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ロンドンから徒然に

Big and Small

2012-05-01 | 映画・演劇
 最近は演劇の舞台に有名な映画俳優や女優(最近はactressを使わずに男女問わずactorということが多いから、わざわざ分ける必要はないかな?)が出演することが多いですね。著名な分だけ注目度も高いので、賞賛にしても酷評にしても目立ちますが、この人は間違いなく前者でしょう。それも特上級の。もっとも、その経歴を考えると、もともと舞台出身な上に旦那様も劇作家ときているので、その素晴らしさも納得できますが。

 ケイト・ブランシェットが主演する《Big and Small(原題:Gross und Klein)》の最終日公演をBarbicanで観てきました。



 原題が示すようにオリジナルは70年代に制作されたドイツの作品。内容もシュール・リアルなもので、ストーリーを説明するのは僕にはちょっと無理なんですが、インターバルの20分を含めて合計160分、つまり2時間20分の実質的な長さの舞台をずっと出突っ張りの彼女の演技の素晴らしさに圧倒されっぱなしでした。

 それこそ泣き、叫び、ささやき、怒り、ユーモアたっぷりに皆を笑わせたかと思ったら、次には狂ったように踊り出したり、またシリアスに涙を流したり……強弱変幻自在の演技で、あれよあれよという間に終幕まで来ていました。

 それにしても、タイトルのBig and Smallが意味するものは何なんだろう?
 この作品の中で主人公が終始感じている疎外感や孤独感を、《不思議の国のアリス》みたいに、周りの人にとっては“大きすぎたり”“小さすぎたり”して、きちんと認識されない、といった感覚に準えているのかな?

 実は上演の発表があった昨年6月(ほぼ1年前だ!)にすぐにチケットを購入したので、前から4番目の列の真ん中というすごくラッキーな席でした。おかげでケイトは本当に目の前(彼女が上演中に吸う煙草の煙がこちらまで漂って煙たいくらい・笑)。
 
 当然チケットはソールド・アウトで、この日も最上階まで一杯の観客。その殆どがスタンディング・オベーションというのを見ても、この公演が成功だったのが分かると思います。
 いやはやここまで力のある人が演じるんだから、どの映画も凄いはずだ。

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