あなたにもできる!ハーバード留学!!~アラフォーからのボストン留学体験記

アラフォー研究者のボストン留学体験ブログ。
研究・生活・英語・ITを中心に留学ライフハックスをお教えします!

ものづくりのための研究ノート023:iPhoneで顕微鏡ができる?

2014-02-28 14:10:43 | ものづくりのための研究ノート






Mobile Phone Based Clinical Microscopy for Global Health Applicationsより)
今日セミナーで聞いたのだけど、最近の顕微鏡はどんどん複雑になるとともに、簡素化の道も進んでいるらしい。iPhoneなどのモバイルphoneにレンズをつけるだけで、そこそこいいデジタル顕微鏡になるようで、最近その論文もplos oneにでているのだとか。血液サンプル割とよく見えてますね。

途上国で、特に遠隔診断とかいいですね。
マラリアの確定診断のために途上国の現地でサンプルを染めて、メールで送って診断は専門医のいる他の国で行う。ちょっと前までは夢だったことがどんどんできそうですね。

どっかのメーカーがうりだしてくれないかしら?

アラフォーからのハーバード留学研究編024:Harvard-i Labのgrant writingワークショップに参加してみる

2014-02-28 13:10:25 | アラフォーからのハーバード留学研究編


https://loop.nigms.nih.gov/2010/07/より。

ビジネススクールに併設されているHarvard-i Labが主催するグラント writingセミナーに参加してみた。講師はImmuneticsというバイオベンチャーのCEOであるLevinさんという方、なんでもこれまでNIHのグラントを取りまくっている($40 millionとか)人らしい(以下のようにyoutubeに講演がアップされている)。


ターゲットはSBIR(Small Business Innovation Research)というアメリカののトランスレーショナルリサーチ向けのグラントの書き方のレクチャーであったが、基本のグラントとなっている、NIHのグラントに準じているため、いろいろな情報は別のグラントを書くのにも使えそうで大変参考になった(*)。

彼の論拠によると、グラントプロポーザルのメインゴールは、レビューアーに「こいつらに任せておけば大丈夫」と思わせることである。つまり欠点をなくすとともに、長所を伸ばすことが必要である(**)。

1)話の筋(storyline)が通っており、また一貫性があること。
2)多すぎず少なすぎないpreliminary dataがあること、可能であれば特許(innovationの指標になる)もあると望ましい
3)publication, collaboration, facility, reagentが利用可能もしくは少なくとも利用できるような状態になっていることを示すこと。
4)CV(biosketch),letter for supportなどの付加的な情報も最後の一押しをするようにつかうこと

などのポイントが繰り返し説明された。

また面白かったのはNIHなどのグラントで誰がグラントが当たるかを決めるファクターの話であった。
NIHのグラントを決めるのはoverall scoreの高さによるらしいのだけれども、これは単純にグラントプロポーザルの各構成要素の点数を足したものでなく、レビューアーの全体像に端する印象できまるものであるらしい。

ある調査で各構成要素の点数のうちどれと一番相関があるかを計算したところ、0.74 for approach, 0.54 for innovation, 0.49 for investigator and 0.37 for environmentとなるらしく、preliminary dataを含めた計画の部分がものをいうということであった。


なお具体的な注意点は、SBIRのPhaseIグラントをもとに行われた。

Phase I grantの構成は

Abstract 1 page
Specific aim 1 page
Innovation 1-2 page
Approach 3-4 page
Biosketchなど補足書類
のようになっており、それぞれ注意点は以下のようになっているようだ(**)

1)Abstract (Publically available)
The significance
The problems
The solution
The plans
の4つのポイントを上記の構成で、簡潔に書く。

2)Specific aim
1) Significance(重要性)
(例)シャーガス病は、アメリカの輸血での感染症の新しい脅威となっている
2) Problem and solution(問題の定義)
(例)シャーガス病の迅速検査キットを作ることで、輸血による感染を防ぐごとができる
3) Aim (多すぎてはいけない)
(例)
1) Development of a prototype
2) Preliminary Characterization

2)Innovation
 (1)Impact & cost efficiency
 (2)Etiology & unmet need
★Be clear what is innovative in your proposal?
そのためには申請中のものも含め特許があるとよい
またConfidentialな情報も、confidentialであると脚注をつけて、具体的に記述した方がよい。
★用語の使い方も注意。単にImmunoassayといってどこが新たしいのと思われるよりより、a novel reporter chemistryといった方がよいこともある。

