い・指摘が少ない(100件目標)・指摘内容が幼稚・指摘がトンチンカン・指摘してもきちんと是正できてない・・・・要するに例外なく全く出鱈目で、中小零細企業ではかなり困難じゃないかとも言うんです。
「会社」:だってコンサルタントが内部監査員教育もやっているんでしょ、そんな出鱈目なんてことがありえるんですか?
「村上」:まあ、でもこれが偽らざる現実なんです。原因を想像しますと、まず原因の一つは、コンサルタントがきちんと指導しきれていなんです。難しいISO規格などを1~2日かけて、いきなりとうとうと説明します、だから素人である会社の方はわからないままに自己流でいい加減な内部監査をせざるを得ないということになるわけです。未熟でも、自分達だけでなんとかやらないといけないと思い込んでいて、遮二無二監査するんですよ。そしてトンチンカンで意味のない監査報告書や是正が出来上がるんです。
「会社」:最近のマンション偽装事件みたいに専門家でもいい加減なのですから、ましてや新舞の監査員にとっては当然かもしれませんね。
「村上」:内部監査というのは大事です。管理というのは、やるべきことがきちんとできているか厳しい目、第三者的なクールな目・専門家の視点で見ることが非常に大切なんです。どんな素晴らしいマネジメントシステムでもチェックや指導体制が甘いと何の意味もありませんし、当然ですが、監査の効果が上がりません。
「会社」:そういえば、当社でも経営や経理や品質や安全など全てチェックは甘いですよ。
「村上」:そうでしょ、そんなもんなんですよ「決めたことや言ったことは、当然そのとおりやっているはず」式の会社が日本には多いんです。かつて私が勤めていた京都の超優良会社では、点検パトロールや監査やチェックということの重大性が認識されていたんです。しかしこの当り前のことが、その他の多くの会社では、なかなかできていないんですよ。厳しく専門的にかつ経営の視点から監査する人がいない、育てていない、またそういう厳格かつ有効な監査を指示・指導していないというのが実態です。厳格で的確かつ有効な監査ができる素養のある人を選び、指導や経験を通じて育てていくことが大事なんです。経営層や幹部が率先してやるべきこと・やらせるべきことなんですがね。
「会社」:日本では、監査や点検は誤魔化しみたいに思っていたり、監査員は甘い人で良いなんてことが案外常識になっています。
「村上」:まあ監査などというものは、素人がやってすぐにできることではないんです。だからまず最初は、有能な人が手本を見せないといけないのです。いきなり素人さんにやらせてしまうのはコンサルタントとして良識が無さ過ぎです。
「会社」:素人が監査しないといけないというのは、確かに問題ですね。2~3年は専門家に頼まないと無理ですね。高いお金を払っている外部審査で有効な指摘をしてもらうことが大事なんですがね。
「村上」:そのとおりです。当初3年間の外部審査の役割は重大ですね。しかし外部審査は、ISO規格要求が守られているか、文書や記録の審査が主であって、正直言って会社にとっては、あまり役立たない代物なんです。内部監査というのは初年度はISO14001規格に基づくシステム構築ができているかが中心になりますし、次年度以降は運用が主体になります。家に例えると建設当初の検査は、相当な専門家がやらないと無理なんですよ。次年度以降は企業の経験があり、環境の知識がある監査員でも3年間勉強し内部監査経験を積めば十分勤まるとは思いますがね。次年度以降の内部監査は、むしろ法令順守・環境汚染予防や環境の継続的改善の成果や限られた必要項目が主体ですよ
「会社」:なるほど家の場合でも、建築したての家の検査は、素人には無理ですよね、ISOも同様ですか?
