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ロンドンから徒然に

Bregret

2016-06-28 | 旅・イベント
僕の周りのイギリス人の友人は、知る限りでは全部がEU残留に投票していたので、今回の結果には非常に失望しています。
ところが投票日以降の状況に失望しているのは残留支持派だけではなく、離脱に投票した人達の中にも存在するようです。

ポンドの貨幣価値は下がり、株価は下がり、UKの格付けは下がり、etc….の誰もが予想してしかるべきことも、実際目の当たりにすると、それらの自分達への影響の実感におののくみたいです。
さらには投票前に離脱派が約束した「薔薇色の未来」の公約の責任を誰も取ろうとせず、自分達は言っていない、などと逃げる政治家が増えているんです。
なので、できればもう一度投票をやり直したいと後悔する人達も出て来ており、BrexitをもじってBregret(Britain + Regret:後悔する)なんて見出しが新聞にも見られるようになりました。



国民投票の結果が出た当日の報道では他の国の反EU派が勢いづいているということでしたので、その意味で2日後に行われたスペインの出直し総選挙に注目しました。
しかし、この2日間という日数はイギリスの混乱を冷静に眺めて自国のことに置き換えるには十分だったみたいで、勢いを強めていた反EUの急進左派は結局伸び悩んでいます。

投票には「想像力」が必要ですよね。
イギリスの国民投票では、あれだけ互いの主張が明確にされ、討論会やインタビューが頻繁に開かれてTVでも放映され、考える機会が与えられても、実際にその結果がこうして見えてこないと実感できない人達が現に存在し、自分達の投票を後悔している人達がたくさんいるわけです。

ましてや、都合が悪くなると公約も反故にし、公開討論の場も少なく、争点が曖昧にされたまま行われるどこかの国の選挙では、その結果がどうなるかの想像力をフルに働かせないと、いつの間にかこんなはずではなかった、という後悔をすることになりそうで怖いです。
今度は僕にも選挙権があります。

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