■製作年:1970年
■監督:澤田幸弘
■出演:原田芳雄、地井武男、梶芽衣子、佐藤蛾次郎、藤竜也、他
奇しくも原田芳雄の追悼企画のような形になってしまいましたCS放送の「日本映画専門チャンネル」における原田芳雄出演作品の連続放送企画。私も連続して見ることができるので楽しみにしていたが、まさか天国に逝かれてしまうとは思いもよらず…。日本映画専門チャンネルのこの企画、私が今現在で見れたものをアップしようと思います。
まずは「反逆のメロディー」。1970年の作品ですから私は当時9歳です。原田のはの字も知らなければ、当時それを見ても彼のかっこよさはわからない年代です。むしろ以前にもこのblogでも書いた「ハレンチ学園」の映画の方に興奮してしまう年頃でしょうか…なんて。映画の舞台は鹿島。周りは田んぼだけ、その中にドカンと建っているソープランド、そこを原田芳雄が演じるヤクザが襲撃する場面があるのですが、田舎の海岸地帯が高度成長期により重化学コンビナートへと変貌し、急激に雇用が増え人口も増え環境を大きく変えたその歪みをどこか表してしるような気がしました。
我が原田芳雄の出で立ちは、ヤクザという役柄にもかかわらず、裸にGジャンを羽織りジーンズ、サングラスをかけてという若向きの姿。これが当時の最新のファッションであったのか?しかし、原田芳雄はジーンズやGジャンをラフに着こなすのが似合っているなあと感心。この原田の仲間にアウトロー達、地井武男、藤竜也、梶芽衣子、佐藤蛾次郎などが絡んできます。彼等はさしずめ新世代の若者達で、映画のタイトルにある<反逆>とは世代闘争を指しているかのようです。60年安保を経て70年代に入り新しい価値観、自由を求めて、ただただ<反逆>というキーワードで牙を剥く若者、そんな感じでしょうか。
「11時15分、俺達はダチ公よ。」と今では歯が浮いてしまうような台詞を言って原田芳雄と地井武男が腕時計を交換し仲間となったことを確認しあう印象的な場面があります。見知らぬお互いがインスピレーションで仲間となっていく感覚を象徴的に表現しているのですが、公開当時はそれがカッコイイと映ったんでしょうね。人のやっていることは時代に関係なく変わらないものの、情報とコミュニケーション手段の変化によりそれが色褪せて感じるのは、今月中ごろに書いた「ぴあ」首都圏版廃刊ではないですが時代の流れを感じずにはいられません。ところで、ラストに原田芳雄が銃撃され野良犬のように死んでいくのですが、これはきっと「太陽にほえろ」でショーケンや松田優作の殉死の場面に影響を与えているに違いないと思いました。
反逆のメロディー [DVD] | |
原田芳雄,藤竜也,地井武男,梶芽衣子 | |
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