飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

ムーンツリーが花咲頃に・・・

2011-08-22 | Weblog

先週の金曜日、以前勤務していた会社の部下だった女性Kさんに、池袋の「明日館」という場所へ“ひまわり”を見に行きませんか?と誘われて会社の同僚、コピーライターのHさんご夫妻とともに行ってきました。なぜ“ひまわり”かというと、今回の原発事故で問題となっている放射性物質による土壌汚染の除去のシンボルとしてその花があるということなのです。放射性物質の一つ、原発事故後私たちもすっかり耳に馴染みとなってしまったセシウムは土中にあるカリウムと性質が似ているため、植物はカリウムの変わりにセシウムを取り込みやすい、なかでも“ひまわり”はその能力にすぐれていてチェルノブイリ原発事故後の実験でも研究されたそうです。

 

JAXA(宇宙航空研究開発機構)の山下教授という方が、福島の復興支援のひとつとして、その“ひまわり”の力で放射性物質を除去できないかということを実証研究されているとのこと。実際に、避難地域となっている伊達郡・川俣町、双葉郡・葛尾村、浪江町の何カ所かの田や畑で試験的に“ひまわり”を栽培し、どれほどセシウムが取り込まれるか、またその“ひまわり”からどれくらい放射線がでてくるかを調べているそうです。収穫後に土壌のセシウムがどれほど減ったかをみれば、土壌の浄化に何年かかるかも推測することもできるといいます。ただ、逆のリスクもあって放射線量の多い場所で“ひまわり”を植えたり収穫する際の問題や、“ひまわり”にたくさんの放射性物質が取り込まれたときにそれを安全に処理するという問題も同時にしっかり考慮していかねばならないとしています。山下教授が提唱されたこの「ひまわり作戦」は、福島をはじめ全国から反響があり、新聞で紹介されたり農水省もひまわりの実験を開始したということです。

 

それに共感したプランナーの三好和彦さんという方が、山形村山農業高校が搾油用に開発した<ムーンツリー>という高さ3mで花が30輪位咲く“ひまわり”があって、それを復興のシンボルとしていろいろな場所で植えていこうという活動をされているという。今回、池袋の「明日館」の“ひまわり”もその一環としてそこに植えられているとのこと。Kさんは三好さんと知り合いで、“ひまわり”見学のお誘いが私にもあったわけです。その場所、池袋の「明日館」は初めてでしたがとても雰囲気のある所でした。リーフレットによると「婦人之友」を創刊した羽仁夫妻が、大正10年(1921年)に女学校「自由学園」として創立された建物とのこと。設計はあのフランク・ロイド・ライトが担当しているといいます。どうりで建物に趣というか格調がある感じがしました。この建物は重要文化財に指定されているのですが、使ってこそ価値があると動態保存として一般にも貸出もされているそうです。

 

その明日館の庭に植えられている「ひまわり作戦」のシンボルとしての<ムーンツリー>は、あいにくまだ蕾の状態でしたが、確かにその葉の先には何個ものひまわりの蕾を見ることができました。おそらく数日もするとたくさんのひまわりの花をさかせるのでしょう。当日は、館の主催のイベントでミニコンサートなどもあり楽しい一時を過ごしました。こうした「ひまわり大作戦」のような地道な活動が、底力になって日本の明日の<安心>を形創っていければいいなあと思うばかりです。

ひまわりと言えば忘れられないのが映画の「ひまわり」、秋になるとリバイバル上映もされるようですね。

ひまわり HDニューマスター版 [DVD]
ソフィア・ローレン,マルチェロ・マストロヤンニ,リュドミラ・サベリーエワ
エスピーオー
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