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2015ギリシャ危機からの一週間

2015-07-03 23:26:56 | 経済
6月29日から始まった2015年版ギリシャ危機から、早くも日本経済が立ち直りを見せている。
一時は600円近い今年一番の下げ幅を記録するなど、混迷の状態が続くように思われたが
一日経てば、あっという間に回復を遂げた。 喉元を過ぎれば辛さなども忘れるもので日本から
距離のあるギリシャ経済を遠い目で眺める国内投資家も多かろうと思う。

具体的な数字を見てみれば、ギリシャがIMFに返済しなくてはいけない金額が2100億円だとされて
いた。其れなりに莫大な金額だがその頃日本では東京電力民間企業のひとつにに震災後の支援金として
9500億円が国に要求されるわけで比べてみるとギリシャ国家の2100億円に対し日本の一民間企業に
9500億円という桁違いの経済力の差を感じぜずにはいられない日本の経済大国振りです。

長期的な流れではギリシャには6,8兆円規模の財政支援が必要なようで震災で120兆円規模の復興財源が
必要な日本とはこれまた経済力の差を増々感じる今日この頃です。
しかもこの復興財源の120兆円がいつのまにか70兆円に減らされている状況には敢えて目を瞑ろう。
話せば長くなるしメンドクサイ。

ではでは包括的にギリシャ危機からの一週間の日本経済を見てみると株価は20000代をキープしています。
為替は一時期に1ドル/124円台から122円台に円高進行をしました。
現在10週連続で原油価格が上昇し、為替も円高進行をしても株価が下がらない関係にあります。
良い意味で円安株高のトレンドは縮小しております。

世界的には原油価格の下降(ガソリンの小売価格)と為替円安が極端に進行したリーマンショック前の状況とは
相反する関係にあります。一時の円安≠株高の流れは徐々に収まり、量的緩和政策が実質経済に効果を
及ぼしている結果だと思います。これをみると2014年10月の日銀黒田総裁の追加支援策(黒田バズーカ)は
成功を納めていると考えることが出来ます。

特にこの為替円安に対しては国内企業も考えがあるらしく海外でのM&Aが加速して
内需離れと国内産業の空洞化を見せようとしていますが、そんなのお構いなしだ、麻生太郎に何と云われ様と
聞く耳を持たず、企業は内部留保と海外への進出を念頭に行政の思惑とは別の方向に進んでいく道を
選択しだした。実はこの流れに行政は付いて行けてない。政府に対する信用が厚くない為かも。

行政はケアンズの保護貿易でも企業はリカードの比較生産費説が重要であり、内需なんてそうそう宛てにはならない、
ましてや2017年には消費税10%もあるのだから内部留保と海外に生産拠点を移行させるのはセオリーだ。

ギリシャ危機からの世界経済の不安は日本にとって原油価格の高騰と円安株高のトレンドの縮小でなんとなく和らぐ傾向にある。
次は2015年9月頃かと予想されるFRB米国の利上げによる変化に対応することが望まれる。

本来ならば海外でのM&Aは為替を利用して円高の方が行い易いのだが、今の120円台の円安為替でも
日本企業が海外へ投資しようとする流れは先々に訪れる増税の影響と内需割れを予想しての部分が大きい。
そして何よりもTPPによる関税の引き下げが行われれば日本に輸入品や逆輸入が増えることは解りきっている。

ADB開発銀行に日本のメガバンクが融資を行うということはこうした国内企業の海外投資を助長させるもので
あることも忘れてはならない。AIIBに対抗するADBに日本、米国、世界銀行の3つでは融資に限度があるので
融資元を増やす事を良策と観ている内はこの海外投資は減らないだろう。

金融のADBと流通のTPPの2つの局面を米国に抑え込まれているなぁーと思ってしまう。
何よりも今の行政よりも企業の方が一枚も二枚も上手である。ギリシャでも日本でも企業を
どのようにしてコントロールできるかが経済の注目どころです。







コメント
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