最近の、ウクライナ情勢のニュースを見ていた母が、
「これは戦争じゃなくて殺人だよ」と言いました。
それは僕にとっては、ちょっと違和感のある言い方でした。
「戦争」というのは国家どうしがするもので、高尚な一面もあるが、
「殺人」は場合によっては死刑になる、下劣なものだ、と、
なんかそんな風に聞こえたのですね。
まあすでに老いてなんの力もない母の言うことで、
揚げ足をとろうというわけではないんですが、
戦争と殺人、この2つは本質的には同じことだと思います。
むしろ、国家の意思によりおおっぴらに行われる大量殺人、
それを戦争というのではないでしょうか。
「お国のために戦ってきます」「みごと散ってきます」
かつてそんな言葉とともに、戦場へ送り込まれた人々が大勢いたわけですが、
そこに、おかしなロマンティシズムや、ドラマ性を付加しようというのは、
非常に危険なことだと思います。
太平洋戦争の記録DVDなどが、けっこう若い人の間で売れているらしいですが、
戦争を放棄した(させられた?)はずの日本で、
「戦争って面白そう」「戦争ってオシャレねえ」
などと考える人が、少なからずいるのではないかと思います。
僕はもちろんですが、母も戦争の直接の記憶はないといいます。
僕らにとって戦争は、ニュースやドラマなどの中だけのものになっています。
しかし、その一方で、現在、戦禍にさらされている人々が大勢いる、
殺人が繰り返されている、
どんなプロパガンダも、国家戦略も、それを正当化することはできない、と思うのです。
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