あなたにもできる!ハーバード留学!!~アラフォーからのボストン留学体験記

アラフォー研究者のボストン留学体験ブログ。
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ものづくりのための研究ノート046:STAP反証論文でる!!

2014-09-25 10:42:31 | ものづくりのための研究ノート
kahoの日記で有名になった「kaho」さんこと、遠藤高帆さんのSTAP反証論文Quality control method for RNA-seq using single nucleotide polymorphism allele frequencyが本日Genes to Cellsにでていた。STAPの反証論文としては初めてのものである(*)

ちょっと読んでみると、主にRNA-seqデーターを基に、解析を行っており、以前kahoの日記で有名になったChip-seqのインプットのデーターを基にした解析の話はでていなかった。

Chip-seqの解析はちょっと雑な感じもしたので、kahoさんの方で詰めきれなかったことがあったのだろうか。また不可思議なのは、以前NCBIにdepositしてあったChip-seqデータ(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/biosample/?term=SAMN02393426+OR+SAMN02393427+OR+SAMN02393428+OR+SAMN02393429+OR+SAMN02393430+OR+SAMN02393431+OR+SAMN02393432+OR+SAMN02393433+OR+SAMN02393434+OR+SAMN02393435)は今見れなくなっている。元論文自体リトラクトされたからその影響とも取れるのですが、置いておくとまずいことでもあったのかもしれない(**)。

論文の趣旨としては、RNA-seqに利用されている細胞のジェノタイプが129/B6のF1であることに着目して、129とB6とで配列のことなるSNPに着目し、129とB6由来の染色体アリルの混ざりぐあいを調べる(129B6F1なので本来は50%)手法を基にして、次のことを見出している。

1)ES,STAP,STAP-SCはdepositデーターのアノテーション通り129B6F1由来、FI-SCはアノテーションでは129B6F1であるが、ほとんどがB6由来の細胞であると考えられる。

2)FI-TSCは一部の遺伝子はCD1由来のSNPを持ち、その他の遺伝子に関してはB6由来のSNPをもつ。ES(B6)+TSC(CD1)といった混ざりものの細胞ではないのか?

3)STAP細胞については、ゲノム全体では129由来のアリルとB6由来のアリルの半々が混ざっているが、8番染色体に反してはB6由来のアリルが30%しか占めていない。8番染色体のトリソミーが示唆される。

4)各種遺伝子の発現ES細胞とSTAP細胞とで比べると8番染色体由来の遺伝子の発現がSTAP細胞で優位に多く、13番染色体由来の遺伝子の発現がSTAP細胞で少ない。このことからも8番染色体の数の増加、13番染色体の欠失が疑われる。

5)8番染色体はマウスの培養したES細胞に多い変異であり、STAP細胞はES細胞+体細胞の混ざったものであることが考えられる。

6)8番染色体の異常のあるES細胞はマウス個体をつくらないので、このことからもSTAP細胞よりマウス個体がつくれるSTAP幹細胞ができたというのは疑わしい。

といったことになる。

以前この研究に関する報道をうけて考察したものづくりのための研究ノート043:STAP細胞=ES細胞でない??「kahoの日記」の意外な結末!!でのべていたように

結局STAP細胞&STAP関連細胞の系統としては
1)ES細胞単独
2)ES+TS細胞
3)ES+体細胞
の3つがあるのかもしれない。少なくとも2)、3)の系統はあることがこの論文からは示唆される。

すると気になるは、ES細胞やTS細胞のソースはどこ??コンタミは意図的??ということではないだろうか?

細胞の供給者というか、事情を知りすぎた人物がいるのではないか?(***)

(*)生物学的な反証論文というのもそろそろ出そうという噂である。こんなこともあるから当初1年かかるとしていた再現実験も、11月までが目安なのだろうか?

(**)よくよくみるとSRP038104にまとめられておりました。。(10月21日追記)

(***)単独犯ではない?!これ以上は憶測になるので、書けませんね。

(10月8日追記)
トリソミー8はマウスのMDS細胞由来で、ES由来は否定できるはないかという話もでているようであるが、

1)いくらB6でも新生児マウスでMDSはそんなにおらんやろう。普通に使うadultでもそんなに見たことはない(月齢12か月とかでない限り、そんなに頻発しないのでは?)。

2)マウス由来でそれがたまたまMDSであったとしても、その後培養できないし、マウスの個体はつくれんやろう

とあまり説得力がない。

現実的には、状況証拠的なこのバイオインフォの結果だけでなく、近々出るという生物学的な反証論文も含めて、最終的には総合的に判断するということになるのだろう。

(追記)2016年3月1日追記。
個人的にはもはや興味を失っていたのだけれど、未だにこのブログのSTAP関連の項目を目にされている方が多い様なので、追記しておく。

