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■製作年:2007年
■監督:デイヴィッド・クローネンバーグ
■出演:ヴィゴ・モーテンセン、ナオミ・ワッツ、ヴァンサン・カッセル、他
デイヴィッド・クローネンバーグ監督の「イースタン・プロミス」を見ました。私の世代としては「スキャナーズ」や「ビデオドローム」などカルト映画の監督として知られているクローネンバーグ監督ですが、これがなかなかの骨太な作品で面白い作品でした。正直予想を裏切る出来で、もしこれを映画館で見たらさらに印象深いものになっていたかもしれません。ドラマとしてもしっかりしているし、強烈な見せ場もある、役者の演技もいい、さらにクローネンバークの特徴でもあるグロテスクな残虐シーンもあるということにより、印象に残るなというほうが無理というものでしょう。
舞台はイギリス、そこに暗躍するロシアン・マフィア。タイトルのイースタン・プロミスとは人身売買のことで、映画ではそこのアジトで売春が行われる実態が暴かれていきます。ただ、その展開がクローネンバーグということもあり一筋縄でいかない残虐性が映像として提示されるわけです。マフィアの彼等は古典的武器であるナイフを使い相手に襲いかかります。勢いナイフで切り裂かれた喉元など血の雨が画面に降り注ぎます。その映像は鋭利なナイフで切り裂かれる肉体を見せるため観客の側に言いようもない痛さと嫌悪をもよおさせるのです。とにかく映像がえげつない。以前もカーペンター監督の映画について書いたときに、若い頃はそうした血飛沫飛ぶ残酷な映像は平気に見られたのですが、どうもこの歳になるとそうした映像は遠慮したくなる傾向になっている。年齢によって好みや許容は変わるものなのだということです。できるなら見たくない、でもそれがクローネンバーグらしさなので…。
得に見せ場であるサウナにおける決闘は壮絶そのもの。肉体的な痛みを感じさせる映像でした。なかなかここまでリアルで激しい映像はそうはありません。闘っている男は全身に入れ墨を入れているのですが、ロシアン・マフィアはその勲章として全身に入れ墨を入れ、その入れ墨が彼の極悪のプロフィールのような役目をはたしているようです。クローネンバーグ監督は、生身の全裸の肉体、全身への入れ墨、刃物による殺傷と基本的にはヴァーチャルな映像世界に「痛てぇ!」と感じさせるような血の躍動のような感覚を盛り込んでいます。
ヒロインは助産婦でロシアン・マフィアと接触していくことになる役を演じているナオミ・ワッツ。彼女がなかなかいい。日本人好みの顔をした女優ではないか?と私は勝手に思っているのですが、彼女のジーパン姿がいい感じ。ちなみに、主演のヴィゴ・モーテンセンの演技は文句なしでしょうね。残酷描写にひいた所もありますが印象にに残る映画でした。
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