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【art】「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ - ピュリスムの時代」鑑賞@国立西洋美術館

2019-04-30 23:22:06 | art

🎨【art】「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ - ピュリスムの時代」鑑賞@国立西洋美術館🎨

 

 

世界遺産に登録された国立西洋美術館。その開館60周年を記念して、設計者であるル・コルビュジエの展覧会が開催中。建築のことは全く詳しくないけれど、建物や家具などのデザインを見るのが好きで、ル・コルビュジエにはとても興味があった。しかも、国立西洋美術館の本館での展示ということであれば、これは見に行かなきゃ! ってことで、見に行ってきた~

 

とはいえ、ル・コルビュジエ(Wikipedia)については全く詳しくない。建築家というイメージしかなかったので、今回も彼が設計した建物や家具などの展示がメインなのだと思っていた。実際は副題にあるように絵画から建築への流れを紹介するもので、いわゆるピュリスム(Wikipedia)運動をしていた時期の作品がメインだった。恥ずかしながらピュリスムのこともよく知らなかったのだけど、ピカソ(Wikipedia)に代表されるキュビズム(Wikipedia)を批判する形で登場したものの、方向性は一緒で1921年の「ピュリスム絵画」以降はキュビズムの画家たちと交流したとのこと。自分の感想としてもキュビズムとピュリスムの区別はあまりつかなかった💦

 

前置きが長いわけだけど、個人的にキュビズムは苦手💦 なので、正直延々と続くシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ時代の作品や、一緒に活動したアメデ・オザンファン(Wikipedia)の作品には惹かれるものがあまりなかった。ごめん🙇 ということで、いつもどおり感想Tweetに追記する形で感想記事とするけれど、あまり積極的に作品紹介はできないかも。

 

 

展示は1階から。通常は常設展のスペース。吹き抜けの小さめの展示室があり、スロープを上がった先から時計回りにぐるりと1周回る感じ。全体的には結構な広さ。展示品数も多かったと思うけれど、前述したとおりピュリスム時代の絵画が中心。ピュリスムは1918年にシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ(ル・コルビュジエ)とアメデ・オザンファンが絵画展を開き、その際「キュビズム以後」という本を出版し、キュビズムを批判したのだそう。1920年10月には雑誌「エスプリ・ヌーヴォー」を刊行、これは1925年まで続く。

 

4つの章に分けてピュリスムの誕生から終焉、そしてピュリスム以降のル・コルビュジエを見せる。よく知られているル・コルビュジエというのは最後の章ということになる。ピュリスムの誕生から全盛期までは、正直あまり変わり映えの無い静物をキュビズムっぽいデフォルメした形で描いていく作品が続く。前述したとおり自分はキュビズムが苦手なので、これらの作品も正直苦手だった。ただ、ピカソの作品も展示されていたけれど、それを見るとキュビズムよりは柔らかさが感じられた気がする。色合いもパステルカラーだったりして、自分的にはコチラの方が好き。

 

全体的に点数は多いけれど、共に活動していたアメデ・オザンファンの作品と対比して展示してあることもあるし、キュビズムの画家たちの作品も多いので、シャルル=エドゥアール・ジャンヌレの作品としても展示数の半分くらいな印象。よく知らずに見に行ってこんなことを言ってしまうのは心苦しいのだけど、あまり興味が持てない作風の似たような構図の作品が続きちょっと辛かった😅

 

 

アメデ・オザンファン「瓶、カラフ、ヴァイオリン」

 

シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ「ランタンとギターのある静物」

 

ただ、同じピュリスムでもアメデ・オザンファンが平面上のバランスを重視したのに対し、シャルル=エドゥアール・ジャンヌレは三次元的空間の表現を重視したそうで、アメデ・オザンファン「瓶、カラフ、ヴァイオリン」とシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ「ランタンとギターのある静物」など、同じ題材の2人の作品を並べることで2人の違いを認識できた部分はある。その辺りを考えるとよく考えられた展示だとは思う。そして、この三次元的空間の表現が後に建築への道に進むことにつながったのかなと思うと興味深かった。

 

あと、ピュリスム運動の支援者であるラ・ロッシュに対し、その支援の見返りとしてコレクション作品集めに協力したという話もなかなか興味深かった。「ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸」の1/30模型も展示された。こうして見るとやはりピュリスムの思想が建築物にも反映していることが実感できたりする。

