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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

鬼才、天才、オタクのタランティーノ映画#5 「レザボア・ドッグス」

2012-02-10 | Weblog

■製作年:1991年
■監督:クエンティン・タランティーノ  
■出演:ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、クリス・ペン、スティーヴ・ブシェーミ、他

いきなり映画の始まりは意表をつくマドンナの「ライク・ア・バージン」について黒のスーツ、黒のネクタイのいかにも厳つくいかがわしい男らが猥褻な言葉を交えながらそれぞれが勝手な解釈をしている会話の映像であります。クエンティン・タランティーノ監督の「レザボア・ドッグス」は後の彼の作風を予言、象徴しているかのような場面から始まるのでした。いかれた野郎(女も含む)達?のヨタ話の面白さ、オタク性もあり、ありそうな話題で、差別用語を連発する…、そんな会話こそタランティーノの作品を特徴づける大きな要素ではなかったか。

 

続き、ヨタ話をしている6人組の怪しい男らのメンバーの一人がチップを払うのは納得いかないと言い出す。それについての議論が始まる。話の本流とははずれている一見関係ない枝葉の余分とも思える部分、しかし、この人物はこうゆう発想をするのかという性格描写の新鮮な描き方のユニークさ。この部分にもタランティーノの大きな特徴を見てとることができるという案配。どこか変な人物達の変な考え、それは譲れない大切な考えオレ流の崇高な理念を持っているのかも知れない、でも以外とそうした独特のこだわりを持った人物は身近にいるんじゃないのか?というタランティーノの問いかけなのだ。話は終わりレストランを出ると男らはサングラスをかけて颯爽と歩きだす。フィルムノワール調でスタイリッシュな映像とともにタイトルがインします。新鮮にしてカッコイイ出だしだ。よく言われること、処女作には全てが詰まっている?そんなことを感じさせる映画の始まりなのであります。

 

 

この怪しい男らは宝石店強盗の一団であることがわかってくる。実はお互いの面識はなくあだ名というかコードネームで呼び合っているのですが、ミスター・ピンク、ミスター・オレンジなどという名前もあってどことなくユーモアがあるのです。ところで、タランティーノの映画には暴力描写がつきものです。この映画も派手な銃撃はなくとも、やっぱり残酷なシーンがありました。血糊の量がハンパない。耳を削ぐというシーンもあります。それはこれまで何度も書いているように、私にはちょっと嫌だなと年齢的に?敬遠してしまうところがあるのですが、それを差っ引いてもこの「レザボア・ドッグス」は構成や人物描写の妙の面白さが全編を通してあります。元々は16ミリフィルムで撮影しようとした企画を主演したハーヴェイ・カイテルが脚本を読み、劇場公開する映画へと実現を手助けしたという展開が映画制作の裏にあったそうです。クエンティン・タランティーノは出るべきして映画界に登場したということか、いわば映画の申し子のような存在といっていいのかもしれませんね。

 

 

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