トロのエンジョイ! チャレンジライフ

「失敗するのが怖ければ、たぶん失敗するだろう」誰が言ったのか不明

「坊っちゃん」夏目漱石

2021-05-11 03:32:54 | 読書

言わずと知れた名作です。急に読みたくなり、購入しました。

 

これは漱石の代表作ですが、文章が平易で読みやすいので、まるで児童書のように扱われていますねー。

僕がこれを初めて読んだのも、小学生のときでしたが、

この作品に込められた深い意味を、当時の僕がよく理解することは困難でした。

読み通すだけなら、それこそ小学生でも可能なんですけどね。

 

無鉄砲で、直情的で、曲がったことが大嫌いな、「おれ」こと、坊っちゃん。

東京生まれの「おれ」は、教師として松山の中学に赴任するのですが、

権力に媚びて甘い汁を吸おうとする人間の醜さ、単純な自分が笑われる世の中の空しさ、

そういったものを見せつけられ、それでも自分を曲げず、ついには…

 

まあ主人公の「おれ」も必ずしも正しいわけではありません。

しかし、これは作者の漱石の分身であると同時に、

こんなふうに自分も生きられたら、という願望でもあるのではないでしょうか。

漱石は心の病に苦しめられたことがあるらしいですが、

世の中とうまく立ち回れない自分に、憤りを感じていたのかもしれません。

 

僕としては、唯一、「おれ」に慈愛をもって接してくれた女性である「清(きよ)」の存在が、

この物語を美しく彩っていると思うのです。

 

ひさしぶりの再読でしたが、またまた物語の世界に、惚れ込んでしまったという感じです。

末永く、愛読していきたいと思います。

 

 

 

 

 

コメント (6)
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