「村上」:私の長年のISO支援の経験からも、 初年度はコンサルタントが主体で内部監査をやり手本を見せるのが最良の方法ですね。内部監査をコンサルタントがやると3つの利点があります。
 ①きちんとした報告書や是正ができる
 ②実学として教育効果が大きい
 ③システムの内容理解がかなり深まる
 ④第三者の厳しい目で見ることができる
 ⑤外部審査のリハーサルになり、きちんと受審できスムースに審査が進行する
経営コンサルタントでなくても、身近に専門家がおられればその人にやってもらうのも良いことです。特に2年目からは、環境改善に関する指摘が大事ですよ。環境負荷の削減、パフォーマンスの改善がISO14001の目的であることを忘れてはいけませんよ。「これ以上改善できません」という言訳けに環境マネジメントシステムを悪用してはいけませんよ。何故かというと地球環境問題はもう待ったなしの絶望的な段階に突入しつつあるんですから。やれ管理がどうの印鑑がないの、記録がいい加減です、なんて些細なことばっかりを指摘しても何もなりませんよ。
「会社」: そうですか、初年度や2~3年間は、どちらというと、経営コンサルタントが内部監査をやったほうがいいのか!
(来週、次回に続く)
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56.シリーズ.ISO14001取得企業の悩みその7(10回シリーズ)

2006-10-26 22:22:28 | ISO
「会社」:文書や記録がいつの間にかできていて、それを戴くだけでは、内容の理解やその実行となると自分でやっていないだけにかえって戸惑うようなことはありませんか?
「村上」:そうですね、古い支援のやり方で、午前から夕方までぶっ続けで、難しい指導を受けるというのは、普通の人間には想像以上に非常に酷なことなんです。難しい目新しいことをやる場合、人間というのは、1日3時間の指導、せいぜい4時間が限界なんです。しかも仕事を抱えていますから一日6時間も丸つぶれでは、落ち着いて先生の話なんか聞いていられないのです。そして更に睡魔が襲ってきます。多くの会社さんで指導中の居眠りする人というのは決まっていますからね。
「会社」: そうですね。眠くなりますよね。最近の人は疲れていますし、一方的な指導が延々と続くのは耐えられそうにありません。わかりますなー。
「村上」:先生の方は、6時間話続けても一向に疲れませんが、聞いている方は相当しんどいようです、しかし多くのコンサルタントは、そういうことに気づかないんです。昔、自分も会社でよく居眠りしたことを忘れてしまっているのです。私のように、昼1時から3時間で途中に休憩しますし、難しいことは先生がやってくれるとなると、まあ3時間は集中して聞いてくれるようになってくるのです。
「会社」: なるほど、先生の場合はいろいろきめ細かい工夫や配慮があるのですね。そんなコンサルタントなんて考えられません。大体偉そうにしている無神経なコンサルタントが多いですからね。
「村上」:まあ競争は厳しいですし、コンサルタントというのは飛び込みの営業をして受注ができる商売ではありません。やはり先生の評判なんです。そうなれば1件づつ、お客様を納得させ、高い評価を戴くことが大事なんです。そうしないと受注は続いて来ませんよ。
「会社」:なるほど人気商売ということですか?
「村上」:うまいことを言われすね、コンサルタントは典型的な人気商売なんですよ。また訪問指導は、プロジェクターを持って行き、同じ画面を全員で一緒に見ながらやりますので、集中でき、真剣に理解しようとしてくれるのです。重くてもプロジェクターは今やコンサルタントにとっては重要で欠かせない道具です。文書や記録は今はパソコンで作成しますから、どこに、何が、どのように書いてあるかパソコンの画面の構成もついでに理解して戴けるのです。すなわちある程度、文書作成の重要な過程に参画できるのです。これはすごく合理的ですよ。
「会社」:なるほど、凄くいろいろな工夫や配慮があるのですね、プロジェクターですと理解しやすいし説明も簡潔にできますよね。
「村上」:そうです。訪問して指導しながら文書を作成し訂正していくことができますので、事務所に帰ってからの私の仕事も減るという効果も得られるというわけです。こういうふうに工夫していくとお客様は喜ぶ、コンサルタントも楽できるだから安く・早くできるのです。いいことでしょ。
「会社」: ああーそうですか、きちんと理解できる上に能率も上がり、結果的に安くできるのか、先生を尊敬しますよ。
「村上」:そう言われると、こそばゆいですが、でも実を言うと、私もあれこれ、工夫しやっているうちにそのことに気づき出したんですよ。予想外の効果とお客様の好評な反応でした。
「会社」: さて監査やISO教育はどうするんですか?
