あなたにもできる!ハーバード留学!!~アラフォーからのボストン留学体験記

アラフォー研究者のボストン留学体験ブログ。
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ハーバード留学研究2年目編007:留学開始1年5か月たって

2014-08-30 15:34:57 | ハーバード留学研究2年目編
もうそろそろ留学開始1年5か月。。というか一年半。「一丁前な留学」的な期間になってきた(*)

ようやくイメージングの系が何とか軌道に乗り始め、また新たに立ち上げた遺伝子スクリーニング系もそこそこ動き始めてきた。

ここまでくると、ある程度の期間きちんとやれば、何らかのものは得られそうである。このフェーズの研究は、真理の探究といった側面が強くなり、楽しい。

そしてちょっと時間をかけてみたいという欲もでてくるので、何とか来年度のグラントが取れるとよいなと思う。もしくは政治力・交渉力そして英語力が必要か?

1年目の終わりに立てた目標を振り返ってみると、

1)1-6か月目:プラットフォームを作る(スクリーニングとブラッシュアップ)
     イメージング、バイオインフォマティックス等のツールを確保、
     ターゲット遺伝子確定など。

2)6-7か月目:奨学金応募。できれば中長期的なfunding確保。

3)6-10か月目:論文の基礎となるFig1-2のデーターを確保。

であった。

1)に関しては前にも述べたように、新規イメージングプローブを2種開発、遺伝子スクリーニング系も立ち上げた。

イメージングプローブに関してはin vivoへの導入も何とか可能そうであるが、当初目標をちょっと下方修正し、あと1-2か月でどんな形のストーリーでどいったデーターを必要とするかを見極められたらよしとしたい。

遺伝子スクリーニング系は、当初考えていたよりはバックが出やすいという欠点はあるが、そこそこ動きそうである。また新しくつくったイメージングプローブとの組み合わせで、ちょっとエレガントな遺伝子スクリーニングも作れそうで、これも楽しみである。

なお日本でさんざんやっていたことだったので、恥ずかしい限りだが、超簡単なジェノミックDNAの回収&PCRの系の確立に最初手間取ってしまい、トラブルシュートに追われた(**)。ターゲット遺伝子の確定までに1か月でたどりつけるかどうか?これもちょっと下方修正しないといけないかもである。

2)に関しては、とりあえず今年は3つはだせそうである。1個はだしたので、あと2個は最低。また中長期的なものが出せるかどうか、情報収集につとめたい。またここ数か月の間にでるであろうデーターとともにボスもしくはコラボレーターとの相談というカードも考慮にいれていくのがよいかもしれない。

3)については、6月末にあと3か月中には何とかしたいといっていた。期限まであと一か月。何とか目星をつけるところまで行きたい。Fig1-2については年末をめどといったところだろうか?ちょい下方修正。。


(*)医局派遣の留学なんかだと、1年半くらいで帰国されるケースも多い。ここで帰国しても、「あっつ、留学されたんですね。英語ぺらぺらですよねー」と勘違いコメントをされるような気がする。。残念ながら、1年半いても英語はそんなにうまくなりません(笑)

(**)キットを使わなくてよいので、いったん確立してしまえば楽です。

ハーバード留学生活2年目編022:パスポートの更新をするとJ1(&J2)ビザはどうなるのか?

2014-08-29 11:25:38 | ハーバード留学生活2年目編
この夏、初めての夏休みとしてプチ旅行をカリブ海の方までしてきました。その際にちょっと問題となったのが、子供のパスポート&ビザ。

今年の春にパスポートが切れるので、更新していたのですが、問題となったのはJ2ビザは古いパスポートについているのです。えっということは、ビザも有効でない?

とちょっと心配になったのですが、

米国大使館のHPによると、


Q.8 パスポートの有効期限は切れていますが、米国ビザはまだ有効です。 新しいビザを申請する必要がありますか?

いいえ。ビザが有効で、損傷がなく、第一の渡航目的に応じたビザの場合、パスポート2冊(旧および新)を持って渡航することができます。(例えば、第一の渡航目的が観光の場合は観光ビザ)また、氏名およびその他の個人情報のデータは、両パスポートとも、結婚により氏名が変わらない限り同じものになるはずです。新しいパスポートに記載のある国籍は 、ビザが貼付されたパスポートと同じものでなければいけません。

結婚により氏名が変わった場合、両パスポートと結婚証明書を持って渡米することができます。

となっており、新旧両方のパスポートを持っていけば大丈夫のこと。うちはうっかりしていて、子供の古いパスポートを荷物の中に入れておらず、行く直前に気が付きました。旅行出立前のちょっと冷や汗です。

教訓としては、

1)パスポートを更新した場合に、アメリカを出国するときは、新旧のパスポートが必要であるということ。

2)パスポートを更新しても、ビザが付いている場合はちゃんと保存しておくこと。

となるでしょうか?皆様もお気を付けを。。


ハーバード留学2年目生活編021:ボストンの夏いいですねー。

2014-08-12 12:07:55 | ハーバード留学生活2年目編
今年はボストンも夏が長くいろいろと楽しめます。
生きやすいリベラビーチにいってきました。ちょっとカリフォルニア風な景色です。立っている木がヤシでないのですが。。

ものづくりのための研究ノート045:エボラの新治療法は何?