3)Approach
研究計画のセクション、一番グラントが取れるかどうかを決めるのに重要なセクションである
(1)Preliminary data

Not too much and not too little:多すぎると、この計画をやるのは意味がないと思われる。少なすぎると、プロポーザルの信憑性を上げるのには足らない


Model experiments (シュミレーション?) VS Actual dataは実際のデーターがよいのはもちろんのこと。

(2)実際の計画

 Cast
  PI:technical expertise, leadership, organization, managing experience, managing experience, prior grant, publication

 Collaborators: Expertise in the field, complimentary expertise, access to the resources, letter of support (write it by yourself, and make it say what you expect)
さらにこのチームの信憑性を増すような言葉をいれるべし。自分で言った言葉とともに他人の言葉として、それが入っていることは大きい。

 Facility&Resources&Cosortium
どんな施設リソースをどのように利用するのか?またなぜその施設なのか?を明記。特に離れた場所の施設の利用の場合には。

 Human subjectの利用
 サンプル利用などの手続き等を詳細に書いておくこと

4)Biosketch
Personal statement の部分で、supportiveな情報を入れこめ

5)letters of support from Collaborators
★write it by yourself, and make it say what you expect さらにこのチームの信憑性を増すような言葉をいれるべし。自分で言った言葉とともに他人の言葉として、それが入っていることは大きい。

といった感じでした。

レッドライン&バスが大いに遅れ、ちょっとくじけそうになりながら、たどりつきましたが、結構勉強になりました。

(*)NIHのオンライン投稿システムはバグがあるらしいが、エラーメッセージがでるまでの期間が最終日になると24時間くらいかかることがあるらしく、最終日に投稿するとエラーメッセージが締め切り後にもどってくることもあるのだとか。最終日の投稿は避けた方がよい。小ネタですが。。

(**)ちなみにレビューのランクが、exceptional, outstanding, excellentでないとまず通らないらしい。very good以下はD.O.A(Death on arrival)なんだとか。アメリカ人の形容詞の使い方がよくわかる。。


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ちなみに講演の詳細は以下のとおりでした。

Writing an SBIR: Giving it your Best Shot

This workshop led by Dr. Andrew Levin (CEO of Immunetics) will focus on the tactics and practical elements that give you the best shot at a successful SBIR grant application, in particular to the National Institutes of Health. Topics will include how to prepare for a new application, how to write for maximal impact, how to take advantage of collaborations, how to see the application from the reviewer’s point of view, how to avoid simple mistakes that lead to rejection, how the non-scientific components of an application need to support the science, how applications are scored during the review, what to do if your application doesn’t succeed on the first try, and more. Practical examples drawn from actual grant applications - both funded and not funded - and the associated reviews will be presented. The workshop is aimed both at first time grant writers and those with prior experience.

Dr. Levin is President, Founder and Scientific Director of Immunetics, Inc., a leading innovator of assay technology for infectious disease research and diagnosis. He has been awarded over 25 grants and contracts totaling over $40 million by NIH and CDC, making Immunetics one of the top small business recipients of federal funding in Boston. He is currently focused on launching new tests for bacterial and parasitic agents to address infectious threats to blood transfusion safety. Dr. Levin received his A.B. in Biochemistry from Princeton University and his Ph.D in Molecular Biology from the University of Wisconsin, after which accepted an NIH Postdoctoral Fellowship at Harvard University.

アラフォーからのハーバード留学英語編047:SpeechはCompetitive Sports?

2014-02-26 15:14:44 | アラフォーからのハーバード留学英語編
今週のESLの講義ではたと気が付くことがあった。このESLレベル6は講師の人がユニークで、俳優向けのメニューをつかったり、発声練習をとりいれたり、いくつかのゲーム的な要素を取り入れたりして、カリキュラムが面白い。

講義のコンセプトの一つに、
Public SpeekingはアメリカではCompetitive Sportsのようなものだというのがあり、はっと気が付かされた。

確かに、ラボのミーティングをみていても、ハゲワシのように容赦なく議論を吹っかけてくる。あれは、Competitive Sportsだったのね。

またこれに対する対処法として

1)反射神経を鍛える
2)恥ずかしいなどのメンタルな殻を破る
3)発音・発声をよくする

という見過ごしていたポイントを重視しているのも面白い。

ESLのカリキュラムもそれに合わせて、

Kitty wants a corner(椅子取りゲームみたいなもの)など反射神経を鍛えるゲーム、歌をうたうなど発声練習と殻を破るゲーム、不思議な発音、発声練習、発表練習などが課されて、目からうろこが落ちる。