「村上」:初年度の教育は、当然私がやります。しかし注意することは、
①最初から難しいことを教えようとしない
②長い時間をかけ過ぎない
③1回の教育時間はせいぜい1・5時間
④テキストは40頁くらいのものをお渡しします。
⑤最初からあまり完璧を求めない高度な内容はむしろ避ける
⑥監査は、座学は2時間であとは、コンサルタントが実際に内部監査をやるのを見てもらう
⑦外部審査にも必ず参加させる
⑧難しい専門的なセミナーは3年実務経験をしてから受講してもらう

「会社」: なるほどISOの知識も運用の体験のないISO1年生、皆緊張していますから、最初から難しいことを長時間説明されても、理解はかえって中途半端で混乱するばかりですよね
「村上」:そうですよ、そういう当り前なことがわかっているのにコンサルタントは、いきなり、無理やり2日間計10時間の社内セミナーなんかをやって自己満足してしまうのです。無責任なんですよ「セミナーやればいいんだろう、文句言わさんぞ」みたいなもんです。
「会社」:ある会社の方が言っておられました、「2日間でISOの難しい話を聞いたが、半分寝ていたし、チンプンカンプンで全く理解できませんでした」と
「村上」:コンサルタントはそういう無責任なやり方のほうが楽ですし、「指導してやった」みたいなことなんです。そんなんだったら、ISOを知っていれば誰でもいいんですよ、わざわざコンサルタントでなくても。医者もコンサルタントも本来名医でないといけないのですよ、それで当り前だと思うのですがねー。
「会社」:わかりましたが、先生のようなコンサルタントが存在することが信じられません。
「村上」:ありがとうございます。パソコンとプロジェクターをぶる下げて文書や記録作成やセミナーや内部監査など全部引き受けてきた苦労が報われます。
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55.シリーズ.ISO14001取得企業の悩みその6(10回シリーズ)

2006-10-24 15:58:00 | ISO
「会社」:そうすると、具体的にどういう支援のスケジュールになりますか?
「村上」:昔は、私も含めて審査完了まで10カ月訪問、回数20~22回、毎回の訪問は6時間というとてつもなく長い時間と手間をかけていました。今でもそういう旧態依然の無駄なコンサルタントをやっている先生はかなり多いのです。
「会社」:でも、10カ月くらいかかると思うのですが、そうではないのですか?
「村上」:昔、私もコンサルタントとはそれで当然と思っていました。ところが何十件とやっているうちに、時間をかけているわりに無駄ばかり多く、現実的に指導の成果があがっておらず、会社の事務局の方は今一つ理解していないし、事務局の方々のお疲れの様子がわかってきたのです。こりゃいかん、お客様の立場にたって、どうにかしないといけないと思うようになってきたのです。「これじゃISO嫌いをどんどん増やすことになってしまう」という危機感を覚えたのです。
「会社」: なるほど多くの時間をかけても、むしろ良い支援とは言えないというわけですか?
「村上」:そうなんです。しかも急速に、ISOを取得する企業さんは、小さな規模のところが多くなり、人手不足だ、能力もない、仕事も忙しい、しかもお金はあまり出せません、という新たな問題が出てきたのです。そうなると、「ISOは知りません・わかりません・できませんという会社さん」にあった支援方法が必要になってきたのです。
「会社」: そうですよね。虫のいい話ですが、良くて・安くて・早くて・楽・みたいなコンサルタントが欲しいですよね
「村上」:その頃から、そういう問題に真っ向からぶつかって、真に顧客の水準やご要望に合わせて、支援方法を抜本的に改善していく少数の前向きのコンサルタントと、そうでない大多数のコンサルタントに分かれていくのです。
だから私の会社には「文書も記録も作ってくれて、あんなに安くできるのですか?インチキではないのですか?」と心配されるお客様すら現れてくる始末なんです。それほど一般のコンサルタントの費用は、高いのです。
「会社」:なるほど”安く・早く・良く・楽にというようなうまい話には乗るな”みたいなもんですね。
ところでどんなスケジュールで支援戴けるのでしょうか?
