植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

展覧会出品の備えは万全 わくわく感がたまりません

2023年07月25日 | 篆刻
新しいビジネスを考えました。
それは、英語圏などの外国人に「日本名乃至漢字を充てる」かつ、それを石に彫ってスタンプとして売る、であります。

でちょっと調べてみたら、ただで変換する機能を提供しているHPなどがいくつも見つかりました。それを印にするというサービスはさすがに見つかりませんでしたが、いろんな人が必死にお金儲けを考えているので、ワタシのようなお金に縁がない生活の人間の考えることは誰でも思いつくのでしょうね。

さて、先日触れた展覧会への出品用に必要な大型印材の確保であります。小さな印は売るほどあるのですが、ある程度の大きさの印でないと意味をなさない(審査員の目に留まらない)のです。大型印は大きく分けて青田石と寿山石の2種で、出来れば柔らかめの6cm角以上の石が必要になります。貴重で高価な高級種の石は、小さなものがほとんどで巨石はほとんどありません。小さいほど価値があると言ってもいいくらいなのです。

しかし、作品展用の石となると高いものは使えないので、山から切り出した大きな石を切断して目方で売られている印材になります。当然重いほうが値段が高くなるのです。未使用印を印材店・書道店で買えば、そうした石、高さ(厚さ3㎝内外では最低2千円位になります。立方体ならばその2,3倍(重量が重くなるしそれを2,3個にスライスして彫れるからです)の値段になりますね。

ワタシが企図する出品用の作品は、20個ほど試作し、その中から周囲の人や目利きの人に見てもらって1,2個を選ぶ、というものです。ですから、すでにある10個ほどの石(ほとんどが刻字ありの中古品)、にもう10個ほど入用になっておりました。


そこでいつものヤフオクで「使用済み印材まとめて」を物色し2件の落札に至ったのです。
合計16個9,240円でありました。
単純計算で1個577円であります。しかし、これはあくまで中古品で少なくとも5個は上下ともに刻印があり、残りは片面のみ彫られておりました。つまり、基本的に、すぐに彫ることができる印面は11面、新品で言えば5.5個という計算になります。すると未使用印材として計算すると1個1,680円(笑)、・・・微妙であります。楽天あたりで新品が2,500円ほどで販売されているのです。まぁいいでしょう、いずれグラインダーで印面を削り取って再利用するので、ひと手間かければ新品同様になりますから。

それはそれとして、これらの持ち主はほぼ間違いなく篆刻家さんか篆刻家志望で、何かの作品展に出品するために彫ったのに相違ありません。そしてそのすべてが落選した印だと思います。何故なら、印自体が下手だから、ではありません。もし入選した印なら、絶対「〇〇展入賞」とかの文字を側款に入れるか紙を貼って区別するはずだからです。苦労して入賞・入選したら大変名誉であり記録として何かを残すに相違ないのです。ワタシ同様中古品を買うか貰うかして印材を確保していたと思われます。石の一つには、漢字4文字と作者名が側款に入っておりましたが、実際に彫られている文字は別の4字でした。やはり中古品を潰して彫りなおしているのですね。

試作品は早くもNo9までになりました。先日は気分転換にと、出来上がったら印影に添えて書く落款用に「雅号印」作りました。作品作りの一環ですが、石自体がちょっともろくて柔らかかったのでシャープな線が出ておりません。そのうち別の石で彫ればよし、それも練習で無駄にはなりません。

真面目に出品するための印を彫る、という経験・作業は生まれて初めてなのです。アドバイスをくれる人はいますが、師匠という人に指導されたこともなく自己流で彫っているので、なんの確証も自信もありません。
ですが、試行錯誤の中作品作りをしているこのひと月だけでも、今までとは違う感覚や技法が加わってきたことを実感するのです。書道を通じて知り合った仲間のグループのメンバーからも「壁が取り払われたみたい」とか「殻を破った」などの感想が寄せられています。ある日展作家さんからもちょっとした褒め言葉をいただいたりしているのです。

何より、ワクワクして「楽しい」のであります。入選したら・・などといった楽観的非現実な想像はしたしません。安い中古品の印材に向かって作品作りに没頭できる、そして自分の篆刻の技量や世界がもっと広がっていくのだと思うと、それだけで至福なのです。


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