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ロンドンから徒然に

Birdman vs Boyhood

2015-03-04 | 映画・演劇
 あっと言う間に2月が終わってしまったなぁ。それでも毎週末何かしらの映画賞が開催され、またそのタイミングを狙ってか良い映画が目白押しだったので、映画ファンにとっては密度の濃い月だったけれど。

 今回はどの賞のどの部門を取っても素晴らしい候補ばかりで、マラソンに例えて言うならば、各部門ともひとりだけ圧倒的に抜きんでたランナーがいて、あとは皆が第一グループを作っているといった様相かな。
 そのままトップランナーが逃げ切るか、第一グループからタイプの違う誰かが飛び出してくるか。

 映画賞の最後を飾るアカデミー賞の直前までは、作品賞=6才のボクが、大人になるまで、監督賞=リチャード・リンクレイター、主演女優賞=ジュリアン・ムーア、主演男優賞=エディ・レッドメイン、助演女優賞=パトリシア・アークエット、助演男優賞=J.K.シモンズとの流れが大方だったから、その意味では順当なレース。

 これがもし覆るとすれば、キーになるのは「バードマン」の関連だろうと思っていたら、その通りアカデミー賞では作品賞、監督賞をさらっていくという結果に。
 ううん、本当に難しいよね、タイプの違うものを同じ土俵で比較するというのは。



 今度は音楽に例えてみると(と言ってもあくまで僕の個人的な感じ方だけど)「バードマン」はすごく熟練したミュージシャンばかりで編成されたジャズバンドの演奏を見ている感覚で、どこを取っても寸分のリズムの狂いもなく、その上遊びの部分の余裕もあって、最初から圧倒されてしまい、落ち着いてきたら今度はコード進行だとか、ギタリストの手元が気になって、細部も楽しめるという、上質なおとなの音楽。

 かたや「6才の…」は、若くてまだ荒削りなシンガーがアコースティック・ギターを抱えてひとりで自作の曲を弾き語る感じかな。素朴なメロディーに乗せられた歌詞が、まるで自分のことを歌っているように感じられてだんだん惹き込まれていく、そんな感じ。

 ひとことで言うなら、「バードマン」は“凄い”。「6才の…」は“好き”という感覚で、個人的にはアカデミー賞まで含めて、今回に関しては「6才の…」に制覇させたかったというのが、個人的な気持ちではあります。
(ちなみに「6才の…」に関しては、初めて観た際の感想を2014年7月16日のブログに書いています)

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