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ものづくりのための研究ノート048:質の担保とアメリカの医療の難しさ

2014-10-17 12:56:11 | ものづくりのための研究ノート
最近アメリカで医療関係のニュースといえばエボラの話題で持ち切りである。テキサスの病院でみた米国発の患者から2次感染が広がったこと、またそれが予想以上に広がる可能性が出てきたためである。

このケース、報道を見ているとアメリカの医療のウィークポイントがもろに原因となっている気がする。医療供給側のいろいろなレベルで質の担保ができていないということだ。テキサスの事例はそれをよく物語っているケースだと思う。

まず発端となった初発患者のケースであるが、初動から致命的なミスを犯している。西アフリカ出身の患者が、9月25日にテキサスの病院のERを受信した際、リベリアから渡米した直後であることを看護師に告げたにもかかわらず、「スタッフ間の連絡ミスが原因で帰宅を許された」ということだ。

ただこの時期、報道でもアメリカにエボラが上陸する可能性は示唆されていた(このpros current outbreakの研究を紹介する形での報道がなされていた)。連絡ミスでとすます危機感のなさがよくわからない。それでなくても全世界から人が集まってくる国である。普通は看護師が見逃していても、医師がきちんと渡航歴を聞いてしかるべきであったと思う。しかもこの患者には抗生物質が処方されている。結構抗生物質の処方はこちらはうるさいので、ペーペーの研修医だけでなく上級医が確実に見ているはずである。なにか最初のころから、operationのまずさが気になっていた。

最初は現場の医師個人の問題かなともおもっていたのだが、この病院一事が万事やっていることが変である。いつの間にか医療関係者の中に2次感染がでてきている。これもある報道によると、病院でトレーニングをちゃんとしていないし、機材もそろっていなかったという話だ(*)。

極めつけは、2次感染になった医療関係者が、体調が悪いことを相談していたにもかかわらず、飛行機を使った旅行に行かせている点である。なぜ止める人がいなかったのか?(**)

エボラの医療は難しいのは誰しもわかるが、以上に上げたように単純ミスとしか言いようがないことが連続して起こり、事態を悪化させている。これがすごく小さな病院ならともかく、ダラスという大都市のERのあるような大病院でさえこのレベルということがあるのだ。

アメリカの医療はすごいところはすごいのだろうが、質の担保がきちんとなされているのかは端々で気になる。

最近、近所のクリニックで知り合いが子供の肺炎を見逃されそうになった。医療関係者の両親がみて絶対におかしいからと、無理やりレントゲンをとったところ肺炎が見つかった。しかも最近エンテロウィルスD68による呼吸器疾患が流行っている状況である。クリニックの医師の危機感のなさにあきれる(***)

アメリカの医療の難しさというか、この国での医療の質の担保の難しさ、そしてコストのかかりすぎさは時として理解できない。

(*)Texas Nurse Says Hospital Should Be 'Ashamed' of Ebola Responseによると、

Aguirre entered the ward only after Duncan’s death and said she had to ask for a mop and start cleaning the floors with bleach herself when she realized no one from housekeeping was allowed to come in and clean the floors.

“The nurses were throwing their hands up and saying this is unbelievable,” she said of the isolation ward.

Aguirre also said the protocols from the U.S. Centers for Disease Control and Prevention were confusing and not clear. When Aguirre was given personal protective equipment that left her neck exposed, she was horrified.

ていう具合らしい。

(**)From bridal shop to Ebola ward: Who is Amber Vinson?によると、
誰しも「How did you not think this through? You know, if you're supposed to be quarantined, you're at a hospital where the Ebola is alive, what made you think it's OK to get on a plane?」
と思うのだけれど、
まわりに、止める人はいなかったらしい。

しかも彼女は、CDCにも相談したのらしいが、CDCの担当官も適当にOKしてしまったとか。。この危機感のなさというか、CDCの担当官の思慮のなさにも耳を疑う。

詳しくは以下ということらしい。

She was joined on her last flight to Texas by 132 other people. Centers for Disease Control and Prevention Director Dr. Tom Frieden said she never should have set foot on the last flight at least, but another federal official told CNN that no one at the agency stopped her.

Lawrence Vinson said there was no directive that she shouldn't have traveled.

In fact, he said a CDC official -- through an intermediary in Texas -- gave his niece the go-ahead to fly, even after learning that she had an elevated temperature of 99.5 Fahrenheit. Officials confirmed that she got the OK to fly, although there were questions about who contacted whom.


₍***₎しかもエンテロウィルスD68については散々報道されているにもかかわらず、あとになってクリニックに資料が届き始めてしったというから二の句が継げない。
ちなみに同クリニックでは、知人のお子さんの川崎病を診断できず、初期治療が遅れたこともある。

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