2014-08-07 11:09:31 | ものづくりのための研究ノート
今年初めに始まったとされるエボラ熱の感染拡大が止まらない。つい最近まで西アフリカ4国にとどまっていたのが、ついにサウジアラビアで一人、西アフリカに出張に行っていた男性が死亡したようだ。

またナイジェリアで死亡したリベリア政府会計者の米国籍の男性の接触者から感染が広がっているのもちょっと心配である。詳しくはこちら

この男性の接触者がどの程度の人まで入るかはちょっと不明である(*)。エボラは基本的には、空気感染や飛沫感染しないので、医療関係者や家族が一番のリスクがあるが、それ以外に末期の場合患者さんは嘔吐や吐血をするというので、空路移動中に嘔吐や吐血をしていたとなると、飛行機のトイレなどは大丈夫だろうか。同じ飛行機に搭乗した人などで

ただ一番の期待は最近アメリカで治療を受けた二人の患者ライトボルさんとブラントリーさんが回復傾向にあることだ。
治療法はCNNの報道によると
1)実験的な血清(ライトボルさん+ブラントリーさん)
2)エボラから生還した14歳の少年の血清(ブラントリーさん)
というらしい。

さらに実験的な血清はCNNの報道によると、従業員9人にベンチャー企業によって開発されたマップ・バイオファーマシューティカルが開発中の薬剤「ゼットマップ(ZMAPP)」らしく、エボラウィルスのタンパクをマウスに打ち込んで作られた抗体を数種類組み合わせたものであるとか。

ZMAPPの効果はこれまたCNNの報道によると(以下引用)、劇的なものであるとか(*)。

これをうけてWHOが未承認薬の使用を検討し始めた。エボラ出血熱の試験段階にある治療薬の利用を検討するため、来週初めに、医学倫理の専門家による会合を開くと発表(朝日新聞記事による)したのだ。制度・テクノロジー等々、いろいろな意味でチャレンジングな状況になってきている。

アウトブレイクへの注意はもとより、驚異的な疾患に対抗するテクノロジーという意味でも、未承認薬の使用の前例としても今後の展開に目が離せない。

(*)2014年8月11日現在13人の疑い症例も含めた患者がナイジェリアにいるらしい。すべてがこの人由来だとすると、治療従事者のように濃厚な接触をした人ばかりではない気もするのだか。。

(**)ちなみに1時間で劇的によくなったというこの効き方はちょっと眉唾です。さすがにそんなにはきかんやろ。また最近では富士フィルム(というか子会社の富山化学)の開発したインフルエンザ治療薬「ファビピラビル」も有望な模様。RNA合成阻害薬らしく、RNAウィルスなエボラにも有効な可能性があるとか。また日本でインフルエンザ薬として承認されているのも有望視されている1つなのだとか。
詳細はこちら

(2014年8月29日追記)いまだ今回のエボラアウトブレイクはコントロールできておらず、さらにコンゴでも別のタイプのエボラウィルスの流行が報じられている。WHOは今後半年かけて収束させると言っているが本当に大丈夫なのだろうか?

報道によると(4人中2人効果あり?)ZMappは、現在のエボラの致死率が5-60%であることを考えると、本当に有意に効果があるのかは不明である。

最近まったく「エボラから生還した14歳の少年の血清」の話は出てこない。もしかすると、これが効いたのではないか?


(CNNの記事より)
同社の文書によると、ZMappはまだ臨床試験の段階にない。エボラ出血熱に感染したサルの実験では、感染後24時間以内に投与した4匹と、48時間以内に投与した4匹のうち2匹が生き延びた。治療を受けなかった1匹は感染後5日以内に死んだ。

現場の事情に詳しい複数の情報筋によると、ブラントリーさんとライトボルさんはZMappが開発初期だという危険性を承知したうえで投与に同意した。

ZMappは31日午前、リベリアの病院に届いた。ブラントリーさんは「年下の私は自力で回復できる確率が高い」と話し、ライトボルさんが先に投与を受けるべきだと主張。ライトボルさんもこれに同意し、医師団が1人分の準備を始めた。

薬は指示に従って加熱せず、8~10時間かけて自然解凍することになった。ところがこの間に、ブラントリーさんの容体が突然悪化。呼吸困難に陥り、「死が近い」と自覚したブラントリーさんは、先に解凍したライトボルさん用の薬を自分に投与してもらえないかと提案した。

薬はブラントリーさんの病室に運ばれ、投与された。それから1時間もたたないうちに、ブラントリーさんの症状は劇的に改善する。呼吸が楽になり、体中の発疹も消えた。医師団の1人は「奇跡的」な出来事だったと振り返る。