「村上」:基本的には最終審査まで6~7月でやっています。実際には5カ月でもできてしまう場合もありますが、やや余裕をとって計画しています。あまりお客様をせかすことは、良いことではないのです。
「会社」: そうですよね、あまり早いのもしんどいですし、仕事のほうが忙しいこともありますからね。かと言ってあまりゆっくりでもダラダラしてしまいますよね。
「村上」:システ構築と導入に5カ月かかり、あと2カ月審査で合計7カ月で完了します。文書や記録ができてキックオフといって会社の皆様に「いよいよ始めますよ」と宣言してから数えると4カ月で終わるということです。かなりユトリがありますよ。
1月組織編制、初期調査(環境側面・法令):コンサルタント主体
2月文書作成、方針・目的・目標・計画作成:コンサルタント主体
3月記録作成:コンサルタント主体
4月教育・準備:半半
5月運用開始・内部監査:半半
6月審査1:会社主体
7月審査2:会社主体
「会社」:わかりました。早く効率的にできるがまあ開始~審査終了まで7カ月にしているということですね
「村上」:最近は、審査終わって「いつの間にか合格してた」なんてことが多いんですよ。それに比べて昔は、審査の度にお客様が「大変だ!大変だ!すぐに先生来て下さい」なんて状況だったんですがね。
(来週、次回に続く)
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54.シリーズ.ISO14001取得企業の悩みその5(10回シリーズ)

2006-10-19 09:35:36 | ISO
「会社」:まあそこらへんのことはわかりました。
「村上」:さてそういうことで、環境マネジメントシステムを構築したり必要な記録の作成は、最初は専門家におまかせするほうがいいのです。
また会社の事務局は、しっかり勉強して、裏方として3年間基礎固めをしていく使命を担っているのです。従業員さんは、部課長を含めてISOや環境問題について、ほとんど経験もないし、そんなに詳しいことをご存知ではないということです。またそういう部門の方が環境保全に喜んで時間を割いてくれるわけでも、すすんで協力してくれるわけでもありません。これはどこの企業さんでも同じなんです。
「会社」:そうなんですか。私達はいかに部門の従業員特に部課長さんに協力を求めるかを真剣に考えますけれどね。
「村上」:事務局が、部門の方たちに、どんどん協力要請をしても、最初のうちは、期待はずれなことは多いです。何事にでも言えることですが、大事なのはお世話焼きである事務局の熱意とねばり強さ・頑張りなんです。ですから事務局が熱意なく、勉強もしないようでは、せっかく取得したISO14001も先細りになっていきます。案外そういう会社が多いのです。元々仕事を沢山かかえていて、環境まで手が廻らないということでしょうがね。
「会社」:そうですか、そうすると環境事務局の責任は重大ですね。
「村上」:そうですよ、いろいろな会社で環境保全を開始した場合、最初の関門がそこにあるのです。小規模の会社の場合、しばしばあることですが、事務局の人が会社を辞めるんです。そうなるともう絶望的なんです。おわかりでしょ。
「会社」:そういうことはあり得ることですが、そんなに多くの人を事務局員にはできませんし、有能な人を充てるというのも案外難しいそうですね。
「村上」:そうでしょ。でもそういう安易な考えで、いい加減にして始めると、あとで大変なこと(ISOを維持できない)になるので、私の場合は最初に次のようなことを、きっちり申し上げています。
無理にとは言いませんが、①項だけは、絶対条件にしています。
①事務局は2名以上
②できたら次期事務局候補の方も参加させておいて下さい
③コンサルタントの訪問指導は、8回毎回3~4時間ですので事務以外に幹部社員の方もできるだけ同席願いたい
④そうすれば皆さんの環境マネジメントシステムの研修・勉強にもなります
⑤もし事務局の方が退職した場合のことを考慮しておいて下さい
⑥まあ当社のシステムは、その点引継ぎが容易なものですのでその点は評価できます
⑦可能でしたら、社長さんや専務さん常務さんもご参加下さい

