■製作年:2014年
■監督:マーク・ウェブ
■出演:アンドリュー・ガーフィールド、エマ・ストーン、ジェイミー・フォックス、デイン・デハーン、他
GW公開の映画の目玉の一つは「アメイジング スパイダーマン2」。私はハリウッド大作映画は、完璧にエンターテイメントとして練り込まれすぎた脚本と凝り過ぎた映像表現(全く隙がなく逆にウンザリしてしまう)、そしてCG多用の人工的な画面(ありえない映像の連続でこれもウンザリしてしまう)によりあまり好きではありません。しかし、このスパイダーマンは何故か惹かれるものがあります。それは前作のシリーズにおいてサム・ライミ監督が制作した「スパイダーマン」を見たとき、人間くさく描かれており、好感を持ったからかもしれません。ただ惹かれるといっても映画館で見る「スパイダーマン」はこれが初めてなのですが…。スパイダーマンがビルの谷間を颯爽とフライングしていく映像は爽快で映画館の大画面で見るとその印象豪快です。もちろんそれはCGによって作られた映像で私としては好きでない感触の映像なのですが、ジェットコースター感覚で空中でスパイダーマンが身体を捻りながら宙を舞うため、独特の感覚が出ていてその映像については気持ちよさを感じてしまいます。
それはひょんなことからクモの遺伝子を体内に取り入れてしまい超人的な能力を身につけつつも、ただ者ではなくなってしまった悩める青年が、葛藤しながらも街で発生する暴力・悪の撲滅のため、スパイダーマンとして奇抜なコスチュームを纏いながら疾走していく姿を投影しているように見え、そのジェットコースター映像にヒーローへの共感を感じるのだ思うのです。基本的にスパイダーマンは<異形>の存在です。人間の姿をしていながらも、最早、人間ではありません。そこにスパイダーマンの哀しみがあります。望んでなったのではない<異形>の存在。映画では、愛、希望、誇りといったテーマが根底にあり、スパイダーマンが挫折しながらも立ち上がり強い意志でもって完貫されていく様子が描かれています。人間的な弱さも持ちながらも、最終的には遥かに人智を超えたところで想像を絶する活躍をするスパイダーマン(映画の中の話ですよ)。
<異形>ゆえに大衆(大衆とは私自身のことと言ってもよい)は、自分たちとは別物として認識し、ヒーローとして大衆に受け入れ、そして最終的には大衆に消費され犠牲となっていくのでしょうか?マーベルのアメコミ・ヒーロー映画なのに観ながら話とは関係なく、そんなことを考えてしまいました。なんて書いてしまうのは飛躍のし過ぎ??
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