  

 

1922年にベスニュス邸を設計したことなどにより、徐々に建築家としての認知度が上がってきたこともあり、従兄弟のピエール・ジャンヌレ(Wikipedia)と建築の仕事を始める。この辺りからアメデ・オザンファンとの考え方の違いが生まれたのかな? 1925年7月末にアメデ・オザンファンから「エスプリ・ヌーヴォー」から手を引くという手紙が届き、これによりピュリスム運動に終止符が打たれる。

 

ル・コルビュジエ、シャーロット・ペリアン、ピエール・ジャンヌレ「寝椅子(シェーズ・ロング)」

 

シャルル=エドゥアール・ジャンヌレは建築家へとシフトし、絵画は趣味的に描いて行くが署名はル・コルビュジエとしていたそうなので、絵画も含めてル・コルビュジエの作品であるということなのかな。1920年頃から家具デザインも手掛ける。1928年に事務所に迎えたシャルロット・ペリアン(Wikipedia)が大きな役割を果たしたのだそう。彼女が開発に関わった「寝椅子(シェーズ・ロング)」はその代表的な作品。これは"休養のための機械"と呼ばれたそうで、弓形フレームは姿勢に合わせて動くのだそう。これは現在も売られている有名な椅子だよね😌 スツールは4点展示してあって、どれも金属フレームを生かしたシンプルなデザイン。この辺りもピュリスムの考え方が反映しているように思った。

 

ル・コルビュジエ「サヴォワ邸」

 

建築家としてのル・コルビュジエの代表作といえばやっぱりサヴォワ邸なのでしょうかね。パリ郊外のポワシーに建つこの邸宅は、新しい建築の5つの要点全てを満たしているのだそう。とはいえ、新しい建築の5つの要点の記載がなかったのでよく分からない💦 調べてみたところ、これは近代建築の五原則(Wikipedia)というそうで、①ピロティ、②屋上庭園、③自由な設計図、④水平連続窓、⑤自由なファサードなのだそう。なるほど🤔 地上階から屋上へ至る部分を"建築のプロムナード"と呼んでいたとのこと。やっぱりこの無駄のないデザインはとても好き😍

 

 

建築家ル・コルビュジエの企画展だと思って行くと全く違う。何度もしつこいけど個人的には好みの作品とは違った。でも、やっぱりこのル・コルビュジエが設計した国立西洋美術館本館での鑑賞ということに尽きるのかなと思った。 

 

 

 

 

 

 

1階の展示は模型展示が数点と、映像展示、そして設計図と写真。模型は日本の研究室などが作成したもので、ル・コルビュジエやその関係者が作ったわけではないのかな? この展示室にあるものは撮影可能。とはいえ、これガラスケースに入っているので、自身が映り込んでしまったり、そこそこ混んでいたので人が入ってしまったりで上手く撮れない💦 ということで、結構な枚数撮ったけれど、この4枚のみUPしておく😌

 

 

 

 

 

建物自体も撮って来た! これもやはり人が入り込んでしまうのでなかなか難しい😣 この吹き抜け部分とスロープ部分がとても素敵✨ 

 

 

 

グッズはいろいろあって、ル・コルビュジエだけでなくアルヴァ・アアルトの椅子などが組み立てられるポストカード?などもあり気になったのだけど、サヴォワ邸がデザインされたポストカードのみ購入してきた😌

 

いくつか作品番号と順番が違う展示がされていてやや見づらかった印象。とはいえ、ぐるりと一周回って見ていくと、シャルル=エドゥアール・ジャンヌレがル・コルビュジエとなるまでの過程が良く分かる展示は見やすかったと思う。諸事情あって、GW初日の土曜日14:00頃と一番混みそうな時間に行ってしまったので、会場内はそこそこ混んでいたけど、広さもあってか混みあって見えないということはなかった。

 

何度もしつこいけれど、建築家ル・コルビュジエの企画展という感じではないので、そこを期待すると肩すかしだと思う。ル・コルビュジエ本人に興味のある方には楽しいかもしれない。キュビズムやピュリスムに興味がないと厳しいかも😅 

 

🎨ル・コルビュジエ 絵画から建築へ - ピュリスムの時代:2019年2月19日~5月19日 @国立西洋美術館

ル・コルビュジエ 絵画から建築へ - ピュリスムの時代


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