私がコンサルする場合、最近、社長さんは、「幹部は全員出させます」ということが多く、訪問指導時に100%の会社さんで6名~10名で対応してくれています。これは顧客本位の私の独特な支援のやり方のおかげと自負しています。訪問10~12回で毎回4時間ですから、多くの方が出席するということが可能になってきたのです。コンサルタントの側から長時間延々と一方的な指導押し付けスタイルは絶対に失敗すると断言します。
「会社」:そうですか、後顧の憂いなくきちん支援されているというわけですね。そうすれば事務局としても仲間が大勢いるという点で、相談することも助言や協力も得易くなりますね。
「村上」:そのとおりです。昔は、事務局さんが1人かせいぜい2人だった時は、取得後のスムースな運営という面で、ネックになっていたようですね。よくそういう事務局の悩み相談が私のメイルに入ってきますが、アドバイスは致しますが、正直申し上げて「そういう状況になってからでは、今更どうしようもないのです」、とんでもない手抜き工事の家みたいなもんですよ。ですから訪問指導回数や時間を減らすということは、いろいろな面ですごく大事なことなんです。
「会社」:なるほどそこまで考えておられるのですね。というか、そこまで考えてやってくれてない多くの普通のISOコンサルタントにお願いするのは恐ろしくなりますね。
(来週、次回に続く)
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53.シリーズ.ISO14001取得企業の悩みその4(10回シリーズ)

2006-10-15 10:57:52 | ISO
「村上」:さてそれでは環境マネジメントシステム構築をコンサルタントにやってもらうとして、どんなコンサルタントでもいいかというと実は、またまた次の関門があるんです。
「会社」:えっ、コンサルタントにやって戴いたらそれで大丈夫というわけではないのですか?
「村上」:貴方が病気になって医者に行くことを想像して下さい。初めての病気で、貴方は自分にとって最高の医者を選ぶことができますか?
「会社」:病院は選べても、キャバクラの女の子じゃないんですから、先生は選べません。
「村上」:そうでしょ。選んでいるようで、実際には全く選べていないのです。価格が高いとか有名な経営コンサルタント会社だとか、オフイスが立派だとか、大手だとかで決めているに過ぎません。医者と同様にそんな名医はそういません。大病院でも駄目な医者がいるものなんです。だから大抵は、まあそこそこの経営コンサルタントにお願いすることになるのです。運命の分かれ道なんです。明治大正時代以前の日本の政略結婚みたいなもんです。
「会社」:ああそうなんだ。実際そうなんですよね。
「村上」:ISO14001は駄目だというのは明治大正時代に結婚した女の人みたいなもんです。ごくまれに良い相手に巡り遭う人はほんの一握りなんです。
「会社」:だから「結婚は墓場」「ISOは無用」だなんて極論を吐くようになるわけですね。
「村上」:そうなんです。ISOコンサルタントにも3つのパターンがあるのです。
 ①古典的なコンサルタント
 ②お客本位の創意工夫しているコンサルタント
 ③一見顧客本位のように言うが自己満足的なコンサルタント
おわかりのように②型のコンサルタントでないとかえってうまくいかないのです。まあ家に例えると手抜き工事業者という奴でしょうか、こういうコンサルタントが圧倒的多数なんですから困ったものです。
「会社」:えっ、そうなんですか?そんなことでは夢も希望もないじゃないですか。
「村上」:そのとおりです。そういうことも原因になってISO嫌いやISO挫折企業が多いのです。コンサルタント業界というのは元々そういう体質でして、詐欺的というか占い師「当たるも八卦当たらぬも八卦」みたいな先生が多いものなんです。
「会社」:俄かに信じがたいですが、そういうコンサルタントを高いお金で雇う企業はいい迷惑ですね。まあそういえば、一般的に良いコンサルタントの噂というのは滅多にありませんね。
「村上」:そうでしょ。多くのコンサルタントの応募者を面接している私でも、コンサルタント又は志願者の多くは企業さんに完全な満足を与えられる能力と十分な指導の体験を有し、其の上に更に指導方法やツールをコツコツ改善しているような人は皆無ですからね。日本の実情はまだ、そんなもんなんですよ。まあ占い師と五十歩百歩なんです。
「会社」:そうすると良い先生を選ぶにはどうしたら良いのですか?
