植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

泣いてブドウを斬る

2022年11月07日 | 植物
「実が付かない果樹は、何の価値も無い」これが、ワタシの園芸で学んだ教訓の一つであります。せめて花が咲けば、見て楽しむと言うこともあります。しかし、得てして果樹の花は小さく、さほど美しいもの目立つものは少ないのです。

ワタシの果樹栽培の最優先してきた種類が「ぶどう」であります。夏になれば瑞々しいブドウ棚の葉っぱの木陰で涼み、秋には甘くて美味しい自家製葡萄を食べる、という夢のような生活に憧れ、とりわけ人気の品種「シャインマスカット」を植えて丸8年になりました。

植えた時から2年で花が咲き、曲がりなりにもブドウがなりました。それから数年、冬の剪定、数回の消毒作業をはじめ、毎年沢山の開花を待ってジベレリン処理(無核化・肥大化促進剤)を施し、夏には襲来する「コガネムシ」を毎日踏み潰し駆除してきました。

しかし、いくら消毒しても黒糖病などの病気になり葉っぱは赤く焼け、手間をかける割には大きく育たない、秋口にはブドウが黒い点が生じて食べられない、ことが多くなったのです。欧州系・マスカット系は降雨があたると病気になる、なので必ず屋根が必要だったのです。そして3年前には念願のマスカット専用のビニール屋根を架けました。同時期にやはり「雨では絶対育たない」と言われているロザリオビアンコと甲斐路のブドウ棚にもビニールの覆いを設けたのでありました。

 結論から言えば「遅かりし浦之助」でありました。ここ3年、シャインマスカットもロザリオビアンコも、明らかに樹勢が衰え、花がほとんどつかなくなりました。実が生っても大きくなる前に腐ったりしなびたりで、病気が樹全体に回ったように思います。さもなくば、根をコガネムシの幼虫に齧られて弱ったか、おそらくその両方なのです。

今年も2房つきましたが、いずれもまばらで大きくなった果樹全体から栄養を独り占めして大きくなるはずの粒は、途中で成長を止めました。もはやこれまで、一旦弱った樹木は肥料をやっても元に戻らない、これも素人園芸家が知りえた教訓2であります。

すでにして、家内からは「シャインはもう要らない、ぶどうは全部甲斐路にしてね」と昨年からダメ出しを食らっております。

今年想像以上に房が付いたのが「甲斐路」です。ジベレリン処理も摘果もおざなり、梅雨以降にも一度も消毒薬散布もいたしませんでした。しかし、100以上の房が下がって、大層甘いブドウが収穫出来たのです。ほぼ無農薬なので、毎日何粒かを洗いもせず、直接口に放り込むことが出来ます。2年は雨に当たってブドウが全部黒く腐っていたのですが、今年の段階では健康体とみてよかろうと思います。

今朝、ついに生らないブドウの一本、甲斐路と並んだロザリオビアンコを伐りました。やはり、幹は水分が失われて枯れ木に近く、硬くなっていたのです。これで、ビニール屋根の下は甲斐路だけになりました。


このブログを書き終えたら、大物のシャインマスカットを伐ろうと思います。


8年間手塩にかけて育てた果樹ではありますが、来年以降も期待できません。思えばこいつと一緒にずいぶん苦労しました。コガネムシの捕殺は恐らく累計数千匹になります。様々な思いが去来しますが、未練でしょう、致し方ありません。実は既に今春、シャインの株がある対角に「藤稔」の苗を植えてあるのです。今年シャインマスカットが房にならなかったら、藤稔へシフトすると決めていました。(こちらは残念ながらあまり大きく生長していません)
(´;ω;`) ( ノД`)シクシク…

これからワンカップを買ってきて、塩と一緒に撒いて浄めてから鋸で切ります。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 馬鹿な議員に金を払うのが馬... | トップ | 篆刻印のオークションは全敗... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

植物」カテゴリの最新記事