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ロンドンから徒然に

Scaremonger

2016-06-23 | 旅・イベント
6月23日。イギリスにとって(というか世界的に)歴史的な一日になるかもしれない国民投票の日は、よりによって道路が冠水するほどの地域も出る悪天候で始まりました。
通常ならば投票率に悪影響が出るんでしょうが、おそらく今回に限ってはそういうこともないだろうと思わせるくらいの熱気で、事実早朝から長い列の投票所もあったみたいです。



この数ヶ月、この日に向けてEU残留派、離脱派双方ともそれぞれの主張を打ち出して激しい運動が繰り広げられました。
経済、移民、規制、etc…様々な問題が色んな言葉で語られましたが、ごく大雑把な個人的な感想を言うと、グローバル化の恩恵を受けている側とそうでない側が、その原因を都合の良い理屈に無理矢理押し込めて、そこに感情論をまぶしている、といったところです。

イギリスでは日本よりもずっと多く討論の機会があり、TVで一般に放映されますが、それは互いのディベートであったり、一般の参加者からの質問であったりするわけです。
その中で一般人から双方への批判の中で頻繁に使われた言葉がありました。
Scaremonger
英和辞典の訳だと「デマを飛ばす人」となるので、そのニュアンスまで伝わりにくいですが、英英辞典でもう少し詳しく見ると「a person who spreads stories deliberately to make people frightened or nervous」と書いてあり、語頭のscare(おびえさせる)の要素が分かるかと思います。

そうなんです。両陣営とも、離脱した場合(e.g.経済的な破綻が来るぞ、税金の徴収額が上がるぞ)、残留した場合(e.g.さらに厳しいEUからのがんじがらめの規制を受けるぞ、将来の加入国と見なされるトルコからの移民が溢れるぞ)の恐怖感を煽る手法で、さらにはそれを裏付ける数字等には誇張された嘘も存在する、といった、ちょっと後味の悪い内容の討論会も中にはあったんです。

個人的に大きな影響を受けるにもかかわらず、もちろん僕らは「国民」ではないので投票権はなく、固唾を呑んで見守るしかありません。
どちらの結果になっても、この数ヶ月間で大きく分断された感もある国民感情がこの後のイギリスの動きに災いを呼ばないように祈っています。

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