「村上」:占い師同様に、幾つか方法はあります。でもどれもそんなに簡単なものではありませんがね。もし簡単な方法があるのでしたら、むしろ私が教えて欲しいくらいなんです。
①評判を聞く
②紹介を受ける
③経営コンサルタントとの十分な面談
④経営コンサルタントのツールを事前に説明してもらう
⑤経営コンサルタントの質の良い理由説明をきちんと受ける
⑥2回くらい指導を受けて駄目な場合はすぐにキャンセルする(当初そういう契約にしておくのも良い
⑦ホームペイジに掲載されている支援ツールや支援方法の紹介や経営管理に関する論文をご覧になってこの先生は随分研究熱心で合理的だと関心する人を選ぶ(手間はかかりますがね)
⑧訪問してくる営業と先生が違う会社も要注意です。本当のコンサルタントとは、自分自身で営業するもんなんです。
⑨どしどし質問しても自分が納得するような的確な答えをする先生
⑩どしどし要求してきちんと、かつ迅速に対応してくれる先生
「会社」:そうですか。まあコンサルタントとは「当たるも八卦、当たらぬも八卦なんですね」
「村上」:残念ながらそういうことになります。一つ良い方法は審査会社に聞く手です。良いコンサルタントを紹介してもらい面接して決めるのです。審査会社は優秀なコンサルタントを知っていますからね。ただ有能なコンサルタントが極めて少ないのでそれがネックなんですが。
(来週、次回に続く)
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52.シリーズ.ISO14001取得企業の悩みその3(10回シリーズ)

2006-10-07 09:48:03 | ISO
「会社」:ところで村上さんのISO14001の指導の特徴を教えてくれますか?
「村上」:まず企業様がISO14001をすごく特殊なものと誤解しない・誤解させないように注意することです。
一般にISO14001を、①とてつもなく特殊で②難しい大変なものだと、思いがちなんです。何故か、100%の方がそのように、勝手に頭の中で強く信じ込んでいるのです。私が、せっかく簡単にやさしくやってさしあげているのに「やたらに難しく、難しく考えよう」とされるのです。全くの素人ですから、いたしかたないことではありますが、もう信じ難いほど、とんでもない質問や難しそうな質問をして来られるのです。
「会社」:確かに、経験がない私どもにとっては、ISO14001はすごく難しく大変という認識や不安がまずありますね。
「村上」:昔デミング賞というQCに関する賞がありました。今から40年前私の勤めた会社でもすでにデミング賞を受賞していました。当時は膨大な文書に感激したもんです。先輩からこの文書作りに大勢の人が徹夜し盆も正月もなく、かかりきりで頑張ったというような話をよく聴きました。でも要するにデミング賞もマネジメントシステムですから何もそんなに膨大な文書を作る必要はなかったのだ「膨大な文書=できっこない、絵に書いた餅」だと今になってみると思うのです。
日本の場合、その他多くの賞でも、そういう無駄な文書や記録作りが当然のようにやられてきたのです。見栄をはって、冠婚葬祭を仰々しくやるのとどこか似ています。しかし今デミング賞をとった会社の品質が最高かというとそんなことはないのが実情です。大切なことは、身の丈にあった実践向きのきちんとしたマネジメントシステムを構築し、導入すれば良いのです。賞を取るとか認証を取るということが目的になって、審査員を喜ばそうと、わざわざ無駄なことや難しいことをやる必要はありません。むしろ普段やっておられることをISO規格の要求に従ってまとめ直せば済むことなんです。
「会社」:なるほどそう言えばデミング賞についてそんな話を聞いたことがありますし、デミング賞なんて現在ではニュースにもなりませんし、全く聞きませんね。ISO9001が登場している現在でも、まだデミング賞はあるのでしょうか?