2015年9月24日同様の趣旨からなる論文をNatureが掲載した。

1報目"Failure to replicate the STAP cell phenomenon"はボストンを中心とした幹細胞分野の大御所たちのチームによるもの
2報目"STAP cells are derived from ES cells"は理研のグループによるもの

の二つで、1はほぼ全てのSTAPのprotocolを検証し、作成できないことを示すとともに、バイオインフォマテッィクスを利用してSTAP細胞とされていたものに、ESが混ざっていることを証明したもの、2もバイオインフォマティックスを用いてESのまざりを証明したものである。

STAPの論文は途中から基本的に無理筋な感じを呈してきたが、これで完全に決着がついた。残念ながら、おそらく誰かがES細胞を混ぜて虚構の細胞を作ったことになる(結局それが誰かわからないのであるが。。)。ただこの一件で日本のサイエンスに大きな傷跡が残り、一人の偉大な科学者を失ったことは悔やまれる。

ハーバード留学生活2年目編027:エンテロウィルスD68 ボストンでも流行はじまる?

2014-09-25 10:28:35 | ハーバード留学生活2年目編
(図は9月24日現在の感染状況をCDCのサイトより引用)

確定診断ができないため、昨日まで確定していなかったらしいのだけれど、子供に重篤な呼吸器症状を引き起こすエンテロウィルスD68がいよいよボストンにも入ってきたようだ。
ちょっと前まで中西部ではやっていて、ニューヨーク州でも9月15日くらいにでたと報道されのだけれど、類似の症例が今週あたりからMGHでも見られ始め、本日確定したらしい。

子供がいると心配で、うがい、手洗い要注意である。

ハーバード留学生活2年目編026:ドローンいいですねー。

2014-09-11 13:31:20 | ハーバード留学生活2年目編






公園で誰かがドローンを飛ばしていました。
すごくたかく、また広範囲を飛ぶ感じで、ラジコンなんか目じゃなさそうです。
ファントムっていうやつらしく、5万くらいするのか。うらやましい。

飛行機とか自動車が好きなうちの子供の目も釘づけ。


ハーバード留学生活2年目編025:ボストンの隠れた小道

2014-09-11 13:06:25 | ハーバード留学生活2年目編



今住んでいるボストンの近郊のブルックラインには、人が歩くためだけの小道が用意されている。詳しくはExploring the Paths of BrooklineHidden Paths (Brookline Historical Societyにでているが、丘の周りを周回するようなルートがこの街には多いため、歩行者の利便性を図るために1800年代の終わりから1920年代までの間につくられたものらしい。

先日子供のクラスメートの誕生日会に行くのに、初めて通ったのですが、秘密の場所に通ずるルートのようでちょっと面白いです。

ちなみに最近家からちょっと離れた公園にジョギングするのにつかっていますが、マラソンコースとしてもよいですね。




ハーバード留学生活2年目編024:バハマ行ってきました

2014-09-11 12:44:41 | ハーバード留学生活2年目編




ちょっと前ですが、夏休みをとってバハマ(*) にいってきました。4泊とちょっと短めですが、定番リゾートに行き、夏を満喫してきました。

ホテルは、各種プール、ビーチ、水族館、レストランが完備された巨大リゾートにあり、雰囲気的にはテーマ-パークに留まっている感じです。

波が高くてビーチで砂遊びをちょっと楽しむだけでしたが、プールにはいったり、水族館をみたり、魚の餌やりアクティビティをしたり、と子供は大喜び。また大人も日常を忘れて、つかの間ののんびりした時間を満喫しました。


ちなみにバハマは観光が産業になっているせいか、うまくお金を落とすような仕組みがいたるところに作られており、物価が高い(アメリカの2倍(**))のと、エクストラなアクティビティにお金がかかるようになっています。その仕組み化は絶妙で、伊豆の温泉旅館さながら。

そういえば、南海のリゾート王として知られ、バルブ崩壊の一因ともなったといわれる事業化、高橋治則氏(***)が伊東のシャボテン園を気に入って投資していたという話を思い出しました。バハマにもリゾート王というのがいるのでしょうが、割とにたような
発想の持ち主なのかもしれない。


(*) バハマは200くらいの諸島からなっているらしく、そのうち一つがコロンブスがアメリカを最初に発見した時の島であるサンサルバドール島

(**)たとえば1ℓのミネラルウォーターが7-8ドルします!!

(***)ちなみに、バブルの一件で失脚したのち、2002年ごろ再度復活され、伊東のしゃぼてん園や、グアムのハイアットリージェンシーなどを買い戻されていたらしいですね。いろいろきな臭いうわさもあるようですが、そのバイタリティーはすごいものがあります。詳しくは田中森一さんの著書なんかにかいてあります。