Cristoforo Colombo……ロンドンから2時間ほどでジェノヴァに降り立つと目に入ってくる空港名。片仮名表記するとクリストーフォロ・コロンボとなるけれど、やっぱりイタリア語だとこの人物の名前はピンと来ないかも。
そう、クリストファー・コロンブスの方が世間的には通りの良い名前だよね。何しろアメリカ大陸「発見」者として有名なので、スペイン人だと思っている人も多いのでは。
ついでにジェノヴァ出身の有名人は…と調べてみると、建築家のレンツォ・ピアノ(パリのポンピドゥー・センター)、映画監督のピエトロ・ジェルミ(鉄道員)など、割と最近の人は目に付くものの、昔の人物はどうにも地味で知らない人が多い。
そんな中で目に入ってきたのがパガニーニ。そう、超絶技巧奏者として知られたヴァイオリニスト。生誕が1782年、没年が1840年だから、当然その演奏を彼自身の録音で聴くことは不可能なわけだけれど、何しろその尋常でない演奏力の理由が「悪魔に魂を売り渡したため」と本気で信じられていたくらいだから、その凄さが分かろうかというもの。
ところで、このパガニーニ、逸話には事欠かないものの、天才アーティストに似つかわしくない、金銭に執着する俗っぽい話が多くを占める。
曰く、人気が上がってきたら演奏会のチケットを高額にした、偽造チケットを防ぐために自ら会場入口でチェックした、自作管理にも熱心で、盗作を防ぐためオーケストラに自作のパート譜を配るのは演奏会の直前、しかもそれを終演後に回収した、さらには自分のパートはリハーサル時にも聴かせず、演奏会当日に披露した、etc. …
それに、有形無形問わず所有欲も強かったのか、死期が近づくと楽譜を焼却してしまったという。何だか収集した美術品を燃やそうとしたコレクターを思い出させるような話だ。ではもしかして、と恐れた人もいるかもしれない。彼の愛器である有名なヴァイオリン「カノン」。
ご心配なく。こちらはちゃんとジェノヴァ市内の博物館で保存されている。但し、遺言で他人に演奏させないことを条件に寄贈したというから徹底している。
しかしながら、楽器好きな人はご存じのように、定期的な演奏をしないとせっかくの名器もダメになってしまう。当然市もそう判断し、遺言を無視する形でメンテを兼ねて演奏家に貸与しているという。
せっかくのジェノヴァ滞在、僕もカノンが展示されている部屋を訪ねてみた。ここだけは扉がきっちり閉められて空調が施され、その中央近くにカノンは鎮座していた。
部屋には他に一組のカップルだけだったが、どうも僕の向かいにいるその青年のカノンへの熱心な視線から、演奏家というよりは制作者なのかなと思えた。対照的にアジア系のガールフレンドは楽器には目も向けず、退屈そうにベンチでモバイルを探っていたが(笑)
さて、そのパガニーニの曲を、今Spotifyで聴きながらこれを書いている。さらに探ってみると、楽譜も簡単にダウンロードできる。本当に便利な時代になったものだ。
こんな時代に生まれていたら、彼も著作権の管理などに自ら神経を使う必要もなく、もっと作曲や演奏に従事できて、たくさんの名作を生み出していたかな。
いや、商才を活かして、もっと金になるロックやポップスに走り、超絶技巧ギタリストなんて呼ばれていたかも(笑)そう言えばあの長身・長髪の風貌を現代風にすればロック・ミュージシャンに見えなくもない。
そう、クリストファー・コロンブスの方が世間的には通りの良い名前だよね。何しろアメリカ大陸「発見」者として有名なので、スペイン人だと思っている人も多いのでは。
ついでにジェノヴァ出身の有名人は…と調べてみると、建築家のレンツォ・ピアノ(パリのポンピドゥー・センター)、映画監督のピエトロ・ジェルミ(鉄道員)など、割と最近の人は目に付くものの、昔の人物はどうにも地味で知らない人が多い。
そんな中で目に入ってきたのがパガニーニ。そう、超絶技巧奏者として知られたヴァイオリニスト。生誕が1782年、没年が1840年だから、当然その演奏を彼自身の録音で聴くことは不可能なわけだけれど、何しろその尋常でない演奏力の理由が「悪魔に魂を売り渡したため」と本気で信じられていたくらいだから、その凄さが分かろうかというもの。
ところで、このパガニーニ、逸話には事欠かないものの、天才アーティストに似つかわしくない、金銭に執着する俗っぽい話が多くを占める。
曰く、人気が上がってきたら演奏会のチケットを高額にした、偽造チケットを防ぐために自ら会場入口でチェックした、自作管理にも熱心で、盗作を防ぐためオーケストラに自作のパート譜を配るのは演奏会の直前、しかもそれを終演後に回収した、さらには自分のパートはリハーサル時にも聴かせず、演奏会当日に披露した、etc. …
それに、有形無形問わず所有欲も強かったのか、死期が近づくと楽譜を焼却してしまったという。何だか収集した美術品を燃やそうとしたコレクターを思い出させるような話だ。ではもしかして、と恐れた人もいるかもしれない。彼の愛器である有名なヴァイオリン「カノン」。
ご心配なく。こちらはちゃんとジェノヴァ市内の博物館で保存されている。但し、遺言で他人に演奏させないことを条件に寄贈したというから徹底している。
しかしながら、楽器好きな人はご存じのように、定期的な演奏をしないとせっかくの名器もダメになってしまう。当然市もそう判断し、遺言を無視する形でメンテを兼ねて演奏家に貸与しているという。
せっかくのジェノヴァ滞在、僕もカノンが展示されている部屋を訪ねてみた。ここだけは扉がきっちり閉められて空調が施され、その中央近くにカノンは鎮座していた。
部屋には他に一組のカップルだけだったが、どうも僕の向かいにいるその青年のカノンへの熱心な視線から、演奏家というよりは制作者なのかなと思えた。対照的にアジア系のガールフレンドは楽器には目も向けず、退屈そうにベンチでモバイルを探っていたが(笑)
さて、そのパガニーニの曲を、今Spotifyで聴きながらこれを書いている。さらに探ってみると、楽譜も簡単にダウンロードできる。本当に便利な時代になったものだ。
こんな時代に生まれていたら、彼も著作権の管理などに自ら神経を使う必要もなく、もっと作曲や演奏に従事できて、たくさんの名作を生み出していたかな。
いや、商才を活かして、もっと金になるロックやポップスに走り、超絶技巧ギタリストなんて呼ばれていたかも(笑)そう言えばあの長身・長髪の風貌を現代風にすればロック・ミュージシャンに見えなくもない。