「村上」:デミング賞はまだありますが、昔に較べて確かに価値は下りましたね。日本の場合だけなのかもしれませんが、こういう”認証もの”や”賞もの”というのは、多くの大学の先生や大企業の偉いさんが関与しているせいか、お役所仕事というかお上意識みたいなものが残ていて矢鱈に権威付けしたり、難しくする傾向があります。
「会社」:そう言えば、役所なんかその典型で融通のきかないこと無駄だらけと言ったらありませんよね。法律や条令なんかもなんとも難解ですよね。
「村上」:そうなんです、そういうペースに乗ってはいけません。結婚披露宴や葬式もそうですが、あんなに高い一見豪華な式をやる必要がないのに世間体を気にし、業者の言いなりになってしまう傾向があります。無駄であり、ご家族がじっくり式を行うこともできないという愚かしいことなんですがね。身内だけでひっそり暖かな式や披露をやれば一番いいのですがね。ISO14001も全く同様で、会社の実体を踏まえ会社のためを考えて、ごく当り前に管理・改善のしくみを作ればよいのです。
「会社」:おっしゃるとおりですね。何もわざわざむずかしくする必要はないのに、結婚披露宴や葬式のようにあれこれ格好をつけ見てくれ良くしようとしてしまいますよね。しかし、現実には、ISO14001の場合はどうしたら良いのか全然わからないことも確かです。
「村上」:そうですね、そこにコンサルタントの値打ちが出てくるのではありませんか?コンサルタントというと難しいことをいかにも難しく、時間も手間もたくさんかけて教え、従って価格も高く、会社の手間も中途半端でなくなってしまうのです。簡単なことをコンサルタントがわざわざ難しくしてしまうという矛盾を演じているのです。だいたい有能なコンサルタントは100%自営していますよ。大手のコンサルタント会社のコンサルタントは、自営できないレベルの人が大半なんですよ。コンサルタントというのはそういうもんなんです。
「会社」:そうなんですか?あー良かったそういうことを知らずに都会のど真ん中に立派な事務所を構える有名なコンサルタント会社に高い金払ってしまうところでした。

「村上」:お金のことですが、
①より難しい手法
②より難しくシステム
③より難しい文書・記録
④より難しい教え方
⑤より難しい運用方法
をより長い時間かけて教えるんですから当然高くなりますよね。大体「教えてやる」という意識が強いコンサルタントが多いのです。システムや文書や記録なんてのは、いわば大工仕事ですから、教えるというよりコンサルタントが作ればいいのです。作った文書や記録をきちんと説明すればよいのです。ところが多くのコンサルタントは、素人である企業さんにシステムや文書や記録まで作らせようとするのです。そんな専門的なことを最初から素人さんにやらせてもしんどいし、かえって理解できなくなってしまうのです。そういうことがわかっていないコンサルタントが圧倒的に多いのが現状です。
「会社」:そうですね。雛形を戴いて、さあ、システムや文書や記録を作れと言われても何のことか全くわからず右往左往するばかり、かえって①わからない②混乱する③自信を失う④疲れはてる⑤うんざりする・・・という結果になってしまいます。正直そういう専門的な部分はやって欲しいですが、そういうやり方では駄目ですか?
