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ロンドンから徒然に

穴場の美術館

2009-03-07 | 旅・イベント
 ロンドンに戻ってきました。今回は最初の日のフライトの遅れがたたって最後までバタバタしていましたが、帰りの便はむしろ予定よりちょっと早く着きました。

 ハンブルクにはハノーヴァーから夜戻ってくるだけなので、あまり熱心に情報も仕入れませんでした。クラブなどのナイトライフでも有名な街なのですが、あまりその手の遊びにも長けてないので、夕食がてら目的もなしに街歩きできればそれでいいかな、と。(昔のビートルズ関連の場所は前回訪れた時に夜遅くまで頑張って回ってしまいましたしね)

 昨晩もそのつもりでした。でも待てよ。ロンドンもパリも美術館は週に一度だけ遅い時間まで開いているぞ。
 尋ねてみたら案の定ハンブルクでもそうでした。おまけにそれが木曜日。さらにこの日はイベントがあるので、特別に夜10時まで開いているというではありませんか。ラッキー!駅などに掲げられている大きな『ドガ展』のポスターが気にはなっていたのですが、閉館時間が6時ということで諦めていたのです。



 “Intimacy and Pose”と名付けられたこのドガの展覧会は、ポスターに使われている『鏡の前で』のようなパステルや油彩が中心かと思いきや、むしろ特筆すべきはブロンズ像でした。
 意外と知らない事実だと思うのですが、ドガが生前に発表した塑像はオルセー美術館等各地にある有名な(原題は仏語ですが、英語で)“Little Dancer Aged Fourteen”という一体のみで(下の写真のカタログの表紙です)、他は全て死後に鋳造されたのです。
 今回は殆ど外に発表されなかったという、それら73点が会場一杯に展示されていました。“complete set of 73 original bronze casts”と書かれてあったので、これが全ての作品なんでしょうか。いずれにしろ見応えがありました。



 この市立美術館、マネの“ナナ”やムンクの“マドンナ”などを始めとする豪華な作品を所蔵し、ベルリン国立博物館と並び称されるほどなのですが、意外と訪れる人が少ないらしいのです。どうしてなんでしょう?
 中央駅のすぐ横にあるという立地を考えると、そういう意味では凄い穴場です。そう言えばここにあるカフェは天井の高い、古い建物の雰囲気がなかなか良い味を出していて、デート・スポットとして重宝がられていると聞きました。

 もっと皆に知って欲しいような、ずっと穴場でいて欲しいような...気に入った場所を見つけるといつもある葛藤です(笑)

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