つむつむの悲劇

いい歳して「ツムラー」であります。

ツムツムは2014年に供用開始された「スマホ」を対象としたゲームで、LINEとディズニーランドという最強の組み合わせでスタートしたのでした。基本的には難しい操作は無く、三つ以上の同じキャラクターを指でなぞって繋げる、という単純さ、ディズニーキャラが丸くなって可愛い、そして基本タダ、という好条件でたちまちスマホゲームのトップに躍り出ました。スマホはだいたい2010年頃から本格導入が始まり、それまでの「ガラケー」からアイフォン系とアンドロイド系のスマホに急速にシフトが進み、その過程でLINEやツムツムも加速度的に普及したのです。

ワタシはほかの人同様、LINEのお仲間からご招待を頂いて何気なく始めたのが恐らく、その2014年の後半であろうと思います。うーーーむ、はまりましたなぁ。何より簡単で勝負が早くいつでも自分だけで完結する、という特性で夢中になっておりました。実際は、同じころ数個のゲームを並行してやっていたのですが、どれもこれもいつの間にか、「運営側の都合」で終了・ゲームオーバー、多分課金する人が少なくペイしなかったのでしょう。

ツムツムはその点、バックについている企業が大きく、広告宣伝効果やグッズ売り上げも莫大であったのでしょう。課金は「ルビー」の購入であります。ワタシはほかのゲームと同様「やらしてもらっているのだから、ちょっとだけはお金を使いますよ」というスタンスで、一度だけ数千円を支払った記憶があります。

ツムツムの一番の成績は「点数」であります。つむったツムツムの数とそれぞれが持っている一匹当たりの基礎点をかけて得点が計算されますが、様々なスキルや環境で加算されたりします。高得点をとる、それだけのために裏技もあり、得点が取りやすいツムや、高得点をたたき出しやすいツムツムを集め、それお育てていくのです。

それのポイントは、とにかくゲーム回数を重ねて基礎点を上げていくことと、ツムツムを増やす（育てる）ために「BOX」やガチャからランダムに数あるツムツムを落としてこなければなりません。ツムツムが落ちてきた場合、MAXまで育てる（スキルマと呼びます）最大で36匹同じツムツムが必要になるのです。

これが大変、一匹落とすのに支払う「コイン」30000coinが必要になるのです。コインはお金を出せば買えますが、普通はゲームのたびに、得点とは別個にカウントされ貯めることができます。初心者はせいぜいワンゲームで数百コインしか稼げません。毎月何匹も新たに追加されるツムツムなのでどんどんキャラが増える中、お目当てのツムツムをゲットするのは至難の業なのです。

現役時代は、仲間に一目置かれる存在になり、何人かからは「先生」呼ばわりされました。夢中で仕事も寝る間もひたすらツムりました。一日およそ100プレー、プレー時間は1ゲームで約2分、つまり来る日も来る日も200分以上、だいたい３，４時間ツムツムで遊んでいたのです。

そのうち、コイン稼ぎも専門のツムツムを使い、プレイ結果にコインボーナスが付く「+Coin（500コイン）」と5種類のツムツムを一種類減らすスキルチケットを毎回駆使して、スキルチケット代2300コインを差し引いても1ゲーム当たり平均3000コインほど稼げるようになりました。これによって一日3000×100、つまり頑張ると30万コイン（ツムツム10匹分）をゲットできるようになったのです。

そして、始めてから約4年後、提供されていたツムの全種類を全てスキルマ・フルコンプリートを達成しました。コインでショップから落とそうとしても「これ以上は落とせません」と出てきました。こうなると楽です。毎月追加される新ツムは３～５匹、だいたいMAXに育てるのは100～150匹分つまり、ひと月450万コインあれば間に合います。月1000万コインくらいは稼ぐワタシにはどうということもありませんでしたね。

それから数年というもの、楽で悠々としたツムツムライフでした。安定的に高得点とコインを稼げ、毎月のイベントやビンゴゲームも余裕でクリアできました。なんせ、その月に出た新ツムツム限定のゲームなど、いきなりスキルマックスの最強ツムが使えるのですから。

それが、ある日突然とんでもない事態に陥ったのであります。定年退職後3年位経過した時、訳があってノートパソコンを買いました。その時、マイクロソフトはじめ種々のアカウントを取得するため、電話番号を登録する操作をいたしました。で、LINEにも加入したのですがその時に使った電話番号が携帯の電話・・・つまりiPhoneでLINE・ツムツムに共通するユーザーとして使っている番号を、何の気なしに登録したのです。

その結果、ツムツムのユーザーの「ワタシ」が一瞬にして抹消・この世から消えてなくなったのであります。ワタシの電話番号のユーザーが第三者に変わった、と認識されたのでしょう。アカウントの回復はできませんでした。5.6年の努力・費やした時間が無に帰したのであります。

お察しの通り、その日から自称ツムツムマイスターでフルコンポ出来ていたワタシは、ツムツムゲームユーザーからは外れ、頭が真っ白になったのであります。

以下はそのうち続編で・・・