これをやったから、すぐにしゃべれるようになるとは思えないが、常日頃からこうしたことに気を配っていれば、そのうちミーティングでアグレッシブに発現できるようになる気もする。

ちなみに先日USMLEのCSを受けた知り合いにその対策に聞いたのだが、発音は最後まで難点であったとの話であり、発音矯正には興味を持っていた時だった。

特に彼には日本人が苦手な、r,l, thはきちんと発音ができていないと、最後までネックであり、その対策の秘訣を教えてもらったのだが、

まさにそこで聞いたのと同じことを、毎回時間をとってくれるのはありがたい(*)。

なお強調される音は
D,B,P,V,Th,R,L
が多いのだが、

今日の特集はDの音であった。
この練習には、往年のヒットソング「Do Wah Diddy Diddy」がよいらしい(この辺が講師の年齢を感じるとこなんだけど。。ビートルズ世代です)。

この曲誰しも一度は耳にしたことある曲で、歌詞がはっきりとしているともに、ユーモラスな歌詞なので割とすきです(**)。

楽しく練習できるかもしれません。

do wah diddy diddy dum diddy do~♪


(*)Rは犬の吠え声を、Lは上の前歯にピーナッツバターが付いた感じでといわれるが。。
(**)情熱の薔薇で有名なブルーハーツの甲本ヒロトさんが、この曲で歌に目覚めたとか。確かに似ているというか、両方とも好きな曲です。








アラフォーからのハーバード留学英語編046:ESLの宿題はマインドフルネス!!

2014-02-25 12:19:34 | アラフォーからのハーバード留学英語編

今週のESLの宿題は、Grifford BoothさんのTEDでの講演を2回聞いて、気づいた点をレポートするというもの。ここででてくるとは思わなかったが、これが前から気になっていたマインドフルネスに関する講演であった。

Grifford Boothさんは、もともとは俳優だったらしいのだけれども、その俳優の時のトレーニング方法を生かしてエクゼプティブむけ(UBSとかBCGとからしい)のコーチングをしているというパーソナルトレーナーとして有数の人文つである。

ESLの講師の人も何回もこの人の講演をきいているが、いつ聞いてもいつも手法に驚かされるといわれていた。またこのTEDの講演も10回くらい講義で使っているが、毎回新しい発見があるとのことであり興味深い。

内容をかいつまんでいうと、自己の内面への気づきを大切にすると、他者との関係、ひいては自分の存在にとっていい結果がうまれうるというもの。

この「気づき」ということをマインドフルネスとの言葉を使って説明していた。
マインドフルネスは、最近心理学や精神科的な分野でも注目されており、ある医療関係者のMLでも話題になっていたので気になっていたので、ちょうど勉強になった。(*)。

もともとは仏教用語の「気づき」とか「念」とかいうことから来ているらしい。


TEDの講演ではちょっとしたエピソードを一つ紹介することで、マインドフルネスの概念をうまく示すよいプレゼンだったと思う。また英語は比較的わかりやすいので、話の内容についても、プレゼンの方法論としても、また英語教材としてもすごくお勧めである。


(*)マインドフルネス認知療法といって新しい認知療法の一つらしい。

アラフォーからのハーバード留学英語編045:hear through the grapevine って?

2014-02-21 13:49:45 | アラフォーからのハーバード留学英語編
先日のESLで、
hear through the grapevine
というのは「噂話を耳にする」というイデオムであるというのを耳にした。

ちょうど今話題になっているSTAP細胞に懐疑的なKnoepfler Lab Stem Cellブログで、この表現を目にした。

>New STAP paper troubles? I’m hearing through the stem grapevine (take it with a grain of salt?) that Nature‘s investigation into allegations of problems with the STAP Nature papers go beyond the placenta and DNA gel lane image issues already raised on PubPeer (here and here) and elsewhere.

>What might be the other shoe(s) to drop if any?

意味は

新しいSTAP細胞のトラブル?:幹細胞のコミュニティでの噂話で(割り引いて考えないといけないかもしれないが?)Nature誌のSTAP細胞のNature論文の問題に関する調査が、PubPeerや他のサイトで、すでに指摘されていた胎盤とDNAゲルの画像問題以外の部分にも及んでることを耳にした。

起こるとすれば、何が次に待ち受けているのだろうか?

ってな感じになるだろうか。

ちなみに、

take ~ with a grain of saltは、~を真に受けない、割り引いて考える

the other shoe(s) to dropは、次に必ず待ち受けているもの

を示すイディオムらしい。

それにしても、なんだかな。