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ロンドンから徒然に

ホラー映画

2014-10-30 | 映画・演劇
 長い夏休みが終わって2ヶ月、となると日本だと中間試験みたいな、あまり嬉しくないものが待っていますが、こちらでは逆に一週間から(私学の中には)二週間のお休みが。ハーフターム・ホリデーですね。
 別に僕が休めるわけでもないので関係ないんですが、個人的な趣味として影響が出るのが映画のプログラム。どうしてもティーンズ向けのものが増えてしまって、選ぶのに苦労します。おまけにこの時期はハロウィーンと重なるので、これがホラー映画に向かうんですね。

 ホラー映画というジャンル、以前割と観ていた時期もあるんです。その頃はすごく創意に満ちていて、それこそホラーのモチーフを借りて社会の不条理を描くとか、ある意味品性の高い(なんて表現はホラーに合わないか・笑)作品が多かったと感じていたんですが、このところやたらと血が流されて残虐だったり、大仰な効果音で怖がらせるだけのものが増えて、客席を見回しても若い人だらけ(それもグループやカップル)。ちょっとこの歳では行きづらくもなって…
 余談ですが、その良き時代って、大昔の日活ロマンポルノに良い監督が溢れていて、こちらもポルノの外観を借りて、芸術性が高かったのに何だか似ているような気が。

 さて、それで、そろそろこの機会にまた観てみようかと選んだのが、オーストラリア映画の「The Babadook」。
 予告編を見て、何だかトーンが上述した最近の主流ホラーとは一線を画すような気がして選んだんですが、これが期待した通りなかなか秀逸。夫に悲惨な死なれ方をしたシングルマザーが、モンスターが家に潜んでいると信じて疑わない息子に手を焼いているうちに、自分自身が疲労困憊してきて…



 いや、どうもこう書くと子供向けの怪獣映画みたいに思われてしまうかもしれませんが、これが実はなかなか手強い映画です。大人(の女)でないと分からない心理も突いているし。
 ネタばれをさせずに、この映画の面白さを伝えるのは難しいんですが、むしろそのモンスターより怖い、自分の置かれた立場や精神状態におののくかもしれません。

 それにしても、不眠の際の時間経過だとか、上手い描き方だなぁ。これすごくよく分かる。怖がらせるまでの細部の積み重ねが丁寧なんだな。
 それに母親役のEssie Davis(時々イギリス映画でも脇役で見ます)ももちろんだけれど、男の子役のなんと素晴らしいこと。是非今度は他のジャンルの映画の中でも見てみたいです。

 さて、明日はハロウィーン。うちの部屋はアパートの上部に位置しているし、ドアフォンも作動していないから「Trick or treat」の心配はないと思うんですが…

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