風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/レヴェナント(蘇えりし者)

2016年10月01日 | 映画

「レヴェナント(revenant)」とはフランス語から派生した「黄泉の国から戻って来た人、亡霊」といった意味だそうです。


舞台は、1823年、西部開拓時代のアメリカ北西部だそうです。
江戸時代末期の日本の社会も私達はほとんどイメージできないのですから、その当時のアメリカ社会がどんなだったか
全く想像できません。
この映画は、作品内容以前に、これまで再三アカデミー賞にノミネートされながら無縁であったディカプリオが、
主演男優賞を取ったこと、撮影の自然環境の厳しさ、出演者・スタッフがその厳しい自然と真っ向から向き合ったこと、
撮影・カメラワークの特筆さ・見事さ、などの方が話題になりました。
そして坂本龍一の音楽です。風の音のように重厚の低音がズンズンと響き、体を刺激します。
当初カナダでの撮影が予定されていたそうですが、地球温暖化の影響でしょうか雪不足のため、ロケ地が急きょ、
南アメリカ大陸の南端部のアルゼンチンのティエラ・デル・フエゴに変更されたそうです。

グリスビーに襲われるシーンはどのように撮影したのかわからないほど巧妙でしたし、
凍れる川の中にながされるシーンなどの撮影はどのようにしたのでしょうか、

それらはとても迫力の在るリアリティーさでした。
ストーリーは実話にベースを置いているそうですが特別工夫されているとは言えません。
余りに超人的生命力に作り物過ぎるとの印象がぬぐい得ません。
息子を殺した男への復讐への執念だけが彼の生の支え、源なのですが、その根底にはネイティブへの差別・偏見に対する
彼の怒り・抗いの精神性があると私は思います。
彼らが英語を話さず彼らの言語を使い、英語の字幕が付いたのはとても良かったと思います。
そこには、制作者の彼らへの優しさ・尊厳があると感じました。しかし、157分は長過ぎます。  【9月26日鑑賞】


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