「村上」:最初は、文書や記録をコンサルタントが作るというやり方は一見まずいようですが、私の長年の指導経験からは、専門的な部分はコンサルタントがやったほうが結果がすこぶる良いようですね。家に例えますと、素人が非常に専門的かつ経験が必要な大工をやるなんて考えられませんね。そんな馬鹿なことはやられないでしょ。手間もかかり、当然ですが、良いものなんかできっこありません。期間だって、専門の大工の何倍もかかりますし、場合によっちゃできないことだってあるわけです。
「会社」:そう言われればそうですが、自分達で作るのが当然のように考えているわけで、当社の場合は能力がないからコンサルタントに依頼しようとしただけなんですが。
「村上」:そうおっしゃるのは、ご謙遜であって、どんな会社さんだって、これから初めて環境管理をやろうとする会社さんが自力できちんとして環境マネジメントシステムなんかできっこないんですよ。
「会社」:そうですか。そう言われると少しホッとします。
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51.シリーズ.ISO14001取得企業の悩みその2(10回シリーズ)

2006-10-05 20:46:00 | ISO
「会社」: そうですね、うちの社員も何かというと「自分はきちんとやっていますが、何が悪いの、かにが悪い」のと言う奴らが多くて困るんです。
「村上」:まあ、そのためには、「指導方法の不適切なコンサルタントに振り廻され、膨大な手間と、最初から難解な説明を受けて、認証取得が終わった時は、もう二度とISOなんかやるものか」ということがないようにすることが大切なんです。医者も経営コンサルタントも同じです、全部おまかせするのですから、くれぐれもインチキや藪医者のような経営コンサルタントを選ばないように気をつけることです。圧倒的に多くのコンサルタントの指導・支援は企業の担当者に多大な負担を課しているのが偽らざる実情なんです。まあ取得終了した企業の事務局の方に感想をお聞きになったら、そういうことがおわかりになるはずです。「ISO14001は難しい」という会社の場合は、その会社を指導したコンサルタントの指導方法が詰め込み式であり適切でなく、結果的にISO嫌いを育てているということが言えるのです。
「会社」:そういうことですか、何となくわかるような気がします。医者の場合と同じなんですね。最初から良い医者に遭えばそれでいいのですが、そううまくはいかないというわけですか。
「村上」:それから、くれぐれも最初から完璧を求めないことです。最初から無理して背伸びし完璧にしようと詰め込む・難しいことをいきなりやろうとすると、結果的にうまくいきません。例えばゴルフを初めてやる人にゴルフの高度な理論を盛沢山教え、最初から完璧に打てと言ってるようなもんです。そんなことしたら1回でやる気を失い、諦めてしまいますよ。
「会社」: まあ私もゴルフはやっていますが、確かに最初はボールに当たらない・チョロする・ボールなくす・規則はわからない・マナーも知らず・ましてや高度なテクニックなんてのは皆無でしたが、でも今はシングルに近い腕前で他人に教えるくらいの腕前ですからね。最近は、難しいゴルフ理論の本を読んだりプロのレッスンを受けるようになりました。
「村上」: そうでしょ。ISOもゴルフと同じですよ。ISO14001規格では「継続的改善」を要求しています。「ISO認証取得時から完璧にせよ」ということは要求していません。高額の専門的な外部セミナーは、あまりお勧めしませんが、もし外部の高額な講習会を受けるのでしたら3年後ですよ。
「会社」:ということはA社さんの場合は、たまたま経営コンサルタントから難解なものを押し付けられたということですか?
「村上」:そうですね。残念なことですが、古い経営コンサルタントの姿勢ややり方で企業の指導をしている経営コンサルタントが圧倒的に多いのが実態です。

「会社」:経営コンサルタントによってそんな差があるんですか?
「村上」:経営コンサルタントというのは、お医者さん同様、個人差の大きなもので、先生の選択の良し悪しは、良い質の支援を受けられるかどうかに決定的な影響を与えます。
大工さんや職人さんと同じで、正直申し上げてお客様の満足を得る経営コンサルタントはごく僅かで、ほんの一握りです。でも経営コンサルタントは基本的には、試験や試用できませんので、当然のことですが、素人には、どの先生の質が高いかは判断できません。
「会社」:なるほどそう言われてみればそうです。経営コンサルタントの評価とか評判のいい経営コンサルタントなんてのはお目にかかったことがありません。有名な経営コンサルタント会社や立派なオフィス、価格が高いことなどをよりどころにしてエイヤーと破れかぶれで決めてしまうしかありません。
「村上」:そのとおりです。経営コンサルタントというのは客観的なものさしがありませんし、美人コンテストじゃあるまいし、客観的な評価なんてできるわけがないのです。特別な能力が必要です。会社さんが独自に経営コンサルタントを選ぶ場合は、できれば3~4社くらいの経営コンサルタントを直接呼びつけ面談をし、直に担当の先生に触れてみて比較することを是非お勧めします。
「会社」:なるほどそんなことは考えてもみませんでした。つい面倒臭いので、営業のうまい口車に乗せられてしまい、エイヤーで決めてしまいますね。
「村上」:そうでしょ、だから大きな会社さんほど、価格は飛び切り高いが、程度の低い経営コンサルタントを選んでしまうのです。
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