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ロンドンから徒然に

ビートルズの修行時代

2008-03-09 | 旅・イベント
 大きな都市には必ずその影の部分を担う地域があります。東京だと新宿歌舞伎町、パリだとピガール、ロンドンだとSOHOになるのかな。
 ハンブルグにも有名なレイパーバーンReeperbahnがあります。通りの両側にはポルノ・ショップやストリップ小屋がひしめき、警察署から何メートルも離れていないところで堂々と娼婦たちが客引きをやっています。
 でもここは一種の観光地になっているようで、男たちはもちろん多いのですが、むしろカップル(しかもかなり年齢のいったご夫婦)や女性たちのグループまでが、堂々とショップに入っていくのが見られます。

 僕がこの地域に足を踏み入れたのには理由があります。実はビートルズがデビュー前に演奏していたお店がここにあるのです。
 ジョンが「僕(ら)はリヴァプールじゃなくハンブルグで育った」と言っているように、1日12時間もの過酷な演奏の中から、彼らの下地が出来上がったのがこの地域だとも言えるのです。

 エロティックなショップには目もくれず(笑)ひたすら昔の住所を頼りにお店を探して回りました。ビートルズは3回にわたってハンブルグで演奏しているのですが、その度にお店が変わっているので何ヶ所かあるのです。
 インドラ・クラブIndra ClubとカイザーケラーKaiserkellerはまだお店が元の住所に存在していました。トップ・テン・クラブTop Ten Clubの跡地には全然違ったお店が建っていて、スター・クラブStar Club跡には名前を記した碑が立っていました。

 20歳前後の若者がこんな環境の中に投げ込まれたら、その負のエネルギーに圧倒されて、どこまでも堕落してもおかしくないと思うのですが、彼らは当時の女目当ての荒くれ男たちを、自分たちの演奏に引き込むために、もっと凄まじいエネルギーで対抗したわけです。
 
 思いがけず滞在の機会ができたハンブルグで、何十年も前の若者の姿を連想して、元気になった夜でした。
 (写真はそのお店のどれかを載せたかったのですが、なんと誤ってデータを消去してしまいました!涙)

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2 コメント

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ハンブルク (Gottossonn)
2008-03-12 02:08:53
こんにちは。ハンブルク、僕もドイツ出張で行ったことがあります。80年代初頭だったかな。リーパーバーン、セント・パウリ、行きました。映画館にも入りました。当然怪しい映画館です。バーで飲んだり、港も見たかな。でも、僕はあぁ、もうここには何も無いんだ、と感じました。ジョン・レノンとシルヴァー・ビートルズの面影すら残ってない、不思議と妙に醒めた訪問だったんです。
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Unknown (Max)
2008-03-15 08:26:50
“妙に醒めた”という感覚が分かるような気がします。僕も正直言うとあの殺伐とした感じが、その場にいるだけで辛くて、それだけに過去の若者の情熱みたいなものに思いを馳せるしかなかったのかもしれません。
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