ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

アダムのリンゴとイージス艦

2007-02-21 13:47:14 | Weblog
 皆様、突然ですが「イージス艦」というものをご存知でしょうか。
アメリカが誇る、高性能な戦闘能力を持つ戦艦なのですが、日本にも数隻ございます。
 イージス艦「こんごう」などがそれなのですが、今まで私は、イージス艦の心臓部にあたるコンピュータシステムの名前が「イージスシステム」なので、「イージス艦」であると思っていました。
 しかし、ある雑誌で「イージス艦」の名前の由来が書いてありました。
ギリシャ神話に出てくる、最高神「ゼウス」が、娘「アテナ」に送った盾がありました。
その何者からも身を守れる盾の名前が「イージス」だったのだそうです。

 私は、「なるほど。」と思うと同時に、「欧米人は神話好きだな。」
と思ってしまいました。

 フランス料理やイタリア料理では、「リンゴ」の名前が見え隠れするものがあります。
アダムとイブの話に登場する果物なので、神聖化しているのだと思われますが、
気をつけて見てみるとよく出てきます。
 例えば、イタリア料理ではトマトの事を「Pomodoro(ポモドーロ)」と言います。
トマトソースは「Salsa di pomodoro(サルサ ディ ポモドーロ)」ですし、
トマトソースのスパゲティは「Spaghetti al pomodoro(スパゲティ アル ポモドーロ)」です。
「Pomodoro」は、「Pomo di oro」がくっついた言葉で、「pomo」はりんごの意味、「oro」は黄金の意味、「di」は接続詞になりますので、「黄金のリンゴ」ということになります。
フランスではトマトの事は「tomate(トマテ)」と言いますが、別名「Pomme d’amour(ポム ダムール)」とも言います。
訳すと「愛のリンゴ」ということになります。いかにもフランス人らしい表現ではないでしょうか。
その他、じゃがいもは「Pomme de terre(大地のリンゴ)」などと呼ばれていますが、リンゴも大地から生えているでしょう、などと野暮な事は言わないようにしましょう。
 日本には、ソノ手の話しはありませんから(宗教が違うので当然と言えば当然)、リンゴの話しは出てきませんが、海外と共通なのは、料理の名前に人名が出てくる事でしょうか。
 今は誰でも知ってる「カルパッチョ」はイタリアの画家の名前ですし、フランス料理で「パルマンティエ」と付けばじゃがいも料理の事です。
因みに、パルマンティエさんは、フランスにじゃがいもを広めた人です。
日本では、ゴマを使った料理に「利休」と付く事があります。
利休さんは、ゴマが好きでよく料理に使っていたからだそうですが、それならば、
今話題の「セサミンEX」も「利休薬」みたいな古風な名称をつけていただきたいものです。
コメント
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