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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

精神の極北そして鬱の森#9・・・映画「エピデミック 伝染病」(監督:ラース・フォン・トリアー)

2012-03-05 | Weblog

■製作年:1987年
■監督:ラース・フォン・トリアー  
■出演:ラース・フォン・トリアー、ニルス・ヴェアセル、ウド・キアー、他

 

ラース・フォン・トリアー監督の「エピデミック」を見ました。監督にとっては長編2作目の作品で伝染病をテーマにしたものです。画面はモノクロで相変わらずの凝った映像が展開されます。作品にはラース・フォン・トリアー自身も監督役で出演し、現実と映画がクロスする夢とも幻覚とも区別がつかない感じです。というか見る側が相当歩み寄っていかないとなんだかわけのわからない映画になっています。あまりに実験精神に富みすぎちゃっているかと。最初からこれは実験的なイメージフィルムなんだと思えばもっと見方も変わってくるのでしょうけれども。公開当時、批評家からは最低な作品と酷評されたみたいですが…。

 

伝染病をテーマとしているのですが、原発事故による放射能汚染の問題を考えると同じ目に見えない恐怖であり、どこか日本の抱えている問題に通じるものがあるなとは、見ていて思いました。わからないから医者の権威が際だったり、防御壁を作って汚染地域を隔離したり、汚染地帯へあえて足を踏み入れる殉教者がいたり、極端ではありますが人間の心理的行動について断片的に興味をそそられる場面もありました。また病院という設定とそれを笑ってしまうような感覚は、どこか後のトリアー監督の作品「キングダム」に通じていくような雰囲気とユーモアを持っている映画とも思いました。

 

 

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ラース・フォン・トリアー
コロムビアミュージックエンタテインメント

 

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