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【art】「肉筆浮世絵 美の競艶」鑑賞

2016-01-12 00:10:19 | art

【art】「肉筆浮世絵 美の競艶」鑑賞

見てます!素晴らしい!! (@ 上野の森美術館 (The Ueno Royal Museum) - in 台東区, 東京都)

とにかく保存状態が素晴らしい!今描き上げたかのような色、線、そして細かい柄!版画も素晴らしいけど、肉筆の迫力はスゴイ!!

 


ザックリした感想はtweetどおり。とにかく全体的に保存状態が素晴らしいのにはびっくりした! 今回の企画展で見れる作品は、シカゴの日本美術収集家ロジャー・ウェストン氏の個人コレクションとのこと。なんと、収集を始めてから20数年とのことで、その数の多さに驚く。近年に江戸時代の肉筆画がこれほど取引されているものなのね これだけの状態を保って保存してくださっているからには、きちんとした方に所有していただいているということなのでしょうけれど、日本の宝が海外にこれほど流出しているというのも複雑・・・(´ェ`)ン-・・


前期・後期展示を合わせて約130点が見れるということで、これは圧巻の展示だった。彫師と摺師の技が冴える浮世絵版画も大好きだけど、絵師の筆さばきが感じられる肉筆画の迫力はスゴ! 点数が多いので全ての感想を書くのは無理。なので、気になった数点を上げて、企画展の感想とする。

 

懐月堂度繁 「立姿遊女図」 

 

懐月堂(懐月堂度繁|Wikipedia)というのは、例えば輪郭線担当、青専門の彩色師などが分業して量産した、完全分業制の肉筆画専門の絵師集団だったのだそう。現在価値で言えば肉筆画は1枚2万円程度していたものを、7千円程度で販売していたとのこと。なので、価値としては一段下がるのかもしれないけれど、この太い輪郭線の美人というには逞しい感じの女性が結構好きだったりする。きっぷの良さを感じる。

 

祇園井特 「立姿美人図」


祇園井特(Wikipedia)という絵師については全く知らなかった。ちょっと体のバランスなどが変かな?と思ったりもするのだけど、江戸時代の絵師とは思えないリアルな表情にビックリした。とっても現代的。江戸時代というよりは、上村松園とか鏑木清方の時代の絵師と言われても納得するような感じ。この作品のキリリとした表情が好きだった。 

 

喜多川歌麿 「西王母図」

 

この作品、ウェストン氏が最近入手したそうで、今回の展示に合わせて鑑定し、喜多川歌麿(Wikipedia)の肉筆画であることが判明したのだそう! 歌麿といえば美人画で、作風としては儚げで艶めかしいという印象。だけどこの方、ふくよかで貫禄がある。どうやら西王母(Wikipedia) というのは中国の仙女だそう。もしかしたら、仏画のような感覚で描いたのかな? 観音様に見立てたというような・・・ 意外な歌麿作品。


 西川祐信 「髷を直す美人」


西川祐信(Wikipedia)という絵師についても知らなかった。この作品かなり好き。今日の一枚の次点。このふくよかな胸! 薄衣から透けた腕や体のライン。そして裾からのぞく足先や、衣から透ける足首など、とっても艶めかしい。これだけ胸をあらわにしていても、いやらしい感じがしない清々しいエロティシズム。エロティシズムに清々しいというのも変な感じだけど(笑) それは、この女性の表情によるものかも?

 

 河鍋暁斎 「一休禅師地獄太夫」

 

去年「画鬼・暁斎 KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」(感想はコチラ)で見た河鍋暁斎(Wikipedia) やっぱり迫力ある! 何故一休禅師(Wikipedia)と地獄太夫(Wikipedia)なのだろうと思ったら、一休宗純が地獄太夫の美しさを称えた歌を送ると、地獄太夫はこれに見事に返歌したことから、師弟関係となったからなのね 全く知らなかった。骸骨が三味線を弾いてるコミカルな構図だけど、嫌いじゃない(笑)

 

【今日の一枚】

葛飾北斎 「美人愛猫図」

 

そして、今日の一枚は葛飾北斎(Wikipedia)の「美人愛猫図」 この艶めかしさったらない。猫が全くかわいくないのが気がかりだけど、このはだけた胸の白さとか、うなじの美しさとか、生え際の感じとか、着物のラインとか・・・ もう言いたいことはたくさんあるけど、本当に美しくて艶めかしい。北斎は今作も含めて3点ほど展示されていて、そのうち2点はさっと描いたようなタッチ。墨のかすれを生かした作品で、それも好きだった。でも、やっぱり今作の迫力は別格だった。やっぱり北斎はスゴイ!


今回の企画展では、作品保護に適したLEDライトを使用し、反射しにくいガラスを使っているため、自然光の中で見ているかのような展示となっているのだそう。確かに反射してしまって見にくいということがなかったように思う。肉筆画展示にありがちな薄暗い展示というのもなかった。技術の進歩って素晴らしい かねがね思っているのだけど、機会があるのなら絶対に本物を見るべきだと思う。本物が放つパワーはスゴイので。


これだけの点数の肉筆画を見れる機会はなかなかないと思う。全てが素晴らしい保存状態で、今描かれたかのよう。着物の柄まで細かく描かれていて感動。これは絶対見るべきだと思う!o(`・д・´)o ウン!!


肉筆浮世絵 -美の競艶:2015年11月20日~2016年1月17日@上野の森美術館

肉筆浮世絵-美の競艶(公式サイト)|ウェストンコレクション

 

こんな人いた!

 

 

展示室内にも浮世絵美人たちがパネル展示されていたけど、館内はもちろん撮影禁止。でも、外のこの方々はOK。自分の影写っちゃってる この方たち左は北斎の「美人愛猫図」、右は初代歌川豊国の「見立雪月花図」

 

 cafe MORI  

カフェで一休み

 

 

 

 


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